老後資金は、新NISAとiDeCoどっちがいいか、をダラダラ考察した。
齢32年。中年に差し掛かりつつある社畜のわたしは、そろそろ老後資金をためて見ようかと思いたった。
投資自体は数年前から少しかじっているから抵抗はない。それならば、どうやら新NISAかiDeCoが良さそうだ。
NISAとiDeCoこれについては調べても賛否両論という感じだが、一応は会計事務所職員の端くれ、一通り調べてみた。
私なりの考察をメモとしてまとめてみたのでだれかのなにかの参考になれば幸いである。
まず、iDeCoの優位性だが大きく3つ。①入り口 ②運用中 ③出口で整理してみる。
まず①入り口、つまり購入時だが、iDeCoは所得控除される。これは”税引前のお金”で投資ができることを意味する。例えば税率20%なら10,000円稼いでも手元に残るのは8000円。NISAはそこから投資することになる。が、iDeCoは確定申告で2,000円の税金が戻ってくる。これはかなり大きい。
②の運用中だが、運用益は非課税となる。これはNISAも同じだ。地味だが大きなメリットはリバランスし放題であるという点。
NISAではリバランスしたときに、その年の枠が減ってしまうが、iDeCoは口座内で自由に売り買いができる。枠などもない。
最後に③だが、出口で退職所得ないし雑所得で課税がされる。これは、NISAと比較したときのiDeCoのデメリットでもあり、工夫をしないと行けないところだ。
一時金で受け取ると退職所得となるが、そもそも勤務先で退職金をもらった年と同じ年に受け取らないのが鉄則。1年単位で控除額が設定されているからだ。
あとは少額でも良いから早めから掛け金をかけると良い。掛け金を支払った期間によって控除額が変わる。20年以内は1年あたり40万円、20年長は1年あたり70万円ずつ控除額が増えていく。
例えば30年かけると 40万円 ✕ 20 + 70万円 ✕ 10 =1500万円枠ができる。
ただしこれは現在の税制なので、受け取ったときの税制がどうなっているのかは神のみぞ知る、という感じだろうか。
控除が減るかもなんて噂もきくが、それが実現したら梯子外された感がすごい。
ここまでをまとめると、iDeCoの優位性は①所得控除できる②リバランス仕放題という点にあるように思う。一方出口で課税されないか、は懸念点ではある。
その他に懸念すべき事項を3つほど思いついた。
まずは60歳まで引き出せないこと。これはデメリットだが、逆を返せば、握力が強くなり良いのではないか、という考え方もある。
人間の意志は弱い。
ただ30年間、想定外のことには対応できない。一体世界はどうなっているかは誰も予測ができない。もしかすると、ベーシックインカムで老後資金が要らなくなっているのかもしれない。何かしらの理由で急激に日本の人口が増えて、年金がたくさんもらえるかもしれない。今存在しない、老後を救済する新しい制度ができているかもしれない。30年の間に、株式投資よりもめちゃくちゃリスクが低くリターンの高い投資が出てくるかもしれない。
そういうときには、指をくわえてみていることしかできない。そんな漠然とした不安はやはりゼロにはできない。
次に入り口のメリットを享受するには、所得が発生していることが前提であること。つまりずっと働いているのが前提だ。
かくいう私は、そんなに仕事に情熱を持てないタイプだ。もちろん現実は働き続けなければ生きていけないのであろうが、マインドとしてはいつでもfireしたい。そんな私の働きたくないマインドとは相反してしまう。
ちなみにこれを私は逆手に取り、妻にもiDeCoに加入してもらおうと思っている。これはいわば、基本的には働いてくれよな、専業主婦は損やぞという無言の圧力をかけているに等しい。申し訳ないがよろしくたのむ。
最後に、家を買って住宅ローン控除を受け、所得税が発生しない場合。この場合も所得控除のメリットが十分得られない。つまり、60歳までは基本的に賃貸でいく。もしくは家は買う必要がない。または所得が大きい。人でないとメリットが薄くなってしまう。
以上より、私の最終的な結論は、
「基本的にNISAよりメリット多いからやりたい。でも将来どうなるかもわかんないからフルコミットは怖い。早めにかけたほうが控除枠増えるし、とりあえず月1万円くらいからやろうかな。」である。
持ち家か賃貸か。将来の日本がどうなると考えるか。などをよく考えていくと、人生観に直結してくる制度だ。
一辺倒に全員やるべきとか、やらないべきとかそういうくくりはできないだろう。
最後まで読んで頂いた方の、なにかのご参考にされたい。