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巳年に“人喰い蛇”を組み上げる - タミヤ 1/24 アルファロメオ ジュリア スプリントGTA制作記
新年一発目のプラモとして、タミヤから昨年再販されたアルファロメオ ジュリア スプリントGTAを制作しました。
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制作動機として、以前nippperで、年が明けた瞬間に「寅年だからタイガー戦車を組もう」という記事がアップされたことがあったかと思います。普段生きていて干支など特段意識することはないですが、せっかく12年に一度のタイミングなのだから、とプラモを作る動機にしてしまうのは「なんかいいな」と思っておりました。今年の年末年始はゆっくり休めたので、せっかくなら巳年にちなんだプラモの制作を始めようと思い立ち、ちょうど昨年再販がかかって入手していたアルファロメオを作り始めたという訳です。同社のメーカーロゴは、創業地ミラノ市の紋章である十字と、同地を支配したビスコンティ家の武勇に基づく「サラセン人を飲み込む大蛇」を組み合わせたデザインとなっています。キットにはちょうど“人喰い蛇“の図柄がデカールとして入っていておあつらえ向きですね。大判のデカールを眺めていて初めて気付いたのですが、大蛇のお腹の辺りが大きく膨らんでいるので、既に何人かは飲み込まれてそうですね…。
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カープラモを作る時、ボディを何色に塗るかはいつもなかなか決められないのですが、今回については迷いなくパッケージ通りの赤色に塗り上げることに決めました。
というのも、発売当時に特に使うアテもなく買っておいて、「アルファの血のような暗い赤にピッタリだ!」と歓喜していたMr.カラー385番「紅色」をようやく使えるタイミングが来たからです。当時この色でアルファを塗りたい!と思っても気軽に手に入るキットがなかったので、ジュリアの再販でようやく出番がきたという訳です。
キットの塗装指示は「イタリアンレッド」ですが、アルファとフェラーリが同じ赤であってたまるか!という気分ですね。
塗料は必要になってから買うより、とりあえず気になるものを全部買っておくといいと思っております。いつかこの色であれを塗りたいというインスピレーションに繋がります。
惜しむらくは「紅色」が半光沢の塗料なことですが、「旧車なので塗装のツヤはひけてしまったが、オーナーが丹念にワックスをかけてツヤを出している」という想像のもと、半光沢の塗装面の上からクリアー塗料を吹きつけていきました。光沢塗料とはまた違った仕上がりになって、結果オーライかなと思っています。
一見するとパッケージと同じ赤色に仕上げただけに見えるかもしれませんが、その色を選んだ背景には個人的な思いがあります。
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キットはエンジンを再現したフルディスプレイ仕様となっており、せっかくなので塗り分けとウェザリングを施しています。メインのアルミ部分にSM212「スーパーマットアルミ」を初めて使用しましたが、金属らしい光沢感と鋳造らしいつや消しの質感のバランスがよく、タミヤの「フラットアルミ」意外の「つや消しのシルバー」の選択肢が出来たことが嬉しいですね。
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また、実車の写真を眺めると、バンパーやグリルのシルバーはキットのメッキよりも輝きが鈍いように見えたので、メッキを剥がしたうえでSM206「スーパークロームシルバー2」で塗装しました。粒子が細かく、黒下地の上から塗っても暗くなりすぎないお気に入りの塗料です。
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塗料の話ばかりになってしまいますが、今回初めて使った水性ホビーカラーの「スーパーファインシルバー」がかなり良かったです。最近リニューアルされた水性塗料の筆塗りでのハンドリングは中々使いやすいと個人的には思っていて、マジックリンによる拭き取りの簡便性と組み合わせることでかなり楽ができました。窓枠と灯火類周りの塗り分けは全て上記塗料の筆塗りです。筆ムラになりにくく、スーパーファインと唄うだけあって質感も上々。
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窓のパーツは面倒でもガラスらしい色に塗っておくと実感がぐっと高まると思う今日この頃。特に自然光で撮影したときにより効果的な気がする。ガイアノーツのクリアーグリーンに色の源シアンを混ぜています。面倒なので一発で塗れる「ガラス色」を発売して欲しい。
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そんなこんなで中々満足感のある仕上がりとなりました。制作中にホイールセンターのデカールが神隠しにあったり、ボディにデカめの塗りムラがあったりはするけど、完成してしまえば文句なしにカッコいいので無問題。ボディカラーもイメージ通りに塗り上げることができました。
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