社宅はなぜタダじゃないのか
しゃちょ「最近、社宅とか社食の福利厚生が流行ってるらしいね。」
ぼく「そうですね。家賃とか食費とかを、会社が一部負担することで実質的な手取りを増やしてあげるって感じですね。」
しゃちょ「普通に賃上げするのと何が違うの?」
ぼく「例えば、2万円昇給するとしたら、手取り額は、1.5万円とかになっちゃうわけです。」
しゃちょ「社会保険とか、所得税とか引かれるもんね。」
ぼく「その代わりに、社員の住んでる賃貸を会社が代わりに払ってあげるんですね。」
しゃちょ「ほう。」
ぼく「例えば4万円のアパートに住んでいたとしたら、法人で契約して払ってあげて、その代わり従業員は2万円の家賃を会社に払うわけです。」
しゃちょ「なるほどね。差額の2万円分従業員の手取りは増えるけれど、その分には社会保険とかかからないからお得ってことね。」
ぼく「そういうことです。」
しゃちょ「てかさぁ、会社ももっと太っ腹にさ、タダで住まわせてあげたらええのにね。」
ぼく「いや。そういうわけにはいかない。」
しゃちょ「…国税の文章って頭に入ってこないのよ。」
ぼく「それはわかります。そもそもの話なんですが、”給与”ってのは、現金でもらうものだけではありません。」
しゃちょ「現金以外ってなると、モノでもらう場合?」
ぼく「ええ。飯を食べさせてもらったり、会社の不動産にタダで住まわせてもらったり。そういうものも、”原則は”給与となって社会保険とか源泉所得税の対象になるわけです。」
しゃちょ「さっきの例でいうと、4万円の賃貸にタダで住まわせたら、4万円も給与に上乗せして計算しないといけないと。」
ぼく「ええ。その例外として、50%以上を貰っていれば、課税されませんよと。原則は、そういうことです。色々と例外はあるんですが。」
しゃちょ「なるほどね。ちなみにふと思ったんだけどさぁ、飲食店とかで賄いってあるけど、これも対象になるの?」
ぼく「原則なりますね。だから、ただで提供するとアウトの可能性がありますね。」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2594.htm
しゃちょ「ほーん。たまにテレビとかでやってるけど、会社がケチだから半額もらってんのかと思ってたよ。」
ぼく「割とそう思ってる人、多いんじゃないですかね。」