オオウバユリ 村を訪ねた女が脱糞し食えという。アイヌ神話に残る野草。
家の前の敷地に生えてる。圧倒的存在感の植物。
そびえたっとる。自分史上最大にでかい。
日陰で、雑草だらけの窪みに生えてるから近づけはしないんだけど、自分の身長ぐらいか?同じようなのは周りに生えてない。
どんな花が咲くんだろう?わくわく。
これが7月11日。ちょこちょこ子どもとこの子を陰ながら見守っていました。
そして…
これが7月27日。
より伸びてきた。もう身長こえたな。2m近いじゃないか?
まさかの花の蕾がたくさんでてきた。てっきりてっぺんに一輪咲くものかと…。
サイズ感が違い過ぎるんよな。日本の植物じゃない?誰かが植えたやつ?こんなところに?わからん…。
そしてそして・・・
これが8月3日!
そうなるんかーーー!!ついに咲いた!!立派!!うれしい!!!!
こんな形でみんなが花開くとは思わなかったなぁ。
めっちゃ
なんて立派な花なんだ…。若干黄色がかったラッパみたいな花。
南国感ある?サイズは南国っぽいけど、色合いは思ってたより落ち着いた感じの花が咲いたな。もっとぐわっっっとしたあか~~~いのが咲いたりするものかと…。
上3枚下3枚の計6枚の花びら。
花の根本も立派だなぁ。
葉っぱも大きいのよ。手のひらなんて軽々超える。前腕ぐらいはありそう。
こんだけ長くてよくたゆんだりとか折れたりしなかったなぁ。お花見せてくれてありがとう。
匂いはあんまりしない。食べられるかどうかはわからんけど、見て楽しむお花って感じ。雑草じゃないんじゃないかな。
ずーーっと気になってたからほんと調べるのが楽しみだな~。
10年ぐらいに一度花をつけて、そのあと枯れる。
うそ!!じゃぁ今回みれたのすごいやん!!
あんなところで人知れず咲いてるのをみられてすごいラッキーだ!!
一度花を咲かせたら枯れちゃうけど、小さな球根が数個残るから株としては生き残るんだって。
日本の固有種。アイヌ文化と密接なつながりを持つ。
なんと日本の固有種。てっきり大きさから海外のものかと…。
調べてよく出てきたのが、北海道の先住民であるアイヌの人々とのつながり。アイヌの人々には、根の球根の部分をトゥレプと呼ばれているそう。冬を乗り越えるための大事な保存食なんだって。
旧暦4月をモキウタ=少しばかりウバユリを掘る月
旧暦5月をシキウタ=本格的にウバユリを掘る月
なんて名称がある。
アイヌ文化の保護のためにオオウバユリの保護地区が設けれていたることからも、アイヌ文化にとって大事なものなんだってことがうかがえる。
アイヌの人たちはどうやって食べていたの?
球根を集めて、球根を玉ねぎみたいにはがし、粘りがでるまですりつぶして、水につけて放置。そんで、一番下に沈んだ粉上のが一番粉。繊維やでんぷんのカスが混じった半液体状のが二番粉っていうみたい。
一番粉は、空洞になってる草の茎の中に流し込んで蒸し焼きにして葛切り状にして食べたり、腹痛や下痢止めの薬用として使う。
二番粉が、丸めてドーナツみたいな形にして発酵、乾燥させて冬期間の保存食になったんだって。このドーナツのものはトゥレプアカムって名前がついてる。
なにがすげぇって、20年以上保存できるらしい。すごすぎだろ…。
↓ 漫画で作り方が載ってるリンク
食べるときは砕いて水で戻していたそう。
そのまま食べれる
もちろん保存食しなくても食べられる!球根つぶして蒸して食べたり、てんぷらにしたり。ほくほくして甘くて、芋っぽいみたい。
神話としても残る。癖がすごい。
なかなか強烈な神話が残ってる。話はこうだ。
”小娘を連れた女が村々を訪ね歩き、お椀を借りてはその中に脱糞して村長に食えといって差し出す。嫌がって食べないので、散々罵倒して次の村に行く。”
いやいやまてまて。衝撃すぎる。そら食べないよ。
”とある村長も同じことをされたが、悪臭どころか旨そうな匂いがする。食べてみると何とも言われぬうまい味。その女がいうには、彼女たちはオオウバユリとギョウシャニンニクの精であり、人間がこれらの植物を食べられるのを知らないために、その植物がただ咲いては散っている。だから教えに来たのだ。”
もうちょっと教え方あるやろ…。すごいよ食べた村長。
どうやらたべてももらって人間に感謝され、神様になった。人間たちもこの食料を知って上から守られ暮らすことができました。めでたしめでたしってことらしい。
他にも神話にでてくる。ほんとにアイヌ文化になじみ深い植物なんだな~。
オオウバユリまとめ
圧倒的存在感。植物について調べると、特に古くから日本にある植物は文化がセットでついてくるのがほんとおもしろいなぁ。
10年に一度。見れてよかった~!!
最後に
この自然観察日誌のnoteは、そんな自然無知の自分が、最近自然を観察することのおもしろさに気づいたことをきっかけに、その日心に留まったものを観察し、少し調べたものを記録したものです。
誤りもあるかもしれません。その時はぜひやさしく教えてください。