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Mono Black Control in Oldschool mtg

1.プロローグ

※記事の本筋とはあまり関係がありませんので、読み飛ばしていただいて結構です。
20XX年、世界は暗黒に包まれていた。漆黒の闇を身に纏いし魔王がその世界の頂点に君臨していた。暗黒の力の源たる禁断の果実”ジャザムの実”こそが、魔王を世界の頂点へと至らしたのであった。しかし世界には、様々な”力”が存在する。”青き祖先”の力、”白き騎士”の力、”赤き稲妻”の力、”破壊の円盤”の力、この混沌の世界では、これら数々の強大な”力”を持つ者たちが、その覇権を握らんと闘争に身を置いていた。しかしそれらの”力”を以てしても、魔王の持つ強大な”力”には遠く及ばなかった。中には魔王と同じく”ジャザムの実”による暗黒の力を持つ者もいたが、魔王の持つ、より強大な”力”には届かなかった。しかし野心を捨てきれない数多くの猛者がいたことも、また一つの事実である。人々は”力”を手に入れるべく、禁断の果実”ジャザムの実”を求めて世界を駆け巡った。そしてある者は、東京某所に”ジャザムの実”が成る樹が生えているという常闇の神殿にたどり着いた。しかしその情報はまるで油中の火が燃え広がるがごとく、瞬く間に多くの猛者共に伝わることとなった。しかし禁断の果実を口にすることができる資格たる”魔力”は、決して万人が持ち合わせるような安いものではなかった。禁断の果実にふさわしい”魔力”を持つ者が現れるまでの猶予はそう長くはないにしろ、全くないわけではなかろうと、多くの者が考えていた。しかしその油断とは裏腹に、その実が収穫されれば一瞬の隙も与えられることもなく、人の手に渡ったという。そう、数多くの猛者がこの”ジャザムの実”争奪戦に敗れ去ることとなったのだ。
この物語は、そんな”ジャザム争奪戦”に参戦すら叶わなかったとある1人の男の物語である・・・

2.デッキの紹介と戦略

どうももすぎです。今回は、オールドスクールにおける「黒単コントロール」について解説をします。
黒単コントロールは、相手のマナ基盤を攻めることで相手の行動を制限しゲームをスローダウンさせ、その間に少しずつ地道にダメージを稼ぎながら最後は《生命吸収/Drain Life》で止めを刺すことで勝ちを狙うデッキです。
同じ黒単のデッキとしては、軽~中量クロックを《暗黒の儀式/Dark Ritual》のサポートで高速展開し、黒の優秀な妨害カードで相手をもたつかせている間に殴りきる「黒単アグロ」がありますが、そちらと比べて採用されるカードがかなり違ってきます。
単色デッキであるがため色事故のリスクが低く、またマナを出すたびにダメージを伴う《真鍮の都/City of Brass》を採用する必要がないなどの利点や、《Ancestral Recall》を始めとした強力な他の色の呪文を使えない、黒単であるがゆえにアーティファクトやエンチャントを対処することが非常に難しいなどの欠点があります。

3.デッキリストと採用理由

私がオンライン大会用に作成したデッキリストは以下の通りです。

土地 26
14 《沼/Swamp》
1 《Urborg》
4 《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》
4 《露天鉱床/Strip Mine》
1 《イス卿の迷路/Maze of Ith》
1 《Library of Alexandria》
1 《The Tabernacle at Pendrell Vale》

クリーチャー 0

ソーサリー 8
4 《陥没孔/Sinkhole》
2 《生命吸収/Drain Life》
1 《悪魔の教示者/Demonic Tutor》
1 《精神錯乱/Mind Twist》

インスタント 6
4 《暗黒の儀式/Dark Ritual》
2 《恐怖/Terror》

アーティファクト 8
1 《ブラック・ロータス/Black Lotus》
1 《Mox Jet》
1 《Chaos Orb》
1 《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》
1 《氷の干渉器/Icy Manipulator》
3 《Aeolipile》

エンチャント 12
4 《邪悪の気配/Evil Presence》
4 《地獄界の夢/Underworld Dreams》
2 《The Abyss》
1 《Chains of Mephistopheles》
1 《麻痺/Paralyze》

サイドボード 15
2 《トリスケリオン/Triskelion》
2 《真鍮人間/Brass Man》
3 《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》
1 《Aeolipile》
4 《憂鬱/Gloom》
3 《麻痺/Paralyze》

デッキの特徴ですが、メインデッキにクリーチャーを入れず、大半のカードが相手の妨害のためのカードです。主な勝ち手段(=相手のライフを削る手段)は、《地獄界の夢/Underworld Dreams》《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》《生命吸収/Drain Life》になります。
続いてデッキの各カードについて解説します。
・《沼/Swamp》《Urborg》

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単色デッキですので、《沼/Swamp》はデッキのマナ基盤の基本となります。私は14枚入れていますが、人によって1~2枚前後するかもしれません。また、《Urborg》は伝説ではありますが、タップでクリーチャー1体の先制攻撃または沼渡りを失わせる能力があり実質《沼/Swamp》の上位互換であるため1枚だけ入れています。極稀に《血染めの月/Blood Moon》によって黒マナが出なくなることがあるかもしれませんが、ほとんど気にならないでしょう。

・《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》

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小型クリーチャーに対するブロッカーであり、時には相手のライフを削るための重要なクロックです。ゲームに負けないようにするためにも、勝つためにも必要となるため4枚採用しています。また、《生命吸収/Drain Life》のためにマナを伸ばすことも重要なので、《解呪/Disenchant》や《稲妻/Lightning Bolt》が飛んできそうな場面ではクリーチャー化しないことも大事です。イラストが独特で味がある旧枠の使用を推奨します。

・《露天鉱床/Strip Mine》

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実質1マナで使える打ち消されない土地破壊です。土地破壊により相手に色事故を引き起こしたり、マナスクリューに陥らせたりすることでゲームをスローダウンさせることが目的です。また、相手に十分な土地がある場合であっても、《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を破壊してライフを守ったり、《Library of Alexandria》を破壊してリソース勝負に持ち込ませないようにする役割もあります。無色1マナを出すこともできるため温存してマナソースになることも非常に頼もしいです。超強力なカードであるため、4枚採用です。イラストの雰囲気がデッキの雰囲気とマッチするため旧枠の使用を推奨します。

・《イス卿の迷路/Maze of Ith》

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タップのみで攻撃クリーチャー1体を戦闘から排除する能力を持つ土地です。マナ能力を持たないという欠点もありますが、クリーチャーに対してのみ使える《氷の干渉器/Icy Manipulator》のようなもので、ゲームを長引かせるために有用なカードです。CFBルールでは制限カードに指定されているため、1枚のみの採用となっています。カードのイラストがデッキイメージに合うため、旧枠のカードを使用することを推奨します。

・《Library of Alexandria》

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手札が7枚であるときにタップのみでカードを引くことができる強力な土地です。このデッキにおける唯一手札を増やすことのできるカードで、初手にあるときに威力を発揮します。無色1マナが出せるので手札を消耗した中盤以降でも無駄になりません。また相手からすると《Timetwister》や
《Wheel of Fortune》を唱えることにリスクを課すことにもなります。

・《The Tabernacle at Pendrell Vale》

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伝説の土地で、全てのクリーチャーに対し、アップキープに1マナを要求する能力を付与します。マナを支払わせることによってクリーチャーの展開を遅らせるため、このデッキが苦手とするウィニーデッキに対して絶大な効果を発揮します。ただし、クリーチャーをあまり出さないデッキに対しては効果が薄く、伝説でありかつマナ能力を持たないためマナトラブルになり得るので、1枚だけの採用としています。

・《陥没孔/Sinkhole》

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《露天鉱床/Strip Mine》と同じ土地破壊カードで、使い方も同様です。こちらは(黒)(黒)を要求されますが、ソーサリーなので自分の土地を伸ばしながら相手の土地を壊せます。相手の行動を縛るという観点からこちらも4枚採用しています。またカードのテキストが大きくて読みやすい旧枠を使用することを推奨します。

・《生命吸収/Drain Life》

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黒いX火力呪文で、クリーチャー除去として使用したり、相手にトドメを刺すために使用したりします。火種に(1)(黒)必要ですが、ライフを回復できる点がこのデッキの「ロングゲームに持ち込む」という戦略と嚙み合っています。中盤以降の《暗黒の儀式/Dark Ritual》やマナフラッドに対する受け皿にもなります。ただし初手にあってもあまり有用でないため、2枚の採用としています。また、文字が大きくて読みやすいα版、β版、アンリミテッド版の使用を推奨します。

・《悪魔の教示者/Demonic Tutor》

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説明不要の強力なサーチカードです。ただしこのデッキにおいては、《Ancestral Recall》のようないつでも強力なカードがないため、直ぐに使用しない場面もあります。探すカードは、ダメージソースとなる《地獄界の夢/Underworld Dreams》、マナ加速となる《ブラック・ロータス/Black Lotus》、強力なクリーチャー除去である《The Abyss》、フィニッシュ手段となる《生命吸収/Drain Life》、《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》のような脅威となる土地を処理するための《露天鉱床/Strip Mine》、マナ基盤を安定させる《沼/Swamp》が候補となる場合が多いです。制限カードであるため1枚採用です。イラストがかっこよく、文字が大きくて読みやすいα版、β版、アンリミテッド版の使用を推奨します。

・《精神錯乱/Mind Twist》

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(Ⅹ)(黒)で相手の手札をX枚ランダムに捨てさせる、オールドスクール界における黒の最強カードの1枚といっても過言ではありません。序盤に《暗黒の儀式/Dark Ritual》やマナアーティファクトから加速し、相手の手札を大量に奪う動きは黒単のブン周りアクションの1つです。指定マナが(黒)だけなので無色マナしかだせない土地を有効に使えることも評価点です。
《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》よりも小回りが利き、ゲーム中盤以降でも大量ドロー呪文によって増えた相手の手札に対しても強く想像よりも腐りにくいカードです。制限カードであるため1枚採用です。また、文字が大きくて読みやすいα版、β版、アンリミテッド版の使用を推奨します。

・《暗黒の儀式/Dark Ritual》

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黒の強さを支えていると言っても過言ではない、強力なマナ加速呪文です。1ターン目から《地獄界の夢/Underworld Dreams》を設置したり、序盤に大きな値で《精神錯乱/Mind Twist》を撃ち込んだり、また相手のマナ計算を狂わせることで相手のゲームプランを崩すこともできます。土地が伸びる中盤以降でも、《生命吸収/Drain Life》に費やせるため無駄になりにくいです。
このカードの威力を最大限に高められるというのも、黒単色でデッキを組んでいる理由の1つです。ただし、カードアドバンテージを失うためマリガンを選択した場合は初手からデッキに戻すことも多いです。非常に強力なカードであり特に初手に欲しい場面が多いので4枚採用してます。また、文字が大きくて読みやすいα版、β版、アンリミテッド版の使用を推奨します。

・《恐怖/Terror》

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黒が使用できる無難なクリーチャー除去です。再生を許さないため環境に存在する強力なクリーチャーである《Sedge Troll》対して強いのは良い点です。ただし、黒やアーティファクトのクリーチャーには効かないため2枚採用にとどめています。文字が大きくて読みやすいα版、β版、アンリミテッド版の使用を推奨します。

・《邪悪の気配/Evil Presence》

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(黒)のエンチャントで、土地1枚を沼に変えます。《露天鉱床/Strip Mine》《陥没孔/Sinkhole》と違い破壊するわけではないですが、多色デッキ相手に色事故を引き起こすために使います。単色相手であっても、《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を無力化できるため意外と無駄になる場面が少ないです。効果は地味ですが1マナなので使いやすく、いぶし銀なカードです。ただしカードパワーはあまり高くないため、単色デッキ相手や《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》をサイドインするようなゲームでは積極的にサイドアウトします。使いやすく、このカードが刺さる相手は少なくないため4枚採用しています。文字が大きくて読みやすいα版、β版、アンリミテッド版の使用を推奨します。

・《地獄界の夢/Underworld Dreams》

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このデッキの主力となるクロックです。クリーチャーではないため火力呪文や《剣を鍬に/Swords to Plowshares》で処理されず、ブロックされることもないので安定したダメージが見込めます。またドローに対してダメージが発生するため、《Ancestral Recall》を始めとした強力なドロー呪文に対してリスクを背負わすこともできます。唱えるために(黒)(黒)(黒)を要求されるため、無色マナしか出ない土地ばかり並んでしまうと《暗黒の儀式/Dark Ritual》無しには唱えられないこともたまにあるので気を付けましょう。
ゲームに勝ためにどうしても必要となるため4枚採用です。イラストとカードの雰囲気が良いので、旧枠の使用を推奨します。

・《The Abyss》

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(3)(黒)のワールド・エンチャントで、アップキープにアーティファクトでないクリーチャー1体を深淵の闇に呑み込みます。オールドスクールにおいて強力なクリーチャー筆頭である《セラの天使/Serra Angel》だろうが《Juzam Djinn》だろうが《セレンディブのイフリート/Serendib Efreet》だろうが問答無用で闇の吞み込んでいきます。このデッキがゲームに敗北しないようにするための重要なエンチャントで、このカードを唱えることがゲームの目的の1つにもなります。非常に強力ではありますが、アーティファクトクリーチャーやプロテクション(黒)を持つクリーチャーには効かず、ワールドを持つが故、重ね張りができないため大量に横並びされると除去が間に合わない場合もありますので、過信は禁物です。強力ではありますが、出すタイミングを選びたいため2枚採用です。イラストがかっこいいので絶対に採用すべきカードです。

・《Chains of Mephistopheles》

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(1)(黒)のエンチャントで、ドロー呪文に対して効果を発揮するカードです。このカードが場にあると、「ドローステップに引く最初の1枚目のカード」以外にカードを引こうとすると、手札からカードを1枚捨てない限りカードを1枚引くことができません。複数枚引く場合は「捨てて引く」を引く枚数分繰り返します。もし手札がない場合は、切削1を行いドローが消えます。つまりドロー呪文や能力によって手札を増やせなくなるため、The Deckを始めとした青のコントロールデッキが非常に嫌な顔をします。ドロー呪文に制約を課すという点では、5枚目の《地獄界の夢/Underworld Dreams》とも言えます。ただし青を使わないデッキにはほとんど効果がないため、メタゲームによってはサイドボードに落としてもよいでしょう。能力が尖りすぎているため1枚のみの採用です。イラストがかっこいいのでメインボードに採用すべきカードです。

・《麻痺/Paralyze》

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(黒)で唱えられるエンチャントで、クリーチャー1体をタップ&アンタップ制限を課すカードです。直接除去するわけではないですが、黒やアーティファクトクリーチャーにも有効です。また1マナと軽いためウィニーデッキにも大きな効果があります。ゲーム中盤以降に相手の土地が伸びればアンタップのための4マナが容易に支払われるようになりますが、《The Abyss》や《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》を設置するまでの時間を稼げれば十分です。採用枚数は《恐怖/Terror》との兼ね合いでメインに1枚、サイドに3枚採用しています。文字が大きくて読みやすいα版、β版、アンリミテッド版の使用を推奨します。

・《ブラック・ロータス/Black Lotus》

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パワーナイン筆頭の強力なマナ加速です。5枚目の《暗黒の儀式/Dark Ritual》とも言えます。使い方は基本的には《暗黒の儀式/Dark Ritual》と同じです。制限カードなので1枚採用です。

・《Mox Jet》

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パワーナインに属する強力なまなアーティファクトです。《沼/Swamp》と同じ能力ですが、土地でない分少しだけ強いです。後手番のときに初手にあると土地からの黒マナと合わせて《陥没孔/Sinkhole》がいきなり唱えられます。ただしその分除去にも弱く、特に自分の使う《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》に巻き込まれる点は留意しましょう。制限カードなので1枚採用です。

・《Chaos Orb》

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2マナのアーティファクトで、1マナで起動することでカードフリップを行い、選んだカードに当たれば破壊するというオールドスクール界の万能除去です。黒単では数少ないアーティファクトとエンチャントを除去できるカードの1つです。《白騎士/White Knight》のようなプロテクション(黒)を対処するためにも使用できます。このカードを使用するため、日々のカードフリップの練習は欠かせません。あまり気にならないとは思いますが、このカードの効果で「トークン」を破壊することはできないので注意しましょう。制限カードなので1枚採用です。

・《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》

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オールドスクールにおいては土地以外のパーマネントを全て破壊する強力なアーティファクトです。《Chaos Orb》同様に黒では触ることのできないパーマネントを除去するために使用します。ウィニークリーチャーの群れを一掃できるのも強みです。タップインであるため相手に1ターンの猶予を与えてしまうため、早めに置いて相手にパーマネントを展開させないようにすることも重要です。このデッキはエンチャントを多用するため流したくない場面も多く、メインゲームでは若干使いづらいため《悪魔の教示者/Demonic Tutor》用に1枚、ゲーム2以降はこのカードでしか対処できないアーティファクトなどを多用するデッキ対策としてサイドボードに3枚採用しています。イラストがかっこよく、文字が大きくて読みやすいα版、β版、アンリミテッド版の使用を推奨します。

・《氷の干渉器/Icy Manipulator》

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4マナのアーティファクトで、1マナとタップで土地、クリーチャー、アーティファクトのうち1枚を対象としてタップします。やや重いですが、マナ拘束として使うことができるほか、《イス卿の迷路/Maze of Ith》のように使うこともできます。また、一部のアーティファクトはタップ状態になると効果を失うため、それらのアーティファクト対策としても使用できます。使いやすい効果ではありますが、4マナとやや重たく、劇的に効果がある相手がいるわけではないため1枚だけ採用しています。イラストがかっこよく、文字が大きくて読みやすいα版、β版、アンリミテッド版の使用を推奨します。

・《Aeolipile》

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2マナのアーティファクトで、1マナとタップで好きな対象に2点のダメージを与えます。黒単ではインスタントタイミングで使用できる数少ない火力の1つであり、このカードの真価はプロテクション(黒)に引っかからないことです。このカードがないと《白騎士/White Knight》や《Order of Leitbur》を止めることが非常に難しくなります。また、相手の《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》に攻撃をためらわせることもできます。プレイヤーにも火力を飛ばせるため、トドメに使用することも偶にあります。2点しか飛ばないためタフネスが3以上のクリーチャーを多用するデッキや、クリーチャーをあまり使用しないデッキに対してはあまり有用な場面がないため、メインに3枚、サイドに1枚採用しています。

・《トリスケリオン/Triskelion》

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6マナのアーティファクト・クリーチャーで、3点の火力を自由に飛ばせます。タフネスが1~2のクリーチャーが多いウィニーデッキに対して強く、6マナと重いですが《暗黒の儀式/Dark Ritual》があるためプレイが現実的であると考えています。攻撃に参加できるため追加のクロックとなり、自分で設置した《The Abyss》に引っかからないことが優れています。刺さるデッキに対しては非常に有効ですが、6マナと重いためサイドボードに2枚採用しています。イラストに愛嬌があり魅力的な旧枠の使用を推奨します。

・《真鍮人間/Brass Man》

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1マナ1/3のアーティファクト・クリーチャーで、アンタップするために1マナ要求してきます。主にウィニーデッキに対する壁として使用します。タフネス3は同じ1マナの《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》に対して睨みを利かせられます。相手にクリーチャーがいない場合は攻撃に回してもよいでしょう。《The Abyss》に食べられないことも評価できます。カードパワー自体はそこまで高くないので、サイドボードに2枚採用しています。

・《憂鬱/Gloom》

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(2)(黒)のエンチャントで、白の呪文および各種防御円の起動に追加の3マナを要求します。白いデッキに対するキラーカードで、1ターン目に《暗黒の儀式/Dark Ritual》から設置するだけでゲームを決めかねない強力なエンチャントです。ただし相手が青を含む場合は《臨機応変/Sleight of Mind》による色の書き換えには注意しましょう。白に対する強力なアンチカードなので、サイドボードに4枚採用しています。文字が大きくて読みやすいα版、β版、アンリミテッド版の使用を推奨します。

4.採用しなかったカード・採用してもよさそうなカード

今回は採用しませんでしたが、試験的に採用したり、検討したカードを紹介します。
・《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》

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オールドスクールにおいてトップクラスの性能を誇る黒の呪文です。わずか2マナでカードアドバンテージを得られるカードはほとんど存在しません。強力なカードではありますが、このデッキにおいてはクリーチャー除去などのカードが相手の手札に残りやすく、無作為に手札を捨てさせてもこちらに対してあまり有用でないカードを捨てられる場面が多かったため、今回は不採用としました。ただし、ゲーム2以降はデッキ内の無駄カードが減るため手札破壊が有効に働く場面が増えるため、サイドボードへの採用は検討してもよいでしょう。ゲーム中盤以降に効果が小さくなるため入れても3枚になると思います。

・《クォムバッジの魔女/Cuombajj Witches》

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(黒)(黒)で1/3のクリーチャーで、タップでお互いがそれぞれ選んだ好きな対象に1点ダメージを飛ばします。パワー2までのクリーチャーをブロックでき、タフネス1のクリーチャーに対する継続的な除去となります。苦手なウィニークリーチャーに対して強いことが利点です。コントロールデッキと噛み合う能力ではありますが、相手の手札でダブついているクリーチャー対策カードの的になり、また《The Abyss》によって破壊されるため今回は不採用としましたが、サイドボードに1~2枚採用してもいいかもしれません。

・《凄腕の暗殺者/Royal Assassin》

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(1)(黒)(黒)で1/1のクリーチャーで、タップすることでタップ状態のクリーチャーを破壊できます。黒やアーティファクトのクリーチャーをも除去することができることが利点です。《クォムバッジの魔女/Cuombajj Witches》と同様にコントロールデッキとは噛み合いますが、デメリットも同様であるため不採用としました。

・《Juzam Djinn》

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(2)(黒)(黒)で5/5のクリーチャーで、アップキープに1点のダメージを受けます。オールドスクール界では説明不要の超強力クリーチャーで、相手のクリーチャー対策カードが少なくなるゲーム2以降のためにサイドボードへの採用を検討しました。今回は《The Abyss》の設置を優先したり、諸事情のため不採用としました。(だって持ってないし・・・)

・《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》

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(3)(黒)(黒)で4/4の飛行クリーチャーで、戦闘でクリーチャーを破壊すると+1/+1カウンターが乗ります。検討理由は《Juzam Djinn》と同じで、やはり
《The Abyss》のために不採用としました。

・《荒廃/Blight》

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(黒)(黒)の土地につけるエンチャントで、その土地が次にタップ状態になったときに破壊します。カードテキストでは「ターン終了時に破壊する」となっていますが、最新のオラクルではタップ状態になった瞬間に破壊されます。ただし、既にタップ状態である場合は、次にタップされるまでは破壊されません。追加の《陥没孔/Sinkhole》として機能する呪文です。こちらがマナ基盤を攻める戦略をとるため、これを付けられた土地をタップせざるを得ない場面は少なくありませんが、1度はマナを出すことができるため土地破壊としては若干不自由であり、また《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を除去したくて対象にとった場合でも、ブロッカーとしては使用されてしまいます。歯がゆい思いをする場面も多々あり、カードパワーがあまり高くないため不採用としました。

・《Hellfire》

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(2)(黒)(黒)(黒)のソーサリーで、黒でないクリーチャーを全て破壊し、破壊したクリーチャー数に3を足した値のダメージを受けます。ウィニーの群れやアーティファクト・クリーチャーを一掃できる強力な呪文です。5マナと重いですが、それに見合う効果があります。この呪文で破壊できないクリーチャーは《The Abyss》で除去できるため問題ないと思います。ただし反動ダメージは大きいため、ゲーム終盤に唱えることは難しくなります。今回は黒のクリーチャーが破壊されないことを利点にできないことと、反動ダメージを嫌って採用しませんでしたが、サイドボードに1枚採用してもいいかもしれません。

・《土牢/Oubliette》

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(1)(黒)(黒)のエンチャントで、クリーチャー1体をこれが戦場から離れるまでフェイズ・アウトさせます。3マナとやや重いですが《恐怖/Terror》と違い黒やアーティファクトクリーチャーにも効き目があります。除去としては強いのですが、1~2マナのクリーチャーを除去するのはマナ効率が悪く、また《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》との相性が悪いため不採用としました。

・《Demonic Torment》

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(2)(黒)のエンチャントで、エンチャントされたクリーチャーは攻撃できなくなり、与える戦闘ダメージを全て軽減させます。使い道は《麻痺/Paralyze》や《土牢/Oubliette》と同じです。指定マナが黒1マナで《土牢/Oubliette》と比べて若干唱えやすいことと、《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》とケンカしないことが利点ですが、《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》の攻撃がブロックされてしまうデメリットがあります。やはり除去で3マナは重いだろうと考えて不採用としました。

・《灰は灰に/Ashes to Ashes》

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(1)(黒)(黒)のソーサリーで、アーティファクトでないクリーチャー2体を対象として追放します。ただし自分は5点のダメージを受けます。このカードの利点は、1対2交換できること、特に《暗黒の儀式/Dark Ritual》経由で唱えてもカードアドバンテージを失わないことと、黒のクリーチャーも除去できることです。しかしアーティファクト・クリーチャーは相変わらず除去できないことや、クリーチャー1体のみを除去することができないこと、そして何より5点という無視できない反動を受けるため不採用としました。

・《Word of Command》

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(黒)(黒)のインスタントで、相手の手札からカードを1枚プレイさせます。上手くいけば相手のクリーチャーに相手の除去を当てたりとトリッキーなアクションが可能になります。ただし、あくまでも「手札のカード」をこちらが選んだ対象に「プレイ」させるだけなので、運の要素も大きくなります。このカードを検討している最中に、「相手の場に《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》がある場合すべてのマナを使い切ることができるためほとんど何もできなくなる」ことに気づいたので、不採用としました。

・《Nether Void》

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(3)(黒)のワールド・エンチャントで、すべての呪文が追加で3マナを支払わないと打ち消されるようになります。土地が伸びるまでお互いに事実上呪文を唱えることが不可能になる強力なロックカードで、土地破壊でマナを伸ばされないようにして《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》や《地獄界の夢/Underworld Dreams》があるときにこのカードを設置することで強烈なロックが決まります。ただしオールドスクール環境では《露天鉱床/Strip Mine》や《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を採用するデッキが非常に多いため、下手をすればこちらが一方的に相手の《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》に延々と殴り続けられる可能性もあることと、ワールドを持つため《The Abyss》と両立できないことから、不採用としました。

・《Forcefield》

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3マナのアーティファクトで、1マナ払うことでクリーチャー1体に対して受ける戦闘ダメージを1にできるというアーティファクトです。少数精鋭のクリーチャーで攻めるデッキに対しては効果的です。しかし役割が《The Abyss》と被り、またウィニー相手には効果が小さいため不採用としました。

・《黒死病/Pestilence》

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(2)(黒)(黒)のエンチャントで、黒1マナで各クリーチャー及びプレイヤーに1点のダメージを与えます。ただし、終了ステップにクリーチャーが戦場に1体もいない場合は自壊します。ウィニークリーチャーに効果的である他、プレイヤーにもダメージが入るためフィニッシャーにもなります。自壊効果は終了ステップに《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》を起動することで防ぐこともできます。今回はこちらがノンクリーチャーで維持が難しいと感じたため不採用としました。

・《砂漠/Desert》

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タップすると無色1マナ出るほか、タップで戦闘終了時に攻撃していたクリーチャー1体に1点与える土地です。ウィニークリーチャーに効果的で、複数枚並べばタフネス2以上のクリーチャーも破壊できます。ただし1度はダメージを受ける必要があります。効果が小さく優先順位は低いと感じたため今回は不採用でした。

・《City in a Bottle》

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2マナのアーティファクトで、アラビアンナイト初出のカードを全て破壊する上にプレイまでも禁止します。アラビアンナイトには《セレンディブのイフリート/Serendib Efreet》を始めとした強力なカードが多いですが、これらのカードは基本的にほかのカードで対処できることと、こちらも少しだけアラビアンナイト初出のカードを使用するため不採用としました。

・《強欲/Greed》

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(3)(黒)のエンチャントで、黒1マナと2点を支払うことでカードを1枚引くことができます。長期戦になったときにドロー能力が非常に強く、主に青のコントロール系のデッキに対して有効ですが、これらのデッキに対しあまり不利を感じていなかったため不採用としました。

5.最後に

オールドスクールでは、黒単といえばアグロデッキが強力であるため主流ではありますが、この狭いカードプールでも相手の行動を縛ることに特化したデッキを組めないことはないということを知っていただければ幸いです。単色デッキの中でも、黒単は特に魅力的なデッキであり、アグロでは使えないような変わったカードをたくさん使えることもこのデッキの魅力であると思います。もし少しでもこの黒単コントロールに興味を持ってもらえたら、ぜひ1度組んでみて、実際にデッキを動かしてみてください。

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