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ミュージシャンのためのマーケティング論 〜「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」を読む〜

知人の紹介で、2011年リリースの本「グレイトフル・デッドにマーケティングをまなぶ」を読んだ。

この本は20の章立てから成り立っているが、その一つ一つの章の中には
・グレイトフル・デッドが実際に行なっていた尖った活動方針の説明
・それをマーケティングに転用する際の考え方
・具体的な事例などを交えながら一般論に落とし込む
・具体アクションの示唆
という建て付けになっております。


たとえば、

グレイトフル・デッドがインターネットがなかった時代からチケットを直売していた話に発端し、
なるべく中間のブローカーを挟まずに価格調整をしながら受容に対する価格バランスを決めることがマーケティングには重要である、と語り、
最後には、広告代理店のそれまでの業務形態をGoogleアドアーズが一新した話へと帰着したり、

グレイトフル・デッドのファン(デッド・ヘッズ)達がライブ音源を録音したテープを交換し合ってた話から、
マーケティングにおいてリーチを広げることの重要性、
ひいてはMySQLのフリーミアム戦略の話へとことを運ぶ。

そのつながりの巧妙さには驚嘆するけども、それよりもこの本が示唆してる事が一般化してる事がすごい事だな、と感じるわけです。

10年前のこのタイミングでは、まだapple musicもspotifyもなかったわけで、youtuberという文化も成立していなかった。
そんな時代に今の時代なら「まぁ、そりゃそうだよね」と思えるような「当たり前」が詰まっている本が書かれるあたり、凄さを感じます。

かつて永ちゃんこと矢沢永吉氏が
「俺の曲はどんどん無料で聞いてくれ、そのかわりライブに来てくれ」と言っていた事や、
ライブバンドと呼ばれるようなバンド達の思想。

そういうものに格好良さを感じていた自分としては、今の音楽ビジネスのあり方には限界を感じるところもあり(そういう意味ではsony musicがTHE FIRST TAKEをプロデュースしてる事なんかは非常に面白い試みだと感じてますが) 音楽やコンテンツの"そこにある生"に価値を見出すやり方は今後も促進されていくだろうし、なんならコロナによってさらに価値が高まっている感も感じます。
また、一方で、無料で展開されるコンテンツ(これはyoutubeがすごく強く影響していると思うが)の質も並行して向上されていくのは必然だな、と感じるわけです。

そんな今の時代にどんな音楽活動が求められるか、どんな活動が面白さを感じてもらえるか。
そんなことを考えながら今日もミックスダウンをしている日々であります。

レコーディングした音源は4月までにリリースすることを目標にしております。どうぞ、乞うご期待。

それにしても今の時代にグレイトフル・デッドが活躍していたら、どんな面白い試みをしてくれるのか。非常に興味深いです。

東京を中心に活動するZEKUUと言うバンドです。今後増えていくであろう、”副業ミュージシャン”のポジションを30才を超えて狙うべく色々試行錯誤をしております

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