怖くて体が動かないときのポジションチェンジメンタルトレーニング
ゴルフをラウンドしていると、急に怖くなる場面があります。たとえば右サイドにはOBが迫っている。そして、左には池がある。こういうときには、右も左も怖くなります。こうなると、体がこわばって動かなくなり、右に押し出したり、手打ちになって引っかけてしまったりします。
右にも左にもいきたくないときに、どのように対処すればよいのでしょうか。
一番よくないのは、右にも左にもいきたくないまま、嫌だなと思いながら打つことです。これでは体は動きません。また、スウィングを急にいじりだすゴルファーもいます。突然、スウィングを変えようとすると動きはぎこちなくなります。これはいずれも結果に囚われている状態なので、なにかをしようとしても心の自由度は低く、身体が動けるスペースもかなり狭いです。
メンタルトレーニングでは、自分のポジションを変えることで自由度を上げることにトライしていきます。
大事なことは、怖いときや上手くいかないとき、すぐにスウィングを直そうとしないことです。まずは、身体の声を聴いてみる。プロゴルファーとのトレーニングでも、「今身体はどんな感じですか〜?」と聴いていきます。最初はいきなり難しいと思いますので、3択で聴いてみましょう。
ちなみに、皆さんはティーグランドをどう使っているのでしょうか。アマチュアは多くの場合、いつも同じような場所から打っているように思います。また、プロの場合は、ティーアップする場所は変えていますが、広く大きく使えている選手は多くないのです。
今回のテーマである「右の左も怖い」ホールでは、3カ所に立ってみてください。まず、右端、そして左端、最後に真ん中です。どこに立った時、身体が楽に感じたでしょうか。イメージが出たかどうかでもいいと思います。どれも怖いですと答えるアマチュアもいますが、全部同じ怖さではないと思います。比較してみて、楽な場所を探してみてください。
これだけでも、自由度が少し上がってきます。そしてもう一つポジションチェンジトレーニングをやってみましょう。
人はターゲットを見るから怖いのです。そこで、まずは打ち出す場所からはじめましょう。自分が立っている場所から数メートル先の地面を見ます。次に、ボールが飛んでいく先を見てみましょう。最後に、ターゲットの先にある木々、もしくは遠くの空を見上げてみましょう。下→真ん中→上という順番で視点を変えていきます。
どれが一番楽に感じたでしょうか。あるいはイメージが湧いてきたでしょうか。いつもターゲットばかりを見て打っているゴルファーは、ぜひ視点を下に下げてみるか、上に上げてみてください。そして打つときは、「身体はどんな風に動くかなあ」と問いながら、トライしてみましょう。
この視点のポジションチェンジは、打ち下ろしのホールや打ち上げのホールでも有効です。どのゴルファーも苦手なロケーションと好きなロケーションがあります。あるプロゴルファーは、打ち下ろしのホールが苦手でした。上手く打ち切れないのです。
そこで、3つの視点を試してもらったところ、空を見上げたときが一番楽に感じました。そこで、アドレスして空を見上げて、そのまま落下地点を見ることなく、ショットしてもらいました。落下地点を見ないことに違和感があったようですが、実際に空に向かって打ってみるとナイスショット。今まででは感じたことがない身体のキレだったそうです。
ぜひ、練習場でも、ターゲットばかりを見て打つのではなく、ぜひ先のネットや空を見上げて打ってみてください。いいかどうかは、人によってもその日の調子によっても違います。
「身体はどんな感じ?」と問いかけてみてください。おのずから答えが見えてくると思います。
なかなか身体を感じにくいゴルファーもいます。目線を変えながら交互に打ってみると、違いが分かりやすいです。ぜひ、ポジションチェンジで自由度を上げることにトライしてみてください。
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