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君が飛び降りてしまう前に

 目まぐるしく過ぎ去る日々、気が付けば穏やかな秋をとうに超え、体感はすっかり冬である。寒暖差で身体の節々が縮こまっている気がしてくる。愛する皆様、元気にしていますか。私は踏ん張ったり落ち込んだり、なかなか賑やかな毎日です。

 書き溜めた下書きを消化できず、自分という人間に向き合っては目を逸らす日々だった。当たり前だけれど、他人は自分ではなくて、自分は貴方でもなくて、難しかった。例えば、上手くいかなくても人のせいにしないとか、自分の機嫌は自分でとるみたいな、頭で正解が分かっていても、身体と心がその通りに行動できなかった。

 年々我が強くなっていく自分が怖い。これって果たして強さなのか、優しさや純粋さを失って、自己中心的に生きてるだけじゃないのかな、ひょっとして威嚇することで弱さを隠しているだけなのかもしれない、そんな疑念が脳内をぐるぐる回る。

 こんなにも何かと戦う必要が本当にあるのか。自分さえ良ければいいと思ってるあの人が羨ましい。とか言って同族嫌悪だったりして。あー、平穏に生きたい。人の目とか気にしないでやりたいようにやりたい。生きづらい。でも自分で自分を生きづらくしてるのは私自身に他ならない。分かってはいるのだ。

 今日もあの子の傷痕だらけの腕を見て、ノーマルカメラのかわいい自撮りを見て、照らされた左手薬指を見て、スタバの新作も飲めないから妥協したモーニングで、それでも私にとっては最高の朝だ。

 早起きして仕事に行く恋人を見送った。君の存在が私にとって凄く嬉しい。そう思える人がいる人生は楽しい。なんだかさっきまでの悩みなんてちっぽけな気がしてくる。いつまでもウジウジしてられない。だけど、メソメソしてる私も愛して欲しいとか思ってしまうのが人間の罪だね。

 君が飛び降りてしまう前に、君の存在を喜ぶ人間がいることをどうかわかって欲しい。とかいっている割に自分語りばかりで、何もできなくてごめんね。

 無力な偽善だと言われても仕方ないと思う。生きてりゃいいことあるよとか、誰でも不幸になり得るのが人生だとか、そこまで言えるほどできた人間でもないし、まだまだ生きていて分からないことばかりなの、きっと一緒だよ。

 どうか次に会えるまで、元気でいてね。元気じゃなくてもいいから、世界中の不幸を背負い込まないでいて。「そのままの貴方で大丈夫」っていつか誰かに貰った言葉を、今の貴方に渡したいと心から思っています。

 なんて無責任で適当な言葉ばかり、つらつらと並べてごめんね。今日の君の不幸がひとつでも、報われますように。

#エッセイ #日記

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