給料の手取り
中小企業社長としてのその骨格を成す権利、
それは人事権。
その中の給料の決定について、今回は評価方法などコンサルが指導する内容ではなく税の面から書こうと思います。
給料の話をする時、多くの社員、スタッフさんは、手取りで話をします。
反対に経営側はどうでしょう?
その人の家族構成、持ち家か借家かなどなど様々な要素で、決まる手取りよりも、実際に支出する総額で考えることが多いのではないでしょうか?
ちなみに私の会社ではほぼ総額のみで給料を決めてきました。
ある3年前の日にふと気づいたのです‼️
国に、官僚にバカにされている‼️と....
不勉強な経営者が多くいる、税制なんて見ていない、見透かされていたことに気づきました。
その通り、私は何も勉強どころか見てもいなかったのです。所得税の「バー」を。
所得税はご存知の通り累進課税です。
しかし、ある一定のスパンごとに区切られたステージがあり、ステージが変わると税率が変わる仕組みになっています。
そして、そのステージは何も考えていない経営者が設定しそうな給料額のところに次のステージのバーが設定されています。
一番下のステージ、
195万以下、月額139000円、所得税はゼロ(14ヶ月計算)
(ボーナスがないなら月額162500円まで)
次のステージ、
330万以下、月額235000円、所得税は10%(14ヶ月計算)
(ボーナスがないなら月額27.5万ぐらいまで)
第3ステージ
695万以下、月額49万円、所得税は20%(14ヶ月計算)
(ボーナスがないなら月額57.9万ぐらいまで)
ここまでで何か感じた人、
はい、その通りです、
こうなります、
※ここからはわかりやすように12ヶ月計算にして記載します
まずは一番下のステージ、
高卒の新卒で頑張っているし、まずは17〜18万に昇給かなぁなんて給料を決めている社長!
(はい、私でした)
スタッフさんは10%の所得税がかかって、
16万のときは年額は192万で所得税ゼロだったものが、
17万だと年額は204万にふえますが、所得控除の97500円を引いて約194万に所得税が10%の19.4万になるので、手取り184.6万!
契約更改で偉そうに1万昇給したからまた頑張って!なんて声を掛けて、スタッフさんもありがとうございます!頑張ります!なんてやりとりして。
結果、会社は12万多く支払ったのだけど、スタッフさんは約8万も年収が減るという残念な状態。
次のステージも同じですね、
よし、この社員さん頑張っているし、そろそろ30万に乗せてあげるか!キリがいいし!
な〜んて。
はい、残念、
27.5万から30万にした場合、また10%あがりますから、
27.5万の時は10%だった所得税が、30万になると20%‼️
(所得330万-控除97500円)×所得税10%=税額32万で手取りは297万だったのが、
(所得360万-控除427,500円)×所得税20%=税額63万で手取りは297万、、、
あれ?同じ?
そうです、
何も考えてないどんぶり勘定の社長が決めそうな所にステージのバーが設定されているんです。
ちなみに、
業績も上がってきてるし、俺もそろそろ1000万もらいたいなーなんて社長‼️
はい、
そこから33%頂きますw
330万から900万までは3%しか変わらない所得税が900万からはまた一気に10%あがり、税率33%....
900万までは23%なので、900万から控除636千円を引いて23%かけると、
税額は192万、手取りは708万円
1000万になると33%なので、1000万から控除1,536千円を引いて33%かけると、税額は279万、手取りは721万円
会社は100万多く支出してるのになんと13万円だけの微増w
実にこの100万は87%が税ということに。。。
阿呆らしですね〜
中小企業の経営者の皆さん、
900万の次は倍の1800万までは税率同じなので、無理して1000万取るなら900万で止めておいて、1500万ぐらい取れるぐらいになってから上げた方が。。。
もちろん住民税や社会保険料、家族構成などもあり種々の条件で手取り額は変わってしまいますが、幅が大きく1ステージごとに10%も税率が変わる所得税は気にしてみてはいかがでしょうか。