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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【8月28日㈬~9月2日㈫】
残り少なくなったお米を、白米1、玄米1で炊いて何とか持たせているうち、新米が出回らないかしら?と、ここ一週間ほど、外回りの最中、通りがかったスーパーや、まいばすけっとを、ちょこちょチェックしていたのですが、依然としてお米の棚はガランとしたまま。早く備蓄米を放出してくれー!
しかし昨日、営業に行った先の最寄り駅でお腹が痛くなり、大型スーパーのトイレを借りてホッとして店を出ようとしたら、レジ近くに、あきたこまちの新米の袋が積み上げられてるではありませんか!トイレのことで頭一杯、お米のことは全く頭になかったのに、目の前にお米!無事2キロをゲットしました!これを“無欲の勝利“と言わずして何と言いましょう!(笑)
お米の話はともかく…。先週は台風10号に振り回された1週間でしたが、台風が去って東京は最高気温が30℃を下回る日もあり、風も涼しく感じられ、秋の気配が色濃くなってきました。ここのところの日本の春と秋はとても短くて、すぐに暑くなったり、寒くなったりなので、アッという間に冬も来てしまいそう。皆様におかれましては、短い“芸術の秋”を映画館通いに費やして頂ければ、と心より願っております。
私も“芸術の秋“に突入すべく、8月31日㈯から始まった“ジョージア映画祭 2024”に早速行ってまいりました。元岩波ホールのスタッフ はらだたけひでさん(画家、絵本作家でもあります)が主宰、お一人で企画、制作していらっしゃる映画祭で、2018年、2022年に今は無き(涙)岩波ホールで開催されたのに続いて、東京渋谷のユーロスペースに会場を移しての開催、今回も30本以上の作品が上映されています。1978年に岩波ホールで公開された映画『ピロスマニ』をご覧になり“魂を奪われ“(ご本人の著書より)、以来ジョージアの文化、映画を日本に紹介し続けている、はらださんのライフワークとも言うべき映画祭です。
私が観た回は『青い山 -本当らしくない本当の話』('83)のエルダル・シェンゲラヤ監督(現在91歳で存命だそうです!)の77年作品『サマニシヴィリ家の継母』を上映。老父に持ち上がった再婚話を、“おもろうてやがて悲しき…”的に描いたドラマで、途中途中クスクス笑って気軽に観ていたのですが、ラストはほろ苦い幕切れでズッシリ来ます。今回上映される同監督の他の作品も観てみたくなりました。
上映後は、トラペ座さん(クラリネット、アコーディオン、チェロの3人編成による楽団)によるジョージア音楽の生演奏イベントがあり、オタール・イオセリアーニ監督作品に使われていた曲を始め、ジョージアの伝統的な楽曲を30分あまり、5曲も演奏、歌唱して下さいました。哀愁を帯びたメロディが心に沁みまくり、うっかりすると涙腺が緩んでしまいそう。トラペ座さんによる生演奏イベントは、もう1回。8日(日)『19世紀ジョージアの記録』16:10の回の上映終了後にもあるそうなので、超絶お薦めです!
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今回ザジで協力させて頂いたのは、テンギズ・アブラゼ監督の“祈り 三部作“の上映。上映権は既に切れているので、まだ保管していた上映用素材を提供しただけなのですが、本国では既にリマスタリングもされているそうなので、パッケージ化など、タイミングがあれば権利の再取得が出来ないかなぁ、と思っています。…が、これがなかなか容易ではなかったりします。
前述の映画祭主宰 はらださんは、500ページ近い大著「ジョージア映画全史ー自由、夢、人間」(教育評論社刊)というジョージア映画の全貌に迫る書籍を先月出版されたばかりで、少しずつ読まして頂いている最中。本を読み進めていると、現在映画祭で上映されている映画を全部観たくなってしまいます。映画祭は9月27日㈮まで。全国で順次開催されると思うので、ぜひ公式X等でチェックして下さい。
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さて。時を同じくしてイタリアでは現在第81回ヴェネチア国際映画祭が開催中、今週末金獅子賞を始め各賞の発表され閉幕します。前作が金獅子賞及び男優賞を受賞している『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』、パブロ・ラライン監督がアンジェリーナ・ジョリーを主演に迎えてマリア・カラスを描く『Maria』、ペドロ・アルモドバール監督『The room next door』、ルカ・グァダニーノ監督『Queer』等の話題作に加えて、弊社とも馴染み深いジャンニ・アメリオ監督の新作『Campo di battaglia』や、ポルノ産業の内幕を描くルカ・マリネッリ主演『Diva Futura』、『シシリアン・ゴースト・ストーリー』の監督コンビの新作で、トニー・セルヴィロ、エリオ・ジェルマーノ主演『Iddo(Sicilian Letters)』等の注目作が目白押しで、賞の行方が気になるところです。
一方、トロント国際映画祭も昨日スタートしていて、日本からも配給会社のバイヤーの方や、劇場の番組編成担当の方が多く参加されています。時期的にヴェネチア、トロント、そして8月30日から開催され、先週閉幕したコロラド州で行われるテルライド映画祭は、来年の賞レースを賑わせることになるであろう作品のお披露目の場でもあるので、今後どんな作品の名前が浮上してくるのか楽しみです。
ちなみに、こっそりお教えしますと、ひと月ほど前から“情報解禁準備中”とお伝えしえいる12月公開の配給作品は、去年のテルライド映画祭でワールドプレミアされ、トロントでも上映された作品。再来週ぐらいには、当通信でも発表出来るのではないかと思ってます。こないだ書いた通り、ビジュアルはイラストで行くことに決めていて、既にイラストレーターの方から素敵な絵のデータを納品して頂いています。こちらも、ぜひとも楽しみにしていて下さい!
texte de daisuke SHIMURA