![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/13149122/rectangle_large_type_2_6f501394d4b40a8982211c2b16f0aa23.png?width=1200)
『獣旋バトルモンスーノ』第二期にも導かれてきた
私は数週間前、『獣旋バトルモンスーノ』の第52話……つまりは二期の最終回までを視聴し終えた。
本来なら、視聴を終えたその時に記録を残しておくべきだったのかもしれない。だが私には時間が無かった。今更遅いと言われても仕方がないだろう。けれど傲慢かもしれないが、私には感想を書く責任があるのではないかと考えている。
先に、以前の記録を紹介しておこう。
これは私が、モンスーノ第一期にあたる部分の視聴を終えた際に書いた記録だ。基本的な内容に関する説明や感想は、おおむねこちらに書かれている。モンスーノを知らない、もしくは一期の感想をまだ読んでいないものがこのページを開いているなら、まずはそちらを確認することをお勧めする。
傲慢と変人とゾンビ
さて、二期の内容に移るとしよう。
モンスーノの基本的な面白さは、一期とさほど変わりはしない。
破壊の伴うモンスター同士のバトル。気の抜けた、けれど独特の愉快さを感じさせる掛け合い……そして煽り……
しかし一期と二期とで決定的に違う部分がある。
そう、ジェレディ・スーノ博士の存在だ。
一期のストーリー上に置いて、ジェレディは追われる者であった。
主人公チェイス・スーノは父ジェレディを追い求め、仲間と共に旅を続ける。父の居場所も、目的さえも分からず、時には不安を抱きながら……
その不安と、前に進めなくなった彼を鼓舞する仲間との関係性とが、一期の特徴の一つでもあった。が、二期においては違う。ジェレディはチームコアテックを支える司令官のような立場になり、地球崩壊を阻止するという分かりやすく、かつ正しいと信じられる目標にチェイスを導いていく。
結果はどうか。
強靭なメンタルと親譲りの傲慢さを遺憾なく発揮したチェイスたちコアテックが、恐るべき大活躍を見せるようになるのである。
その破壊力は二期開始早々に発揮され、国際的軍事組織S.T.O.R.M.の基地に易々と潜入した挙句、破壊と略奪を行い、鮮やかに撤退していくコアテックの様子は、とても正義のヒーローチームには見えない悪辣さを感じさせられた。
とはいえ、モンスーノという作品においてそれは良い事である。
テンポよく気持ちのいい破壊活動は、モンスーノの醍醐味の一つだからだ。
新キャラ達も良い。
シャルルマーニュに密かな恋心を抱くジャンク系学者のタリス教授に、粗暴な雰囲気を持ちつつも教授に忠実な真っ直ぐさを見せるパンクモンク。
打倒コアテックを目標に掲げた不憫なエリートチームストライクフォース。
モンスーノサイトを操る青白い顔の集団、ファイブアームズ。
エクリプス陣営にはちょっとマジで色々可哀想な新キャラシックスが誕生し、これら多くの戦力がコアテックの前に立ちふさがる。
数は増えたものの、目標・目的にさして変化はなく、同時に暗躍するような場面はそう多くないので、混乱は起こらない。
ここにしぶとく生き残っているダークスピンやドルーグも噛んで来るのだからまぁ大変な敵の数なんだけど、敵同士の中が悪いのがせめてもの救い。
そんな風に、一期よりも分かりやすく、かつ派手にバトルを行うようになった第二期。玩具アニメとしても順当な流れだと言えなくもないのだが……
……ゾンビ回が多い。
後半2クールの中になぜか2回ゾンビ回がある。
なぜ? ゾンビ回、やっても普通1回では?
チームバトル!
前項でも説明したが、二期からは複数のチームが登場し、チームVSチームの場面が増える。それによって、激しいモンスーノバトルはより迫力を増すようになった。
パンクモンクの使うモンスーノは、ジャンク機械と融合したかのような独特の見た目。X-100!(言いづらそう)やベノムタービンあたりのモンスーノが特徴的でよい。
パンクモンクに関して言えば、見た目はいかにもアウトローなのだが、雇い主であるタリス教授への忠誠心が熱く、チームコアテックが極悪人に見えてしまう展開などもあった。
S.T.O.R.M.のエリートチームストライクフォースも、地道に経験を積み重ねていったコアテックとは違う、特別な訓練を受けたエリートという設定が味を出していた。
そもそもS.T.O.R.M.はシャルルマーニュの暴走がヒドイだけで、別に悪の組織ではない。そのため、ストライクフォースの面々は正々堂々チームコアテックを打倒しようと考え、彼らに張り合う。のだが、チームコアテックが正々堂々とはかけ離れた手で逆襲したりするので、わりと可哀想な集団だったりもした。最後にはコアテックが世界評議会に表彰されてたけど、君たちその式典どんな気持ちで見てたの……?
コアテックと正々堂々戦おうとしたらシャルルマーニュが出張って来た回など、不憫な印象の強いチームだ。
青白い顔した不健康そうな組織ファイブアームズは、いかにも真の敵!といった風情でコアテックの動きを監視し続け、使うモンスーノも緑色のクローンモンスーノと特別感がある(使いまわされている感もある)。
ただ、この組織に限った話ではないが、地球滅亡の危機を前にして悠長に悪だくみしてる皆さん、地球が破壊されてしまったらどうするつもりだったのだろう……? という疑問も湧いたりする。健康診断いけば?
クリプス教授も、ヒューリーを本格的に抱え込みはじめ複数人でコアテックの前に立ち塞がる……のだが……
実験の中で、クリプス教授が自分とチェイスの遺伝子を掛け合わせた人間、『シックス』を誕生させてしまったのには驚いた。今日は僕の誕生日だ。いやそうじゃなくて。え、禿げた敵のおっさんと主人公との間の子!?
登場回では、何も知らないチェイスと兄弟のように息の合ったコンビネーションを見せるが、兄弟というか息子である。
チェイスも登場して少しの間は「シックスも不憫な奴だ……」みたいな同情的な態度を見せていたのだけれど、回が進むと「名前の通りお前は永遠にナンバーワンにはなれないぜ!」みたいなことを言い始める。ちょっと可哀想だと思わないのか。誕生日プレゼント大好き。
ついでに言うとチェイスの相棒ロックもチェイスのDNAを受け継いでいた。息子のDNAをフリー素材にするな。
あと相変わらずダークスピンが異常にタフ。
巨大化した食虫植物に食われたのにしばらくして普通に出てくるのには驚いた。チームコアテックのやり方もあまりに容赦がないけれど、実際敵も敵であまりにもタフすぎやしないだろうか。それがモンスーノの世界だ。モンスーノの世界から足を洗おうとしてもモンスーノそのものになってしまったりするもんな。
激化する戦いと……
第二シーズンは、しばらく配信すると一時的に配信が止まってしまった。
なぜ、と思っていたが、再開された辺りからは新兵器ストライクギアなるものが登場し、更にモンスーノバトルが激化しており、なるほどここの区切りだったのかと理解する。区切る理由自体は分からない。
モンスーノによる地球破壊への対応にも目途が出て、なんかよく分からないがロックの新能力を応用してジョン・エースが元に戻ったりする。
ストライクギアはモンスーノのエネルギーを多量に消費する代わりに、絶大な力を発揮するというシロモノ。なのだが……多量の消費に関してはあんまり描写されなくなる。まぁそういうこともあるよね。
あと、ファイブアームズのクローンモンスーノ技術を活かして作られたバイオモンスーノを意気揚々と出したら、ストライクギアを使われ全員真顔、というシーンが好きです。っていうかバイオモンスーノの強みとは一体……
ところで、ストライクギアが開発された辺りで、現存するほとんどの勢力にその力が渡ったのだが、何故かデザートウルフには与えられなかった。
大丈夫かデザートウルフ。一歩も二歩も出遅れたぞ……と思っていたのだが、ザンネンなことにデザートウルフは退場する運びとなってしまった。モンスーノとのつながりを失ってしまったジョーカーの背中の寂しさときたらもう……
やっぱり楽しいモンスーノ
色々あったが、モンスーノ二期の感想を一言でいえば『楽しい』だろう。
チェイスの傲慢さや、軽口をたたき合う仲間たち。
天然というのはちょっと度を超しているんじゃないかという感じのするノア君に、感情豊かなモンスーノたち。
クイックフォースの件は悲しかったけれど、ネオクイックフォースと仲良くなろうとするブレンの姿も割と好きで、モンスーノサイトに頼らずモンスーノとの絆を作るという彼の目標が成就することを切に願う。
ストーリーの憂鬱な部分や迷いのターンは減り、より明確な目標へ向けて突き進む破壊組織チームコアテック。見ているとどこか爽快な気分になる、良いアニメだった。
惜しむらくは、第三期……おそらく恐竜のモンスーノが活躍するであろうお話が、日本では放映されていないことだろうか。
こう……字幕でもいいから……配信無いですかね……?
いいなと思ったら応援しよう!
![螺子巻ぐるり](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/30629985/profile_c6191ceaa2b4e24b7c03e45a29135772.jpg?width=600&crop=1:1,smart)