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雪の降った山

前にいた高校の、部活の友達たちと登山の計画を立てた。

と言っても、みんなで登山をするのは久しぶりだったし、受験があったりしたので、そんなに高い山には行かずに比較的簡単に登れるような山へ行く計画だった。

なんならみんな、ただ会って話したいだけで、登山という選択は1つの口実でしかなかった。


そんな予定ですら波乱は起きた。


まず、当日の朝、私はものすごく体調が悪かった。


おとといまで20度近くあった気温が、昨日から一気に冷えて、さらに雪まで降ってきたのだ。


気温の変化だけでもきついのに、雪にも降られたらよけい体調が悪くなる。

そんな前日を過ごしていた。



その状況でもなんとか電車に乗って、2時間かかる目的地までなんとか予定通りにたどり着くことができた。


その道中で一旦友達と合流した。

だが、そこでLINEの通知がきて、


「やばい今日腹痛すぎる日だから行けそうにないわ」


という文字があった。


いやおい。

もう1人完全に体調が悪いやつがいるんかい。

そしてお前は来ないんかい。


そんななんだかんだがあって、結局1人は来ずに、4人で行く予定だったのが3人になった。



久しぶりに登る山はとても気持ちが良かった。

そもそもみんなと久しぶりに会えて、こうしてくっちゃべりながら山を登れているという事実がたまらなく嬉しい。


辺り一面には、この時期に降るのは珍しい雪がまだ残っていて、視界は全て銀色に輝いていた。


かなり運が良かったと思う。

普通じゃ見れない景色だ。

登り始めたら、自分の体調が悪いことなんか一切忘れていた。


初めのほうは、雪はいくらか溶けていたため歩きやすかったが、どんどん登るにつれて雪の量が増えていった。


山頂が見えるほどまで近づいた時には、足はもう完全に埋まってしまうくらいの積雪があった。

どれもが昨日降ったばっかのさらさらな雪なので、上手く踏み込むことができずに何回も滑ってはコケた。

コケるのは悪くない。全然問題ない。

ただ、めちゃくちゃ冷たいし寒いのだ。

手がびしょ濡れになるのも意外と嫌なのだ。



そんなこんなもあり、やっと山頂に着いた。


山頂ははっきり言ってなかなか地味だった。


なんなら道中の方がめちゃくちゃ綺麗だった。


そのあとももう1つ連なる山を歩こうという計画だったのだが、あまりにも積雪がひどかったため、来た道を引き返すことにした。


ここで突然、私の身体に異変が起こる。


腹痛だ。


朝の時の悪い流れがまたやってきた。


しかも、ここは生憎山頂なのだ。


休める場所に行くまでは相当な時間がかかる。


馬鹿みたいなピンチがやってきた。


私は友達に先に下りて待ってるわと言い残し、登ってきた道を全力で駆けていった。

足元は雪で覆われていて歩きにくかったが、正直それどころではなかったので全然気にしなかった。


そして登った時間の半分くらいで休憩所にたどりついた。


びっくりするほど走り続けていたが、それに気づいたのはまずトイレに入って一息ついたところだ。


足はもうパンパンだったし、下半身全体が1日経ってもしんどいままだ。


でもとりあえず、無事に帰ってこれて良かったと思う。


それから何十分かして、友達たちが下りてきて合流した。



そして、みんなで少し休憩してから、電車に乗った。


やっぱり、何であれ、登山は最高だ。


登っている間はずーっと素敵な光景に包まれながら、平和な会話をして過ごせる、至福の時だ。


もちろん1人で行くのもいい。


でも、やっぱり多ければ多いほどいいとも思う。


次はやっぱりみんなで行きたいな。


今度はもっとあったかい頃に、高い山に行こう。



帰りの電車も2時間くらいかかる。


でも、話をしていれば、あっという間に時間は過ぎる。


寝るのは帰ってからでいいや。


そのかわり、帰ったらバカほど寝よう。


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ましこ
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