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とっても言いにくい「支援級の方がよいのでは?」~放課後デイという選択肢~

12月が終わりを迎えます。

12月と言えば本校では個人面談があります。
個人面談の中で話していて悩むのがクラスの気になる子の保護者に

「支援級の方がよいのでは?」

と伝えるのかどうか。

僕も支援級を昨年度経験し、先輩方や支援級の先生、スクールカウンセラーの話をトータルすると結論

伝えない。

がよさそうです。
いきなり支援級がよいのではと伝えると、担任の指導が悪いと言って対立関係になることも少なくないそう。

そうなると誰も得しない状況に。

ということで、基本的には感情をはさまず事実ベースであったことを具体的に話すことと、そのような場面でどのような支援をしているのか。そして、その支援によってどのようにできるようになるのかを話すようにしています。

これによって保護者に現状を把握していただくことができ、最後にはできていることを伝えることで、ただ悪い印象だけで終わることがないようにしています。

それで伝わらなければ、それ以上は何も言いません。支援級に入るかどうかの基準がはっきりない中で、これ以上の説明は難しく感じています。

このように面談でお話していると、

「支援級に入るとどのように支援されますか。」や
「うちの子ADHDですよね?」や
「療育センターに行った方がいいですかね。」などご家庭でも普段から悩まれていて前のめりに質問される方もいらっしゃれば、

支援級という選択肢など微塵もなく、特に反応がないまま面談が終わる方もいらっしゃいます。

ちなみに前のめりの方にはまずはスクールカウンセラーに相談することをお勧めしています。

そうかと思うと、この子にはそれほど支援は必要ないかなと思って指導していても、幼稚園や保育園の時から療育センターに通っているという方もいらっしゃいます。

ここでお話していて感じることを整理すると

「支援」「療育」「ADHD他」

などに対する知識が保護者によってあまりにも違いすぎるということが課題として挙げられます。(ぼくもまだまだよくわかっていないので、それを保護者に求めるのもどうかと思いますが…)

支援級に入る入らない、療育に行く行かないにかかわらず子どもたちを育てる大人として、そのような知識をもっとみんなでもてる機会をつくることができればなと思っています。

子どもたちには様々な特性があるんだということを知れば、我が子とのかかわり方も、我が子の友だちに対する見方も変わってくるはずです。

そうすれば、学級経営に対する保護者の理解も変わってくるのではと思います。みんなwin-win

職員研修兼保護者セミナーみたいな形で「障がいについて考えよう」みたいな時間をいつかとれたらどうだろうなんて思っていますが、手っ取り早く保護者に知識を増やしてもらうには、実際に支援級に入っていたり療育センターに行っている人の意見を聞くのが一番ではないでしょうか。

そこで思いつくのが、

懇談会

ざっくばらんに色々な話を聞ければそれは貴重な機会になるはずです。
ただ、現在はコロナの影響でほとんど保護者参加の行事はなくなっています。

でも、そもそも保護者の方が話したくないと思っているなら、懇談会の機会があったとしてもお話を聞くことはできません。

ということで、今年から療育センターに通っている保護者に

①どうして療育センターに通おうと思ったのですか?
②療育センターに行っていることを他の保護者に知られたくないなどありますか?

と面談の中で聞いてみました。

すると、

①看護師をしていて療育センターの制度をよく知っていたこと、近くに自閉症の人がいて自閉症に対する理解があったことで通おうと思いまし。

②療育センターに行っていることなどは隠すことではないと思っています。

との返答をいただきました。

加えて今年から通うようになった放課後デイサービスについても教えてくださりました。

ちょうど他の方が放課後デイに行こうか悩んでいると面談でおっしゃっていたこともあり、

僕自身
「ところで放課後デイってなに?」
と思っていたので僕も興味深く聞きました。

その話を聞いて、
「こんな話を懇談会とかでお話いただくと、きっと救われる保護者の方いっぱいいますよ。でも、懇談会とかもないですしね。」

と僕が面談の最後に言うと、なんと次の日放課後デイサービスについてプリントにまとめてくださりました。

これはすごいと思って、その日のうちに電話して感謝を伝えるとともに活用について相談したのですが、名前を出さなければどのように使っていただいてもかまわないということ。この先のクラスでも知りたい方に渡していただいてもかまわないということでした。なんていい人^^

そして、真っ先に浮かんだのが学級通信

ここに載せて、こういう選択肢もあるんだということを知ってもらえば、これまでまるで興味がなかった人にも情報を届けられるのでは、と。

そこで、校長に許可を取って出そうと相談に行くと

学校で放課後デイサービスを紹介してどんどん行ってくださいというようにとらえられると、本来の目的とズレてくること。そもそも、放課後デイサービスは枠が限られていて裾野をひろげすぎないようにしていること。

を指摘され、確かに支援や子どもの特性について考える機会を作りたいという意図が伝わらなければ意味がないなと思って断念しました。

でも、それを放課後デイサービスが気になっている方にお渡しすることはやっていくとして、それだけだとせっかく作ってくださったのにもったいない。

ということで…

ここで公開します。

興味がある方読んでみてください!そして、どのように使ってもよいと許可を得ているので、よければ面談などでご活用ください。


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