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おっぱいが”からい”よ、で見つかった乳がん。

娘が2才になって、そろそろ授乳をやめないといけないかな、でもまだあげていたいな。と思っていたころ。娘が「ママのおっぱいからい」と。
乳腺炎のせいかな、確かにちょっとつまり気味、と胸をゆっくりチェックすると、あれ?あれれ?こんなところにしこり??こんなのあったっけ。

心配になったのですぐに乳腺外科を予約。
先生は私が気になっていたしこりじゃなくて、授乳を始めてからずっと乳腺炎だとおもっていた大きな柔らかい塊を触って、針生検しましょう。と言った。

針生検の結果がわかるまでの数週間は、なんだかんだ言ったって、結局何でもありませんでしたっていうんでしょ?って本気で思っていた。でも結果はクロ。
家族にも親戚にも一人もいなかったのに、私はがんになった

そこからはあっという間。手術で右胸を全摘して、病理の結果から抗がん剤を2種類、半年間頑張った。
髪の毛だけじゃなくて、体毛は全部なくなって、爪は抗がん剤のスパンがはっきりわかるシマシマの黒い爪になった。黒いところから横に割れて爪が取れかけたり。血管炎になって腕に黒く血管が浮いて見えるようになったり。見た目もすっかり変わってしまった。でもそんな見た目のことなんかどうでもいいくらい、辛くてキツくて、何回も抗がん剤もうやめたいって言いながら、でも最後までやりきった。

治療が終わって1ヶ月で職場復帰。しばらくは体力と気力との戦いだった。

少し経つと体力がもどってきて、仕事もいつもどおりこなせるようになって、大好きだった習い事も再開して気持ちにも余裕がでてきた。
そんなときふと思い出したのが「前田デザイン室」のことだった。

乳がんが見つかったのは2020年の8月。その頃私は妊娠・出産・育休後の復帰で部署も変わり、仕事でデザインをする機会がぐっと減って不安になっていた。もう仕事でデザインをする機会はないかもしれない。と焦っていた。

前田デザイン室はTwitterで知った。前田さんをフォローして、入ろうかな、やめておこうかな、をウロチョロしていた。
そんな私の心を見透かすように届いたこのツイートで気持ちが決まった。


そう、完全にイキオイで入会を決めた。

入会したからと言ってなにかしたわけでもなく、プロジェクトを眺めながら、勉強になるなー、面白いなー、とゆるゆると過ごしていた。

そしてまさにその月に見つかった乳がん
11月にはスマホを見る気力も体力もないくらい抗がん剤で毎日ぐったりしていたし、キラキラ輝いている人を眩しくて見ることができなかった。
習い事も全部一度休んで、前田デザイン室も退会した。

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がんの治療が終わった私は、もう元気なんだぞ!と高らかに宣言したかったのかもしれない。誰に?自分に。

だから、私は前田デザイン室に戻った。
乳がんが見つかってからちょうど1年経っていた。

前回は見るだけだった前田デザイン室。
でも今回は迷ったら「手を挙げる」って決めていた。
そうして手を上げて、声を出していったらいつのまにかプロジェクトに参加して、私は「ぜっこす」になって、負けるデザイン』のプロジェクトでは装丁リーダーになった。
先日は別のプロジェクトで、とうとうブロジェクトリーダーにもなった。

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仕事も子育てもしながら、前デを部活みたいに楽しんでる
仕事ではできないことに挑戦して、仕事では会えない人に出会って、一緒にものづくりをしている。

乳がんになったとき、もう死んじゃうのかなって正直思ってたのに。

今、私は「生きて」る。

もう、いっそ長生きして、もっともっと楽しんでやろうと思い始めた。
キラキラ輝いている人を羨ましいと、目を背ける私じゃなくなった。

AdobeStock_460133647-[更新済み]

10月はピンクリボン月間
今乳がんがみつかって、絶望的な気持ちになっていたり、治療を頑張っている人に、治療が終わってこんなふうに元気になった人がいるよ、と伝わるといいなと思う。

EC療法、気持ち悪くて辛いよね、ドセタキセル、お腹痛くて、筋肉痛で、つらいよね。ジーラスタ、ありがたいけどお財布も腰も痛いよね。

でも薬が抜けたら、バレエも踊れるし、ミュージカルだってできるし、仕事も趣味もたくさん楽しめるくらい復活するよ。
髪の毛はまだプロゴルファー猿くらいだけど、生えてきたよ。
そうやって伝えたい。

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負けるデザイン』に参加したのはリーダーのくまちゃんがものすごくメラメラと燃えていたから。見ているだけのつもりが、この人を支えたいなと思って、気がついたら中にガッツリ入っていた。

みんなの熱量がすごくて、圧倒された。私も応えなきゃと初めてのこともやってみたりした。

もうすぐ終わるクラウドファンディング。まだ達成はできていない。
All-or-Nothing方式のこのプロジェクトは目標を達成できなければ終わってしまう。

私にとっても思い入れの強いこのプロジェクト
私のことを知っている人、はじめましての人も、一度プロジェクトページを覗いてみてほしい。
Twitterで、#負けるデザイン も検索してほしい
毎日みんなが熱を放ってる。そしてその熱い気持ちで小説を作っている。

このプロジェクトが無事達成したら、応援してくださった皆様のところに、私が装丁にチャレンジした『負けるデザイン』が届く。
ぜひ、私の挑戦を手にとって見てほしい。

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追伸:
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