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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【11月24日㈭~12月1日㈭】

ジリジリと更新が遅れてすみません!今週もイレギュラーで木曜から木曜までの8日分となりました。そうこうしているうちに師走に突入。“師”ではないのですが、明後日の日曜は3年ぶりに開催されるNAHAマラソンに参加して、師走の沖縄を駆け抜けて参ります。私にとっては今回の出走で、NAHAはちょうど20回目。加齢もあって(言い訳)タイムは下降線を辿る一方だけど、制限時間内完走を目標に楽しんで走りたいと思います。ゴールでオリオンビールが待っている!結果は来週チラッと触れられれば!

カレンダーも、もう12月分の1枚を残すのみなのでペラペラです。

さて。昨日からフランス映画祭2022横浜がスタートしました。第1回が1993年。2005年の13回まで毎年6月に横浜で開催されていましたが、2006年以降は東京に会場を移して10年あまり。そして2018年から再び横浜に戻りました。始まった当初から親しんでいた映画祭なので、私的にはやっぱり「フランス映画祭と言えば横浜」というイメージが強い。特に2000年代初頭までは、映画祭側(ユニフランスフィルム)がフランスのセールス会社と取引のある日本の配給会社に、横浜の会場周辺のホテルに1泊分、部屋を用意してくれていたので、毎年ショート・トリップ気分で出かけたものでした。皆、泊りなので遅い時間まで映画祭主催のパーティに参加したり、近くの繁華街 野毛に繰り出したり。今考えるとあれも一種の“バブル”だったのだなぁ、と懐かしく思い出します。

映画祭で映画ファンに向けて新作が上映される一方、フランス映画を日本に売り込むべく、セールス会社が日本の配給会社と商談するマーケットも2日間にわたって東京で開催されています。私も会場の渋谷のホテルに出向いて、バンケット・ホールに配された各セールス会社の担当者のテーブルを30分毎に移動しつつ、新作のプレゼンを受けてきました。3年近いコロナ禍の間、中にはオンライン・ミーティングで顔を合わせた人もいますが、実際に会うのは皆久しぶり。直接会って話すほうがやっぱり話が弾みます。

…と、言ってみたものの、英語でコミュニケーションを取るのが久しぶりなので、元々よくもまあこの英語力で30年以上この仕事をしていたものだ、と自覚している貧しい英語力の私の、その能力がさらに絶望的なレベルにまで後退しているのを実感した2日間でもありました。昨日はそんな私の不甲斐なさに、さらに追い打ちをかけるような悲しい出来事がありました…。

ミーティングとミーティングの間が空いていたので、セルフサービスのドリンク・コーナーでコーヒーを飲んでぼんやりしていたら、本国のユニフランスのスタッフが、取材に来ていたフランス人男性を紹介してくれました。
「日本におけるフランス映画ビジネスについて、2、3質問させてもらっても良いか?」と聞いてきたので、「どうぞ」と気軽に応えました。そしたらその彼は大きなバッグから機材を取り出し、私にインカムっていうんでしょうか?マイクをつけ、本格的な準備を始めたのでした。そしてカメラを構えて私に向けます。え?何?撮影するの?怪しい英語で適当にやり過ごすつもりだったのに、あれよあれよという間にセッティングされて、完全に断るタイミングを逸してしまいました。

Unifrance 公式サイトより借りてきた画像です。

バンケット・ルームの隅でインタビューは始まりました。まず「自己紹介を」と促され、これはまあ何とかクリア。しかし次が「バイヤーとして映画を選ぶ基準を教えて」みたいな質問。もうこうなってくると、頭の中は半パニック状態。えっと、えっと、えっと…。私の英語力では即座に変換することが不可能な、極めて抽象的な日本語表現が頭に浮かび、フガフガ言うだけで、何を言っているのか自分でも分からないのに、人に分かるはずもなく…。この辺りでインタビュアーの男性は私の英語力のなさを理解した模様。いきなり「じゃ、どんなフランス人監督の映画が日本では人気があるの?」みたいな答えやすい質問に切り替えてくれたのでした。しかし、既に緊張で頭が真っ白になってしまっていた私は、そんな一般的な質問にもまともに答えられません。「レオス・カラックス…」、そして何故か次に頭に浮かんだのは「ギョーム・ブラック」。あと「クレール・ドゥニ…」。アラン・ギロディの名前も一瞬頭に浮かびましたが、さすがに口にはしませんでした。誤情報、撒き散らしまくり(笑)。

そして最後の質問は「あなたにとってフランス映画とは?」。そんなの、前の晩に宿題で出されてたとしても、そうそう答えられるものではありません。そこで私はお願いしました。「カメラを止めてください」。インタビューの時間は、おそらくわずか5分ほどだったと思いますが、私は数十分にも感じクタクタでした。

もう今さらなんですが、ちゃんと英語やっとけばよかったな、とあらためて痛感。ミーティングを終えて会場を後にする際、インタビューしてくれた男性がいたので、きっちり伝えておきました。「さっきのインタビューは使わない下さい」。やさしい彼は「もちろん」とは言わず(言いたかったに違いない)、「OK」とだけ答えてくれたのでした。アレ、使えるワケないのは私が一番良く分かってます。

texte de Daisuke SHIMURA


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