ハンドメイドならではの美しさが際立つイタリア発の「Valenti Guitars」
ハイエンド・ギターのカタログを見ると、それらの多くに
「ハンドメイド」という謳い文句が書かれている。
木材から１本のギターが完成するまでには
細かく分けると一般的には、数百の製作工程があると言われている。
すべてが機械化され組み立てられる工業製品とは異なり、木材を扱い、
音色を重要視するギターはどうしても手作業による工程が多く含まれる
ことになる。
どの工程を手作業で行なうかは、製品のコンセプト、価格帯、仕様によっても異なるが、コンピュータ制御によるCNCルーターなどを活用していても、あえて手作業の工程を残しながらクオリティを高めているメーカーなどは「ハンドメイド」と呼ばれることが多い。
近年は、機械化と手作業の工程とを上手く組み合わせることで、
効率よくハイクオリティな製品を生産するスタイルが一般的になっている。
ここで紹介するイタリアの「ヴァレンティ・ギターズ」は、
近年、工程の多くを手作業で行なっている数少ないルシアー・ブランド
として世界中から注目されている。
創設者のイタリア人であるルイジ・ヴァレンティは、2014年より物理学の
勉強と並行して、最初のギター製作を開始し2016年にはイングランドに
移住して、クリムゾン・ギターズの実習生となった。
約半年で40本の楽器を製作した、ルイジは才能と実績が認められ
クリムゾン・ギターズの生産部門の責任者に抜擢されることとなる。
Crimson Guitarsにおける、最初の
「ハンドワウンド・ピックアップ・シリーズ」の開発とデザインも
彼が手掛けたプロダクツの一つです。
2017年にはイタリアに戻り、
「Città di Castello(チッタ・ディ・カステッロ)」にて自らのブランド、
ヴァレンティ・ギターズを設立。
フラッグシップ・モデルとなるネビュラとカリストを中心に、
デザイン性の高いオリジナル・ラインナップを発表しました。
著名なアーティストやインフルエンサーの多様なレビューに加え、
ヨーロッパやイギリスでの主要なギターショーで存在感を発揮した
こともあり、ヴァレンティ・ギターズは最初の大きな成長を遂げました。
2019年にルイジはアンコーナ大学(University of Ancona)の
楽器エンジニアリング課程の修士号を取得しました。
彼が得た新たな知識の恩恵を活かし、ヴァレンティ・ギターズは
生産される全てのモデルを最適化し、大ヒットモデル、「Nebula Carved」と「Calisto Carved 」のリリースへと繋げ、ギターの品質と豪華さを、
さらに数段階引き上げることに成功しました。
厳選された材料から製作されるソリッドボディだけではなく
弦振動のエアー感をリアルに伝えるセミホロウモデルもラインナップに追加している。
同年には製品のクオリティの高さが評価され、ヨーロッパの選りすぐりのルシアーの集まりであるヨーロピアン・ギター・ビルダーズ・コミュニティ
にも招かれるなど、今世界的な注目度を浴びているルシアーである。
今回紹介する「ネビュラ・カーブド」「ネビュラカーブド・セミホロウ」は、グラマラスなボディ形状が特徴のヴァレンティ・ギターズを代表するモデル。
アメリカ・ブランドの製品とは、根本的に異なるヨーロピアンならではの
美しさに包まれた有機的なデザイン、アーチカーブが大きな魅力である。
木材のセレクトはもちろんのこと、材の乾燥から板材の加工、木部加工の
大半をベテラン・ルシアーであるルイジ・ヴァレンティ本人が時間を掛けて丁寧に行なっている。
ボディトップのアーチ加工やネックの加工もノミやハンマーなどによる
手加工が殆どで、その卓越した木工技術とギター作りのセンスには驚くばかり。
ピックアップはすべてがハンドワイヤリングによるカスタムを搭載。
そのモデルや使用材などを考慮した最適なマッチングが行なわれており、ピュアなサウンドの要となっている。
このモデルの美しさや魅力を言葉で伝えることは難しいが、
ヴァレンティー・ギターが、いかにしてハンドメイドされているかは、
下記の製作ビデオにその詳細が記録されているので、ハンドメイドギター
に興味のある人は、ぜひアクセスすることをお薦めしたい。
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