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Ancestral Recallは"強い"のは間違いない、しかし・・・

0.はじめに

ゆっくりう○こです。
ち○こだぜ。
今回は古の最強ドロー呪文Ancestral Recall、通称アンリコについて考察するぜ。
よろしく頼むぜ。

どうももすぎです。今回はなぜこんな記事を書くのかというと、ここ最近「アンリコってホンマに強いんか・・・・?いや強いには強いんだけど・・・??」と感じることが少なくないため、アンリコに対する認識を整理すべく考察を行いたいと思います。

1.Ancestral Recallについて

今更のことですが、アンリコことAncestral Recallは青1マナのインスタントで、「対象のプレイヤーはカードを3枚引く。」という誰がどう見ても強いことしか書いてないインチキバグスペルです。パワーナインの青い呪文筆頭であり、Time Walkと並んで青いデッキでは脳死で投入される、むしろこいつらを入れるために青いデッキを選択するレベルです。自分を対象に唱えて3枚引くのが基本ですが、場合によっては相手に唱えてライブラリーアウトを狙うこともあります。

2.Ancestral Recallのカードパワー

2-1.アンリコ最強の黄金時代

私がヴィンテージに参入したのが2017年なので、それ以降の環境から考察しを行います。
2017年は逆説ストーム、メンター、MUDといったデッキが環境の中心であったと思います。この時代ではコントロール気味のデッキが多くハンドアドバンテージがかなり重要視されていたため、青いデッキはアンリコに加えて噴出、宝船の巡航、時を越えた探索といったハンドを増やすカードもほぼフル投入だったと思います。わずか1マナかつ無条件で3枚引けるアンリコは当然最強なのは間違いないです。誰しもが各種教示者や商人の巻物でとりあえずアンリコをサーチするぐらいでした。
またハンドが手軽に増えることはLibrary of Alexandriaの起動条件を満たしにいけることや、仮に3枚引いて有効牌がなかったとしてもダク・フェイデンのルーティング能力や精神を刻む者、ジェイスのブレスト能力で処理できるためハンドが増えることそのものに意味がありました。
2018年はバザー系デッキであるサバイバルが頭角を現してきましたが、前年から環境が変わったとは感じませんでした。そもそもバントサバイバルもアンリコを使うデッキであるためハンドアドバンテージは相変わらず重要であり、前年に引き続きアンリコは最強呪文であることは間違いありません。
2019年は灯争対戦、モダンホライゾン、基本セット2020、エルドレインの王権とヴィンテージ環境が激変した年になります。
覆いを割く者、ナーセットという汎用性の高いアンチドローカードの登場や、カーンフォージという高速チェインコンボの流行、マリガンルールの改正及び強力ピッチスペルの登場によるドレッジの大幅強化という環境の高速化に伴う青いデッキがアンリコ唱えてる場合じゃない環境が訪れたかにみえましたが、制限改定により諸悪の根源が諸々規制を受けたことによりアンリコはやはり大正義でした。
さらには精神的つまづきの制限によってアンリコは気軽に唱えられるようになり、戦慄衆の秘儀術師や神秘の聖域の登場によりアンリコをサーチする呪文をカウンターしたくなるほどのアンリコ最強時代だったと感じます。
2020年も前年に比べればマシですが環境に大きな影響を与えるカードが登場しました。
テーロス還魂記ではタッサの信託者により最後の審判が大幅強化され数を増やしたことでアンリコが攻撃スペルとしての価値が上がり、また死の国からの脱出という誰がどうデザインしたらこんな謎カードができるのかわからんぐらい意味不明なカードによってアンリコを複数回唱えてハンドを潤沢にしたり、思考停止からのトドメのアンリコといったもはやアンリコが初手にあるかないかで勝敗変わるんじゃないかレベルで強かったと思います。
イコリアでは相棒システムが追加され、環境はルールス一色となりましたが当然青いデッキなのでアンリコは当然使われていたし当然強かったです。
一方、統率者レジェンズではアンチドローカードの船殻破りが登場しましたが、そもそもコイツは青いためアンリコと一緒に使えるのであまり影響はなかったと感じます。

2-2.アンリコ至上主義の崩壊・・?

2021年はとあるセットの登場によって環境が大きく動くことになります。
ストリクスヘイヴンで登場した表現の反復はアドバンテージを稼げるカードとして採用されることもありましたが、環境への影響は小さかったと言えます。そして後に全ての元凶であるモダンホライゾン2が発売されます。敏捷なこそ泥、ラガバンやインカネーションサイクルといった強力カードに加え現代ヴィンテージ環境における凶悪カード、ウルザの物語が登場します。ウルザの物語の生み出すトークンはキルターンを少なくしてゲームを加速させるだけでなく、アーティファクトのサーチによるコンボパーツの供給まで行います。これによりTime Vault+多用途の鍵が標準装備となり、コントロールデッキはその多様な勝ち手段に対応しきれず明確に数を減らすことになります。
加えて少ないカードから多様な勝ち手段を展開できるようになったことで修繕からボーラスの城塞を出すことが青いデッキ同士のゲームにおいて実質的な勝ちとなる場面が多くなり、それはつまりアンリコより修繕の方が強いといえるようになりました。
この時点で教示者のサーチ先第一候補は修繕となるため、アンリコは"最強呪文"ではなくなったと言えます。
2022年にはバルダーズ・ゲートの戦いによってイニシアチブデッキやディスプレイサーの仔猫によって強化されたジュエルショップが環境トップとなりました。白イニシアチブは従来のヘイトベアー+高打点というゲームを加速させるデッキであるため盤面を捌けなければ手札の枚数は意味を持たず、アンリコを唱える猶予すらない場合も多々あります。一方ジュエルショップは切望の宝石とファイレクシアの変形者や逆説的な結果によるドローの連鎖はアンリコの3ドローが霞むレベルで手札を供給します。
最早この時点でアンリコのカードパワーは相対的に弱体化したと言わざるを得ません。
2023年には偉大なる統一者、アトラクサが登場しオースが環境上位に姿を現すことになります。アトラクサはアンリコ以上に質も量も高いハンドを供給する上、高い戦闘能力でライフレースをひっくり返すこともできます。そして必然的にアトラクサを踏み倒すドルイドの誓い、閃光、実物提示教育の価値が上がり、アンリコよりも優先してサーチされる場面が増えました。

3.まとめ

以上のことを簡潔にまとめると、以下のようになります。

・かつてはハンドアドバンテージが重要であったため、アンリコを通すことが勝ちに繋がった。またアンリコ以外にも低コストでハンドを増やせるカードがよく採用されていた。

・死の国からの脱出などのアンリコを使いまわすカードによるコンボ的利用や、最後の審判に対する攻撃カードとしても利用価値が高まった。

・現在はウルザの物語やイニシアチブクリーチャーによりボードアドバンテージの重要性が高くなり、アンリコですらテンポロスが響く場面が出る。

・切望の宝石や偉大なる統一者、アトラクサのようなアンリコよりもアドバンテージを稼げる非制限カードの登場や、ハンドアドバンテージとボードアドバンテージを簡単に稼げるボーラスの城塞が環境の中心となったことでアンリコのカードパワーが相対的に落ちた。

アンリコが強いことには変わりありませんが、かつてのように教示者で探してまで使いたいカードであるかというと、そうではありません。もちろんサーチ対象になることもありますが、優先順位は決して高くなはありません。それと同時に、相手にアンリコを通されたときに感じる絶望感も以前に比べて遥かに小さいとも感じます。


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