弱点検証
いくらスマホが市民権を得ているとはいえ。
町角で、のべつスマホで何かを撮ろうとしてる人はそうそう居ないはず。
ま。いれば、不審者だよね。
カメラを手にすると、写真を撮りたくなる。ただ気付く。そう、被写体をナニにするかなんて、思いつかないことに気付く。
運良く、最近できた可愛い恋人が居たとしたら。一度、二度ならカメラを趣味としている「新しい」恋人のために。喜んで被写体になってくれるかもしれない。
しかし、それが二度・三度となる場合。もう、恋人が新しい恋人でなくなった頃。運命は分かれ道を迎える。
運良く、彼女が写真好きな女性なら。彼女用に、もうONE SET撮影機材を揃え。二人でフォトジェニックな場所にでも赴いて、景色だろうと動物だろうと撮れば良い。もしかしたら、写真を撮る彼女が被写体にもなってくれる。
でも。
大概の女の子は興味も関心も湧かない趣味には、早々お付き合いも出来かねて。いつのまにか被写体になることはおろか、カメラそのものに忌避感すら漂わせつつ、こう言う。
「スマホじゃだめなの?」
気が遣えるオトコなら、爾後、自然と彼女と一緒にいる時は撮影機材は携行しない。あくまでカメラは個人的な趣味。人間相手よりも、モノ言わぬ花や景色がお友達。場合によっては、家で飼ってる猫や犬が犠牲になってくれる。
犬や猫も飼ってない人によっては、この辺りで写真が趣味でなくなる場合も…あるにはある。
そこで、カメラを売らなきゃいけないカメラメーカーと、廃刊相次ぐカメラ雑誌。被写体に恵まれない(被写体を思いつけない)カメラユーザーのために、わざわざ考えてくれた(かもしれない)伝統ある写真ジャンル。
それが「町角スナップ」。
レンズとの組み合わせで、カメラを構えるまでもなく。シャッターさえ押せば、一応ピントのあった写真を無作為に撮れる。「パンフォーカス」設定なんてのもある。
パンフォーカスまでいかなくとも。
小さな筐体と小さなレンズで目立たなく撮る分には、ヒトは「あぁ、なんか分かんないけど。写真好きなヒトなんだわ」くらいには思ってくれる。
基本。ジブンの年齢・人相・風態からだと。さしずめ不倫調査を依頼された探偵事務所の雇われ人、あたりが適役だと勝手になりきり。で、あれば胡乱がられようが、お構いなし。
そんな、手間暇かけてでも…という気分にならないと。
意味もなく(いや、意味は十分あるんだが)「そうだ、カメラを携えて町角を撮りに行こう」とはならない。
商業カメラマンさんが、日常も(自身の)写真技術向上のためにカメラを携えて町角で写真を撮ってるところに行き合わせることはほとんどないけど。そうした努力を重ねて出来上がる商品・作品は、実に尊い。
え?お前はどうなんだって?
タイトル通り、町角スナップは苦手でございます。
ヒトサマの家の植栽とか、塀越しに(無断で)覗き込んで撮影するのって。未だに花泥棒的な後ろめたさが拭えません。
たまに、家の窓から睨まれることすらある。
でも、まぁ…。
気が向けばカメラ持って、撮りにいっちゃうんですけどね。だから、いつまでもビギナーのまま。(笑)
これは、慣れなのかしらん。何年やっても抜けない(町角スナップへの)苦手意識。先輩諸兄諸姉の作品を眺めては、そう思うのです。
【補追】
御披見の方で「小池さん」が居られましたら、ご容赦くださいまし(合掌)