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カツ丼だ。それも蕎麦屋のカツ丼だ。

カツ丼は美味いわけだが、あまりにもうまいので、肉が厚すぎると、それはやり過ぎだという気持ちになる。カツ丼のとんかつ部は薄くあってほしいのだ。このような観点において、とんかつ屋で食べるカツ丼は、肉がしっかりしすぎていて、よろしくない。薄いとんかつのカツ丼を食べる、これには蕎麦屋が一番である。蕎麦屋は蕎麦がメインなので、カツ丼は、おまけみたいなものである。総じて、とんかつが薄い。これがいいのだ。われはとんかつ、カツ丼の王なり、といった感じはなく、つつましげに、カツ丼さんの一部構成要員ですといった雰囲気である。とんかつ部が薄いことにより、ちょっと米が余ったりするわけだが、最後にお新香と米を食べて終わることによって、どこか、健康的なものを食べたのではないかという錯覚を獲得することもできる。蕎麦屋のカツ丼は、いいものです。

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