父親の教え。
社会人チームでサッカーをしていた父。
週末になるとグラウンドへ連れて行かれて、父がボールを蹴る姿を遠くで観ていたのを覚えている。
幼い頃話してくれた事が、今になってようやく理解できる様になった事がある。
「若い頃の方が身体が動いて楽しいと思うかもしれないが、実は違う。
本当におもしろくなるのは、身体のピークを過ぎてから。
お父さんも、20代後半からサッカーが若い頃より楽しくなった。」と。
何故そんな話になったか、それは忘れてしまったんだけど。
30歳まで現役を続けてきて、自分もそれを身に染みて感じた。
親父の話にはまだ続きがあって…
「年齢を重ねて身体は年々動かなくなるんだけど、今度はそれに経験がカバーしてくれる様になる。それがとてつもなくおもしろい。少し先のプレーが見える様になったりするんだぞ。」と。
一言一句合ってる訳ではないだろうが、そんな話をしていた。
それも同じように、現役を辞める2・3年前位からだろうか、そう感じる様になった。
自分は今、未だにコーチという立場でバレーボールの現場にいる。
コーチという立場で1番に思う事は、どんな選手にも「競技を永く続けてもらいたい」という事。
自らの経験や父親の教えを共感して欲しい訳ではない。
そこに立って初めて気づくことや、理解できる事がある。
本当におもしろくなるのはそこから。
終わり。