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セイヨウノコギリソウ ギリシャ神話アキレスのころから傷薬で用いられた野草

やっと梅雨っぽくなってきました。今年はもう梅雨を通り越して夏になっちゃうのかと思った。

ここに引っ越してきて、草だらけだったから草刈りしたんだけど、ひょろっと伸びてきて目立っているこの子。

今日はこの子を観察します。

ひょろっとこの子だけ伸びてる。残して刈った覚えはないんだけどな。

白い花が密集している様子がかわいい。
ちょっとくすんだ白かなぁ。

こういう小さい花が密集してる感じの花けっこう好き。

さわり心地はふわふわなのかな~っと思ったら、もさもさという感じ。ごついめ。この真ん中のぼこぼこがそういうさわり心地にさせるのかな。

なるべく一枚の葉っぱを見やすくしたもの。

花びらは5枚。1本真ん中に線が入るのがいい感じ。ユキノシタもそうだたったけど、こういう白い花びらに線が入ってるのってきれい。

花の下の部分。

花が咲く手前から分岐してる。つぼみがこんなに。まだまだこれからも咲いて楽しませてくれそう。

クリスマスツリーみたいにも見える。

花もさることながら気になるのはこの葉っぱ。シダみたい。中心の軸から、小さなこまかーい葉っぱがたくさん生えて並んでる。これはシダの仲間?

よく見ると葉っぱ1つ1つは独立してるわけじゃないんだな。根本でつながってる。葉っぱは上向きにだけ2本でっぱりがでてる。

全体像。落ちてたベニヤで見やすく。

ひょろひょろっとしてるけどしっかり自分で立つ。

近くに生えていたこれから咲くであろう子。

まだ咲いていない子も。大きくないからなのか濃い~~緑。

今にもあふれ出しそうあな蕾。

フキノトウみたい。これはこれで見ごたえがある。

たくさん葉っぱがみえる。

周りにもきっと同じやつの葉っぱがたくさん。群生してる。多年草?種から生えたのかな?

匂いは花からほんのーりする程度。
固い感じだし食べられても量がすくなそいう。でもこのこいーー緑がなんか体によさそうな…

じゃ、これぐらいにして、調べてみようかな。

キク科?そうなの??多年草だって。

このセイヨウノコギリソウ。効能、エピソード、利用のされ方が多すぎる…。野生化してそこらに生えてるってことだけど、なんてすごい子なんだ…。

ギリシャ神話の英雄アキレウスも使ったといわれる薬草

ギリシャ神話に出てくる不死身の肉体を持ち、無敵の強さのアキレス(アキレス腱が唯一の弱点)。そのアキレスが、ミュシア王テレフォスの傷を治すのに、セイヨウノコギリソウを利用したといわれてるとか。

いやいや…まじか。

ギリシャ神話は紀元前8世紀(今から2800年近く前)にギリシャの吟遊詩人が作り語っていたもの。

ってことは少なくとも紀元前8世紀のころには傷を治すのに使われていた薬草ってことよね?すごいな。

そんなこともあり、このセイヨウノコギリソウ。別名をアキレアといって、アキレスが語源になってる。

そしてすごいのが…

第一次世界大戦にも使われた「兵士の傷薬」

中世(500年~1500年)から、ヨーロッパでは第一次世界大戦(1914年~1918年)ごろまで外傷薬として使われていて、戦いに行く兵士たちはいつもセイヨウノコギリソウの軟膏を持参していたとのこと。

「兵士の傷薬」と呼ばれれていたほど。

止血作用、抗炎症作用があるよう。昔の人ってのはすごい。紀元前8世紀の人がどうやって、「この葉っぱにはどうやら怪我にいいな~」ってことを発見したんだろう。すげぇぜ…。

傷薬として使うには、葉をそのまま傷口にあてがったり、葉の汁をつけたり、粉末にして軟膏にして使うんだって。

薬用ハーブで、ヤロウともよばれてる。

5世紀ごろは薬草として家で栽培されてた

イギリスではサクソン人が、薬草として家で栽培してたんだって。乾燥させて、家族のために火傷や切り傷に効く軟膏を作っていたんだとか。

ブドウムスカリのときもそうだったけど、こうやって調べると家の庭から2000年前とかの人々の暮らしを思えるようになるの、すてきだ…。

占いや魔除けに使われいた神聖な薬草

アイルランドのドルイドが、この草の茎を使って天候を占っていたとか。紀元前のはなしやん。

また、中世では、悪魔を遠ざける強い魔力があると信じられいて、結婚式の花束に盛り込まれたり、ヨーロッパではヤロウをフェンネルの布に縫い込んで枕の下に置いて眠ると、将来の夫や妻が夢に現れると言う恋占いもあり、中国では未来を予言する道具として茎が使われてる。

薬効がある植物を、人々は霊草としていて、それでこのセイヨウノコギリソウも魔除け、恋占い、お天気占いなどに使われてたよう。神聖な薬草ゆえに結婚式の花束に使われていたみたい。

霊草っていうのは、不思議な働きがある草、という意味なんだって。なるほどな〜。

ちなみに19世紀には乾燥させてタバコの葉の代用として使われてる。

ハーブティーにも

塗るだけじゃない!飲める!

ただハーブティーは苦味があるため、ノルウェーでは昔から蜂蜜を入れて飲まれてる。スウェーデンではビールの醸造に古くから利用されてる。

強壮効果、食欲増進、発汗、解熱作用があるとか。

生でもドライでもどっちでもOK。開花期の5月~8月頃の葉が収穫に適しているんだって。

飲めるということは...食べれる!!

そう!もちろんたべれる!!

歯痛を鎮める効果があって生葉をかむんだって!ただ大きくなった葉は苦い...。

若葉は刻んでサラダの材料にもなるし、バターと炒めたりもされてる。

虫よけにも!!

乾燥したセイヨウノコギリソウを布袋に詰めて虫除け用サシェを手作りする人も!

市販の虫除けスプレーにも使われてる!!

化粧水にも!!!

花を水に浸したり、花や葉・茎を熱湯に浸し冷ました抽出液をつくれば化粧水に!生薬としても重宝されてる。

ヘアケアに活用することができるし、抗色素沈着作用もあるからお肌にもいける。

いやいやすごすぎやろ。

飾ってもよい

観賞用の生花、ドライフラワーにしてもきれいに色が残る。
マジですごい。もうお腹いっぱい。

ここまでが効用のはなし。ほかにも…

生命力がすごい

日本には明治時代(1861年~1911年)に園芸種として入ってきたけどそっから野生化。乾燥してるところで育ちやすいとか。株分けで容易に栽培でき、土質も選ばず根が広がるため、庭に生えると増えすぎて困るほど。

こんなに効能だらけの子がこんなに簡単に生えていいの!?
だからこそなじみ深いのか…。

その生命力の強さは、堆肥用の生ゴミに一枚の葉を入れるだけで急速にゴミを分解していくってあったけど、これはほんと?そんなことある?

まとめ

これまでで一番の超大作になっちゃった…。何気なく気になって観察した野草がこんな裏話をたくさん持っていることに驚きです。

最後に

ここまで読んでいただきありがとうございました!読んでいただけた方にはもう明らかだとは思いますが、私は植物に関してはほとんど何も知しりません。タンポポがわかったり、オオイヌノフグリを知ってるのを自慢できるぐらいです。
この自然観察日誌のnoteは、そんな自然無知の自分が、最近自然を観察することのおもしろさに気づいたことをきっかけに、その日心に留まったものを観察し、少し調べたものを記録したものです。
誤りもあるかもしれません。その時はぜひやさしく教えてください。


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