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043_ひとり宝くじジャンボを買う
慎重にお金について勉強してきたが、結局お金はあるに越したことはない。
では、人ひとりが最低限生きるために必要な金額はいくらか?
ざっくり計算で考えてみた。
条件
・女性
・年収約300万円(額面)※日本人女性20代の年収中央値を参考にするhttps://doda.jp/guide/heikin/median/
・単身(副都心周辺に賃貸で居住)
・物価上昇率2.0%とする
・資産は現金貯金のみ
・趣味は無い
○税金
・国民年金 年間約20万円(第1号被保険者 若年者納付猶予制度は受けないものとする)
・国民健康保険 年間約20万円
・住民税 年間約20万円
・所得税 年間約20万円
・40才から65才まで年間約8万円
・65才から70歳まで年間約7万円
●20才から70才までの間に最低限支払う税金は約4,235万円
○生活費(月)
・食費40,000円
・保険料5.000円(掛け捨て)
・光熱費20,000円(年間平均)
・通信費5,000円(スマートフォンのみ)
・医薬衛生品10,000円
・交通費10,000円(1日500円×20日稼働とする)
・被覆費10,000円
・教養娯楽費20,000円
・交際費20,000円
・その他20,000
・合計160,000円
(参考:総務省統計局 「家計調査/収支編」より)
●生活費は50年間で約1億6230万円
合計2億465万円必要となる。
上記に、家や自動車、趣味や旅行を加算すると、大まかな支出がみえた。
と、同時に女性の年収中央値が300万から400万程度で、どの世代も固定されていることに絶望を覚えた。男性でさえ、500万円なのに。
メモを取っていた私は、石川啄木の一握の砂を思い出した。
はたらけど はたらけどなお 我が生活 楽にならざり ぢつと手をみる
という句だ。
貧困家庭があることは知っているし、富裕層がどんな生活をしているのかも、SNSである程度知っていた。格差が埋まったことなどない人類史で、心豊かに生きた人もいる。
しかし、私の思考はこのあたりで限界を迎えた。深く思考し続ける体力が無い。ぼんやりとしたくてTVを付けた。再放送のバラエティ番組は、芸能人がどれだけお金持ちかをランキングで紹介していた。彼らがその日着用した服や宝石を合計すると、試算した”50年生きるために必要な金額”よりも高かった。羨ましさと妬みと無力感で、心が貧しくなっていく。
番組の合間に流れたコマーシャルを見てしまった。無菌のような保険会社のあとに流れたのは、宝くじだった。7億円の数字をみてしまい、私はひらめいた。
そうか、7億円あれば、私は働かなくても豊かに暮らせるのか。
そこで私は、さっそく宝くじを買いに行った。
今回は宝くじを買いに行く計画から実行、結果と反省をまとめる。
・計画立案
まず、宝くじの仕組みを調べた。
国内の宝くじは、発売主体が地方自治体となっている(総務省地方財政制度では都道府県及び指定都市全67団体)。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/takarakuji.html
宝くじの種類は大きく分けて3種類で、普通くじ・数字選択式くじ・スクラッチくじとある。ちなみに収益金は公共事業に使用されている。
私は2億円以上ほしいため、自動的に普通くじか、数字選択式くじとなる。
満額当選が2億円以上のくじは
・BIG
・MEGA BIG
・ジャンボ
・ロト6
・ロト7
以上5種類だった。
インターネットでいろいろ調べてみて分かったが、宝くじの関心度は非常に高く、関連するブログ記事や動画チャンネルは信頼性の高低に差はあれど、数が沢山あった。みんなお金欲しいんだな。
5種類のうち、一番当選確率が高いのは、BIGであった。しかし、BIGを購入し当選しても、必ずしも2億円以上が手に入るわけではないらしい。というのも、1等当選が複数人いる場合、山分けしなければならないのだ。キャリーオーバーが発生し、例えば3億円の当選金があっても、1等当選が3人いれば、3人で山分けし、結局1億円しかもらえないのである。
毎回の当選金額が分からないし、当選者数も結果が出なければ分からない。
ジャンボはBIGと違い、当選金額も当選くじの数も明示されている。しかも、毎年高額当選が出ている売り場があるらしい。
ならば、旅行ついでに行ってみようではないか。
そういうわけで、私はジャンボを買いに東京へ行った。
・購入
購入するお店は、宝くじ界隈では有名な、『西銀座チャンスセンター』というところだった。
https://takarakuji-navi.net/lottery-counter-tokyo/#1
発売開始日でもなければ最終日でもない、普通の平日の昼下がりに購入に、サマージャンボを購入しに行った。噂は本物らしく、真夏の炎天下だが、長蛇の列ができていた。みな大人しく並んでいる。数寄屋橋交差点では多くの人が日傘片手に行き来している。傍にある交番に駐在している警察官も、暑そうだった。
外国人が購入できないため、日本人だけで列を作っている様子が珍しかったことを覚えている。今はもう、スーパーのレジ待ちの列にも、外国人がいる。
難なく購入でき、あとは結果を祈るだけであった。
・結果
宝くじを購入して、結果を祈る間、不思議なことに仕事にも家事にも前向きになっていた。ワクワクすること、「○○まであと何日」とカレンダーを見つめることは、健全な気持ちだった。嫌なことがあっても、うやむやにできるのだ。
しかし、結果はご想像通り、全敗。連番で10枚セットで購入したため、自動的に6等の300円しか当たらなかった。
・反省
宝くじブログには、こんなことも書いてあった。
『大金詰んだのに、1等当たらなかった。詐欺られた』
『宝くじは低所得者の娯楽だ』
『コツコツ買っていけば、そのうち当たる』
夢をみて、敗れた人間の多いこと。
しかし、宝くじの結果を待っている間、ワクワクした時間はそれなりに楽しかった。最近、インターネットですぐに欲しいものを買っている。期待し、我慢をしている時間が無くなってきていたのだ。
2億で足りる私の一生だが、もっとワクワクしたいと思えた。
最近、BIGを毎週買っている。一向に当たらないが、ワクワクするし、パワハラ上司のことを一時でも忘れられるため、やめられない。
追記と言う形でここに残す。
去る2024年8月31日、宝くじ界隈に衝撃が走った。大口当選で有名なBIG関連くじが、少しだけSNSを賑わせたのだ。BIGはスポーツくじの類で、サッカーの結果がくじの結果に反映される仕組みだ。この週は台風10号の影響で、5試合が中止となった。BIGならびにmini BIGやBIG1000は、くじ中止をしたが、MEGA BIGのみ通常通り行われた。つまり、指定12試合中5試合は、問答無用で”あたり”扱いになるのだ。
数学を履修した方なら分かるだろう。くじへの期待値は、大幅に変わった。
そこで出てきたのが、約7000万円で24万5000口購入した投資家だった。
この投資家が現れたことにより、運試しの"娯楽"から、買い時を間違えなければきちんと回収できる"投資"の面も作られたと思う。そしてなにより、この投資家の行動を見守るSNSには、『先の大損で手を付けてはいけない金に付けてしまった。この投資家はオワリだ』論と、『キャリーオーバー58億円積み立てた試合で、期待値を考え1等を狩っていく。あまりにも賢い』論が見られ、非常にエンタテイメント性を感じた。後にも先にも、こんなに心躍るワクワク感はなかったと思う。生きててよかった。