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【物録】Gibson LPM 2014
見られそうなシミ。いや、違った。
いわゆる、EADGBE。レギュラー・チューニングのことです。>ミラレソシミ
ギターのチューニングは、音叉を腿で引っ叩いて、ギター全面のボディーに当てる。ボディ内で共鳴した音に五弦(A=440Hz)を併せて以下同文。なんぞという手間ひまかけずとも。
チューナー使ったり。スマホのアプリで合わせる人が一般的。
去年の夏過ぎ。2010年代にGibson社が、自社のguitarに装着して一世を風靡した、G-FORCEシステムこと。Min-ETuneユニットを手に入れる機会があり。こいつを装着できる、レスポール•スタジオ(guitar本体)の中古を見るともなく見ておりました。
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不安要素。
果たしてペグ6本とコントロールユニットを現品装着してあるものから、きちんと換装できるかどうかという点。そして、現品持ち込みで仕事として請け負ってくれるギターショップが、あるのかないのか。
マニアの皆さんにとって。2010年代のGibson社は、ご乱心・五里霧中の時代と言われます。経営が傾く中、さまざまな手法で実験的なguitarを世に出していたそうです。
たとえばE-Tuneを出す前の、本体組み付けバージョン。Robot Guitarとか。
ネーミングセンスどうなのよ、的なものもあり。むしろ、そうしたギミック…いや、デバイス。2020年代から見るとワタクシにはむしろ微笑ましく、心に刺さってしまったのです。
2014という年は、Gibson社創立120年の記念すべき年であったことから。意欲的に新作含めた多種のguitarがデリバリーされていきます。翌年、2015年はレスポールモデルを作ったレスター・ウィリアム・ポルスファスさんの生誕100年。
これまた、数多のレスポール・モデルが産出される年ですが…。酷評甚だしく、Gibson社の混迷っぷりを象徴する個体群とまで言われてるとか、言われてないとか。(どっちやねん)
そんな中、とある中古モデルをデジマートで見つけました。
それがこちら、Gibson LPM 2014。
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■Specifications
●Body: Mahogany /“Traditional” weight relief
●Top: Maple top
●Neck: Maple, 50’s Rounded Profile
●Fingerboard: Rosewood Trapezoid Inlays with 120thAnniversary logo
●Hardware: Min-ETune system, Satin Chrome Tune-o-Matic, New Larger Strap Pins
●Electronics: New ’61 Zebra Humbucker
●Finish: 20 Sheen Ultra smooth satin
●Plastics: Black max grip speed knobs
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(イシバシ様より拝借御免)
発売はビシバシ…失礼、イシバシ楽器から、ということで。
今でも、Gibson LPM 2014で検索すると。当時のギター群を紹介するページが残ってます。(厳密にはイシバシ楽器の独占販売…ということではなかったんだと思います)
2014年当時の発売価格は、希望小売価格¥112,000(イシバシ特価¥78,519)でございました。2024年の中古価格は¥90k強。10年経って値上がりしております。
オークションサイトで廉価のレスポール・スタジオを渉猟すると。新品価格が¥190k。スタンダードが¥320k。カスタムが青天井。こちら2014年のLPMがLPJ(レスポールジュニア・ベース)にE-Tune付のレスポールだと考えれば。
¥90kは…まぁ、妥当な値付けだと言えましょう。(本物であれば…ですが)
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シングルコイル弾きたきゃ、fender弾け…派です
届いたLPM。
早速、開封して弦を外し。あちこち拭きながら傷などチェックしつつ手持ちの弦、fender弦(!)10-46を巻いていきます。そうなんです、巻くのは手動。(笑)
ご丁寧に、「ストリング・ワインダーなんかでペグ回しやがったら。速攻、壊れっからヨ。旦那」と注意書きがあったので。弦端ロックしたら、ふた昔前の一眼レンズよろしく。サーボモーターをギシギシ云わせながら、ペグを手巻きです。
ギア比の関係か、巻いても巻いても弛みが取れませんでした。
で、どうにか様になって。
スイッチ入れて解放弦を無造作に6弦から弾き下ろすと…。お馴染みの動作にて一発チューニングが終了。この日を待っておりました。
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人気のないのもわかります。
労苦の割に、報われないモヤモヤもありましたが。ひとまず、初期の目的は達成されたわけです。
店売りの中古ということだったので、さほど心配はしてなかったんですけど。かなり綺麗な個体です。金属パーツには10年分の曇りもチラホラありました。まぁ、許容範囲内。
馴染みの曲をアンプに繋いで弾けば、「あぁ、確かにコレはGibsonの音なんだろうな」的な野太い音も致しましたので、めでたしめでたし。アームもないので表現力は削がれますが。バンドスコアの運指練習には最適です。
強いて言えば、それが難点…になるのか、チャームポイントなのか。
重い事ぐらいでしょうか。(笑)
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スタインバーガーに比べりゃ、それは無理があります。この重みこそが、Gibsonの持ち味。野太い音源の必須要素。鮎川先生もそう仰ってますしね。