若い経営者に降りかかる経営のワナ
今年40になり色々な経験をしてみて少し経営者としての経験も積んだので私より若い経営者に伝えたい世の中の名のある経営者やコンサルなどが仕掛けるワナをいくつか書留めたい。
儲けは後からついてくるワナ
一度は聞いたことがあるだろう、儲けは後からついてくる理論、
世のため人のためにやっていれば、
理念がよければ、
諦めずに努力すれば、
奉仕すれば後から必ず返ってくると。。。
答え、
返ってきません。返ってきたとしても授業料が高すぎる。
収益は先に計算して損益分岐も明確にしてその損益分岐をきちんと超えられるように事業モデルを構築しなければならないと思います。
最初に計画する事業モデルが悪いとなかなか儲けが出ないので、従業員さんに負担(体力的に、経済的に)をかけたり、経営者自身が苦労する羽目に。
予想、予測、計画を過度に重視するワナ
コロナ禍の今後の行方は?これからの世界の行方は?経済の動向は?
こんな議論をよく見かけますが、それがあなたのビジネスに今いまどれほど影響するものか、もしくは影響したとしてもあなたの力でどうにかなる問題かと考えると、結局それは想像の話であってそんなことばかり考えていては先行きなんて不透明なことばかりで一歩も踏み出せない状態になります。
予想は嘘よ、
予測はクソよ、
って聞いたことありません?そんなものです。(反対から読んだんですよ)
次に計画についてですが、計画は新規事業モデルを構築する段階では非常に重要です。その事業を始めるにあたり投資をするわけですから当然収益を上げなければなりませんので、計画をたてます。そしてその計画がある程度実行可能なものと判断すれば一歩を踏み出すわけですが、最終的にその事業がうまく行くかどうかはやってみなければわかりません。
計画もざっくりとある程度的を射てればいいのです、
精緻なものなんていらないと私は思います。
だから自分で作ったらいいんです、外部の力を使ってお金をかけてやる必要なんて中小零細企業には不要だと思います。ただし、全財産をかけてその事業が失敗したら後戻りできないような背水の陣で臨んではいけません。撤退できる余力を持ってやるべきだと思います。
経費削減(丼勘定絶対悪)のワナ
既存事業がうまく回らなくなった時のワナで一番多いのは経費削減のワナ、金融機関やコンサルはまずここを見ますよね。
出ていくものを絞ればお金が残ると一見もっともなことを言ってきますが、残念ながら元々業績の悪い企業は無駄な出費などそんなにありません。ほとんどの場合中小零細はオーナー企業ですのでみんな倒産なんかしたくないですから、多くの場合すでに経費は削減されています。そんな状態で新聞の購読料や何らかの会費なんかを数万円削っても何の改善にもならないので無駄なのでその議論をするのはそうそうに終わらせて売上を上げることに注力することをお勧めします。
そして丼勘定絶対悪のワナですが、丼勘定OK、大体でOK。
例えば決算書を見せてもらって経費を見れば大体必要な売上(損益分岐売上)は分かります。それでいいんです。大体きっとこのぐらいの売上があればこの会社は黒字になるな、それは可能なのかどうなのか即時に判断できます。精緻な分析なんて不要です。
そしてその損益分岐売上が例え今の売上の倍額だとしても持っている商材や事業性を見てある程度その会社が復活可能か判断できます。
そして、今その会社に残っているキャッシュを教えてもらえれば今のままだとあとどのぐらいキャッシュが持つか分かります。すると、目標と時間軸が明確なわけですからそれでいいと思っています。
やりたいことをやる(見つける)ワナ
やりやいことをやるべきだ、
やりたいことを見つけなければ、
本気になれることを・・・
そんなことを思っていた20代の頃・・・
このワナにハマると何もできなくなります。
見つかるまでフリーズ。
でも待ってください。
ここで一つ質問です。
やる気って気持ちが先ですか?行動が先ですか?
答えは、
実は行動が先です。
やる気は行動が先で起こってくる気持ちの変化です。
やりたいこと、本気になれることも同じです、
行動が先、いろんな経験を実際に行動してみて初めてやりたいことがわかりますし、やりたいことというよりは自分にあっていることがわかってくるのではないでしょうか。
そして本末転倒なことを言うと、
やりたいことを仕事にした場合、多くはなかなか収益は上がりません。
やりたいことだと事業の計画を立てるときにやりたいわけだから甘い計画になりますね。
事業できちんと収益を出して、そのお金でプライベートでやれば良い、仕事は仕事できちんと事業性を見極めて収益を出せることをやったほうがいいと思います。
振り切れのワナ
よく言われます。振り切れと。
先に言います、
振り切ってはダメです。
特に既存事業が不振の場合、
事業を振り切るとそもそも売上の減少を伴いますので、
経費をより負担できなくなります。
新規事業の場合も計算すれば自ずと必要な売上(損益分岐売上)が分かりますので、振り切るどうこうの前にどの程度まで顧客層を広げるか、または維持するかを決定して事業を再構築するようになります。そうすると自ずと地方では購買力や顧客層の厚みの問題で振り切れないのが現状です。
振り切ると言う言葉は一見良いことに聞こえますが、
片方では一旦売上を下げると同意義だと理解すべきです。
地方で事業をする場合、
この事業、商品を中核にしたい!そうだったとしても、
「そうは言っても商品」が実は事業を支えてくれたりします。
本当に尖って振り切ってやりたいなら事業ではなく、個人でまたは夫婦でスタートできるような方のみにお勧めします。
社会の為のワナ
これ、本当に危ないワナ、
社会の為、人の為、これやらないとダメな気がしてません?
私も今なら分かります。
多くの経営者が、経営が順調で安定してくるとそれを社会に還元したい欲求に囚われるようです。そう言う人たちはすでに成功している事業がありますので、新規事業では事業性よりも還元欲求から事業を始めますので収益とは別次元のところを重視していたりします。そしてそう言う人の成功談が書かれた本を読むと、さも最初からそう言う公共の福祉的な心持ちで事業を起こしたかのように書かれていますが、創業時は多くの社長が食べていくのに精一杯、自分のことんいがむしゃらに取り組んだと言うのが正解だと思います。
成功してお金にも生活にも余裕ができて周りを見る余裕ができたので、そうしているだけです。まずは自己の事業の安定に全力を尽くしましょう。