Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【11月6日㈬~11月12日㈫】
買い付け検討のために国内外の映画祭で観たり、仕事の一環として勤務時間中に観たりする映画をカウントせず、「劇場で入場料を払って、お客さんとして月10本以上映画を観る」というのを目標に掲げて早10年くらい経ちますが、例年になく仕事が忙しいのに加えて、加齢と共に体力が落ちて来たせいかフットワークが鈍くなり(涙)、今年は目標に到達出来ない月がたびたび。年の瀬は何かと忙しいので、一気に挽回するのは難しそうです。
が、作品の存在を知ってから「これは観なくてどうする!」と思っていた『ロボット・ドリームズ』を、公開初日の11月8日早々、仕事帰りに観て来ました。私と同じように待ち望んでいた人が多かったようで、通信発表によれば初日からの3日間の興収は、全国20館での公開ながら1,100万円超え、ミニシアターランキング、ぶっちぎり1位(おそらく)の大ヒットスタートを切りました。
なるべく予備知識を入れずに観ようと思っていたので、全く知らなかったのですが、驚いたのは映画が始まってすぐ、ニューヨークのワンコのアパートに、ピエール・エテックス監督の『ヨーヨー』のポスターが貼ってあったこと。Xなどで検索すると、やはり気づいた方は多く、パブロ・ベルヘル監督来日時のQ&Aで、直接質問された方もいらっしゃって、当然監督のお気に入りの映画の1本のようです。まさかこんな形で、エテックス監督が再び注目を集めるとは思ってもいませんでした。グッドタイミングで、その『ヨーヨー』を含む“ピエール・エテックス レトロスペクティヴ“が、12月1日まで名古屋 大須シネマで開催中です。『ロボット・ドリームズ』をご覧になった名古屋地区の方、ぜひエテックス作品もご覧になって共通項を見出して頂ければ。
ちなみに、ストライクゾーンが限りなく狭いことで有名な私の『ロボット・ドリームズ』の感想は…「一途なロボットが切な過ぎた…」の一言に尽きます。ワンコ、何やってんだよ!(笑)
さて。この11月は後半にかけて、東京が主ではありますが、ザジ配給作品がそこかしこの劇場でかかります。先ずはアラン・ドロン。先週からBunkamuraル・シネマ渋谷宮下で始まったアラン・ドロン追悼特集“Adieu(さらば) アラン・ドロン”(弊社からは『若者のすべて 4Kレストア完全版』、『冒険者たち』の2作品を提供しています)の、21日までの続映が決定(終映日未定)しました。
全国順次公開中の『本日公休』も、まだまだヒット続映中。東京地区ではアップリンク吉祥寺での上映が、好評につき11月21日まで延長が決まっていて今週末15日㈮からは、函館、山形、浜松、福山、佐賀、宮崎、16日㈯からは、川崎、松山での上映が始まります。
そしていよいよ22日㈮からは、同じくル・シネマ渋谷宮下で、『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』のアンコール上映が始まります。今夏の上映を見逃した方が、かなりの数いらっしゃるはず、と信じての再上映なのですが、ル・シネマでの上映終了から2ヵ月以上経ってからの復活なので情報が行き渡るかどうか、とても心配。なので先日はネットに、メイキング映像をアップしたりして、再び盛り上げるべく頑張っております。マルコ・ベロッキオ監督を筆頭に、モーロ元首相役のファブリツィオ・ジフーニ、パオロ6世役トニ・セルヴィッロ、元首相の夫人役マルゲリータ・ブイのインタビュー映像も含まれている超貴重な映像。権利元から今頃になって「宣伝用にこんなのあるよ」と提供されたのですが、「なんで公開時に送ってくれなかったの!」と文句の一つも言いたくなる気持ちを抑えて、有難く頂戴し字幕を入れました。ぜひご覧ください。
翌23日㈯からは、同じ渋谷、宮益坂を上ってシアター・イメージフォーラム渋谷で、“In memory of Gena Rowlands イン・メモリー・オブ ジーナ・ローランズ“と題して、この8月に亡くなったジーナ・ローランズの追悼特集が1週間限定で開催されます。弊社からは『フェイシズ』、『こわれゆく女』、『オープニング・ナイト』、『ラブ・ストリームス』、ソニーピクチャーズから『グロリア』を出して頂いて、計5作品を上映します。ぜひ劇場のスクリーンでご堪能頂き、不世出の名優ジーナ・ローランズを偲んで頂ければ、と思います。
公開をひと月後に控えた今年最後の配給作『お坊さまと鉄砲』も、引き続き絶賛宣伝の仕込み中。ジワリジワリと作品の面白さが伝わり始めている感じで、媒体からのお問い合わせもちょくちょく頂いております。
そしてそして!週明けには、遂にあの(?)作品の公開決定リリースもお届け出来る予定です。無事、日本版ビジュアルのデザインも、監督たち(たち??笑)からOK頂きましたので、ビジュアルのお披露目も同時にさせて頂くつもりです。2024年末、2025年初頭も、ますます目が離せない(自己申告)ザジフィルムズに、どうぞご期待下さい!
texte de daisuke SHIMURA