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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【8月2日㈬~8月8日㈫】

世間のお盆休みは、明日の祭日(山の日!)が本格的なスタートのようですが、私的に来週は8月19日の『オオカミの家』の初日直前で落ち着かないことこの上ないので、「今のうちに取っちゃえ」ということでひと足早めのお休みを頂きました。で、何をしていたのか、というと隠密に(笑)香港に出かけて昨夜戻ってきました。最後に訪れたのが、2019年3月の香港フィルマート(アジア最大級の映画テレビの映像見本市)出張の時だったので、約4年半ぶりの香港でした。

当通信でも何度か書いていますが、ザジフィルムズと香港との繋がりは意外と古くからあって、劇場配給作品こそ少ないのですが(2018年公開の『29歳問題』)、かつて日本で劇場公開された作品のテレビ放送権や、レンタル市場向けの新作劇場未公開作品のビデオ化権の買付けなどを、90年代半ばから始めていました。生まれて初めて香港を訪れたのも、ショウブラザースやシルメトロポールなど、当時自社で海外セールスを行っていた権利元の会社回りのための出張。ちょうどウォン・カーワイ監督の『恋する惑星』が日本で大ヒットしていた頃で、仕事の合間にロケ地のチョンキンマンション(重慶大廈)やランカイフォン(蘭桂坊)を訪れて、「おお!映画のまんま!」と感動していたものです。あれから30年近くが経ってるなんてちょっと信じられません。

行きのキャセイの機内では、昨年の東京国際映画祭の“アジアの未来部門”に出品されていたアナスタシア・ツアン監督の香港映画『消えゆく燈火』(映画祭上映題名)がLINE UPされていたので、英語字幕ではありましたが、香港気分を盛り上げるために観てみました。タイトル中の“燈火”は、いわゆるネオンサイン。香港と言えば、かつてはビルから張り出した大きなネオン看板が名物でしたが、建築法の改正に従って撤去が進み、既に2020年には9割の看板が無くなってしまったそう。香港に通い出した当初は、「古そうなビルに、こんな重たそうな看板がいくつもくっついてて、重量的に安全性は保たれているのだろうか?」と心配になったのは確かですが、姿を消してしまうのは寂しい限りです。映画はネオン看板職人の夫が亡くなった後、妻が夫の思い描いていた理想の看板を作ろうと奮闘する話で、その夫婦をベテランのシルビア・チャンとサイモン・ヤムが演じています。90年代から足繁く通っていた身としては、移り変わってゆく街の様子がリアルに感じられて、懐かしかったり、切なかったり。しんみりと良い映画でした。こちらは日本公開が決まっているようなので、日本語字幕付きでぜひ再見したいものです。

機内上映中の『消えゆく燈火』(映画祭上映題)のワンシーン

さて。いくら番外編的な今週の通信でも、「何を食べた」とか「どこに行った」と書くのは憚られるので止めといて、映画関連ネタのみ記させて頂くことにしましょう。街中のシネコンでは日本でも明日から公開の『バービー』『MEG ザ・モンスターズ2』が上映されていましたが、『オッペンハイマー』も公開中でした。日本では今のところ“公開未定”なので、このチャンスに観ようかとも思ったのですが、上映時間3時間と知って諦めました。夕飯を早めに切り上げて、21時からのレイトショーで観たとしても、終映は24時。若い時は出来たかもしれませんが、今はもう体力的にムリ(笑)。

日本でいう、いわゆる単館系作品はどこで上映されているのか、と調べてみると、Broadway Cinemathequeという、アートハウス系映画も編成しているシネコンがYau Ma Tei(油麻地)という比較的街中にあり、『悲情城市 4K』が上映されていました。「おっ!これは観たいかも!」と思いましたが、英語字幕が付いてるのか、サイトからは不明なので諦めました。Hongkong Film Archive(香港電影資料館)という施設もSai Wan Ho(西湾河)というエリアにあり、現在はマンガ原作の映画特集みたいのを開催中。4月からアニタ・ムイとレスリー・チャンのレトロスぺクティヴも断続的に開催しているようでした。次回は前もって調べて、何か1本ぐらい観てみたいな。

映画ネタをもう一つ。滞在中、街中のポスターでレスリー・チャンの没後20年のエキジビションが開催されているのを、偶然知りました。これは行くしかありません!会場は新界エリアにある香港文化博物館という施設。ホテルからは地下鉄を乗り換えて小一時間かかりそうでしたが、帰国便が夕方だったので帰国日の朝行ってみることにしました。

レスリー記念展のポスター。街中でこのポスターを見かけて速攻行くことを決めました。

レスリーのエキジビションは、何と入場料無料。展示エリアは思ったより狭く、アッという間に観れてしまうのですが、コンサートで着ていた衣装や靴(スパンコールが施されたヒール!)なども展示され、コアなファンには溜まらないものがありそうでした。無料なのにポスターのお土産まで頂いて感激。香港に行く予定のあるレスリーファンはとりあえず要チェック。10月9日までの開催です。同じ施設内では現地を訪れるまで全く知らなかったブルース・リーの没後50年展も2021年から長期開催中。こちらのほうがレスリーの展示よりも全然充実していて、やはり入場無料。豪華なパンフレットまでもらってしまいました。こちらもブルース・リーファンは行かないと!って感じでした。こちらは来年1月1日までの開催です。

展覧会のキャッチコピーは「平凡、不平凡、李小龍」。カッチョいいです。

徒然なるままに香港旅行ネタを書いてみました。どなたかのお役に立てばこれ幸いです。現在日本では『さらば、わが愛 覇王別姫 4K』がヒット上映中。このお盆、久しぶりに観に行っちゃおうかな!

texte de daisuke SHIMURA




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