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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【7月13日㈬~7月19日㈫】
関東地方、先週は梅雨に逆戻りしたかのような不安定な天気が続いていましたが、三連休後半には暑さが戻ってきました。そろそろ学校も休みに入るのかな?世間はこれから本格的な夏休みモードに突入です。引き続きのコロナ禍ではありますが、皆さんはどこかにお出かけの計画ありますか?
買付け交渉をしているヨーロッパの相手先には、既にバカンスに入った担当者も多く、「8月〇日まで留守にしております」みたいなオートリプライが返信されてくることも多くなってきました。ただ“ワーケーション”的な働き方が浸透しているのか、近年は丸々一ヶ月連絡が取れなくなって仕事が完全にストップ…、というような事態に陥ることは稀になった印象です。でも、バカンス中に「市場が冷え込んでいるので、あなたの望む〇〇ユーロは受け入れられません。どうか〇〇ユーロでプロデューサーを説得してくれ」とか、「送ってくれた素材データにノイズが入っていた。ラボで作業をやり直してもらってくれ。一刻も早く!」なんてメールは読みたくないですよね。私が逆の立場だったら絶対イヤです(笑)。
以前にも書きましたが、うちの会社はお盆の一斉休業はなく、各自で申告してお休みを取るシステム。今年は8月5日に宣伝を担当させて頂いている映画『プアン / 友だちと呼ばせて』(ギャガ 配給)の公開が控えているので、それ以降に取る感じです。その『プアン/ ~』ですが、昨夜は渋谷ユーロライブで、主題歌を歌っているSTAMPさんのスペシャルライブ付きの特別試写会が開催されました。
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STAMPさんはタイポップスのトップスターで大の親日家。一昨年から日本での活動も本格化していて、今回の映画のために書き下ろされた主題歌「Nobody knows」もJapanese versionをリリースすることが決定しています(予告編の後半で、オリジナル・バージョンがかかりますので、ぜひ聴いてみてください)。昨夜は「Nobody~」を始め4曲を弾き語りで披露。ご来場のお客様はSTAMPさんの歌声にすっかり魅了されていらっしゃるご様子でした。
さて。日付は前後しますが16日㈯からシネマ・ジャック&ベティで『三姉妹』の上映が始まり、翌17日の日曜は高校時代の友人たちが“3人割”を利用して観に来てくれるというので横浜まで出かけました。3人の友人のうちの2人には、年に1回程度は会っているのですが、もう1人と会うのは30年ぶり。開口一番、「全然変わらないね、、とは言えないけど、ビックリするほど変わって無くて良かった」と言われました。でも今回は、他の友人2人を介しての再会だったのですぐに分かりましたが、偶然街ですれ違って、お互いに分かるかどうかは微妙なところかもしれません…。それはともかく、こうして友人たちが応援してくれるのは有り難いこと。「たまたま観たい映画を観に来たら、幼馴染のやってる会社が配給してる映画だった」となるよう、引き続き精進します。
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話は変わりますが、先週土曜日16日から“SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 2022”が始まりました。昨年、一昨年はオンラインのみの開催でしたが、今年は会場とオンラインのハイブリッド開催。昨年、国際コンペティション部門の審査員を務めさせて頂いたのに、実は一度も現地に足を運んだことのなかった私(今年で19回目なのに!)。3年ぶりに現地で開催されるのだから、今年こそは一度お邪魔しなくては!と、連休最終日の18日に出かけてきました。
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朝からアメリカ映画『クイーン・オブ・グローリー』、午後からフランス・ドイツ合作『マグネティック・ビート』、という、国際コンペ部門にエントリーされている2作品を観てきました。昨年のトライベッカ映画祭で最優秀新人監督賞を受賞している『クイーン~』は、ニューヨークに暮らすガーナ系アメリカ人のヒロインの、家族との関係や自立を描いた、“自分探し”的なニュアンスも入った、少々強引に言うと“ブロンクス版『わたしは最悪』”な物語。ここだけの話(笑)、私には『わたしは最悪』よりも響きました。
『マグネティック~』は昨年のカンヌ国際映画祭 監督週間に出品された、1980年代のフランス・ブルターニュ地方の田舎町とベルリンの壁崩壊前のベルリンを舞台にした青春映画。時代時代の社会的な背景を織り込みつつ、主人公の青年の苦悩やら、兄との確執やらを描きます。兄弟が海賊ラジオ局をやっている設定なので、DJものという側面も。なかなか端正な作りの映画でした。
国際コンペ部門は今年も10作品。会場での開催は今度の日曜24日まで続きますし、明日からの一週間はオンラインでも同時開催。何本か気になる作品があるので、再び川口に遠征するか、オンラインで視聴するか、どちらかの方法で観ようと思ってます。ご興味ある方はぜひ公式サイトをチェックしてみてください。
texte de Daisuke SHIMURA