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【紀行】雲月山

島根との県境にそびえる標高911.2mの雲月山。この辺りは西中国山地国定公園及び北広島町の野生生物保護区に指定されています。山頂に立つと360度の風景が広がり、遠くに伯耆大山や日本海も見ることができます。木が少なく広々とした草原が特徴で、その景色をのんびり眺めていると心が穏やかになります。その昔はたたら製鉄が盛んで、斜面には今も鉄穴流し(かんなながし)の溝跡が残っています。

from 旅アプリ KITABITO

広島北ICから北に向かうと、豊平町どんぐり村迄小一時間。
そこから、西に向かえば加計・戸河内・筒賀。北西に向かうと島根県境。慣れぬバイクFLSBであれば…北西への道が適しております。

そこで、雲月山を目指すことに。

ご当地、かつて放牧をおこなっておられたこともあり。県内の山塊では珍しく山の姿が露わなイメージで。山頂極めるでもなく、山頂を望む展望台まででも十分楽しめる場所なのです。

先週までの残暑ざんまいを思えば、ススキの群生には少し早い時節。それでも結構な量のススキは見て取れます。

駐車場から東屋を目指して登っていく…
振り向くと駐車場南東方、青い山々

こちらに最初、足を踏み入れたのは9年前。
やはり秋口のことだったかと思います。分県版「広島県の山」を片手に里山行脚がマイブームだった頃のこと。

コロナ前は、きちんと野焼きも施されてました。

東屋(あずまや)までの道すがら…。女郎花が咲いております。

花言葉「親切・美人・永久」
秋の野草花ですわ

日当たりの良い山野に自生する多年草。名前の由来は、花の色を栗飯にたとえたオンナメシ(女飯)が転訛したという説、枝が細く優しい姿からという説がある。茎の上部はよく分枝し草丈は50-200cm。葉は対生し羽状に切れこむ。7-10月に枝先に散房花序を出し、小さな黄色の花を多数つける。花冠は5裂する。秋の七草のひとつ。万葉集や源氏物語の古典で詠まれている。近年、自生は少なくなっている。

from APP「花しらべ」

女郎花といえば。
「兵隊やくざ」で勝新太郎が口ずさむ浪曲『紺屋高尾』の一節。「遊女が客に惚れたと云い。客は来もせでまた来ると云う〜」の下り。

貸切状態の雲月山、山頂展望台をめざしつつ。浪曲『紺屋高尾』を口ずさみながら、60男が登ってゆくのでございます。

本来。ここに来る時は、前述の豊平にて「むさし」のムスビとお茶を買込み。くだんの東屋でいただき。備付のベンチに仰向けに寝っ転がり。昼寝してから家路に着く、というのが定番の旅程だったことを思い出しつつ。

何もないのでIQOSをふかし。しばし寝転ぶの図。

9年前とは隔世の感…しばし。
空に吸はれし60のココロ

少しづつ、景色も人の心も変わっていく…てなこと、考えつつ。尻を叩いて家路に着くことといたします。