Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【1月17日㈬~1月23日㈫】
いよいよ明日1月26日㈮より、Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下で『ノスタルジア 4K修復版』が公開されます。トップに貼った画像は、刷り上がって来たパンフレット。楽譜みたいで素敵 ♡(自画自賛)うちの旧作のレトロスペクティヴのパンフに倣って、お手に取りやすい小さめのA5サイズです。執筆陣は、映画評論家 須藤健太郎さん、ロシア文学者 沼野恭子さん、映像作家 小森はるかさん、Cinefil DVDの 山下泰司さん。全52ページ。劇場でチェックしてみて下さい!尚、公開週末1月27日㈯の初回10:20の回 上映後には沼野さん、28日(日) 19:00の回 上映後には須藤さんにご登壇頂き、作品の魅力を語って頂くことになっています。この週末観に行こう、と計画中だった方、スケジュールが合えばぜひ!
今週は日本時間23日の夜、第96回アカデミー賞のノミネーションが発表になりました。このタイミングで3月29日の初日が発表になった『オッペンハイマー』が最多13部門、続いてヨルゴス・ランティモス監督の『哀れなるものたち』が11部門、スコセッシ監督の『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』の10部門が続きます。今年も(笑)うちの会社の作品が名を連ねることはありませんでしたが、実は国際長編映画賞部門のショートリスト15本の中に、配給予定の作品が含まれていたことは、こっそりお伝えしておきたいと思います。
国際長編映画賞にノミネートされた5作品は、『PERFECT DAYS』(日本)、『関心領域』(イギリス)、『雪山の絆』(スペイン)辺りまではほぼ下馬評通りと言えますが、残り2枠は『ポトフ 美食家と料理人』(フランス)、『枯れ葉』(フィンランド)が漏れて、『Teacher's Lounge』(ドイツ)と『Io Capitano』(イタリア)が入りました。この2作品もベルリン、ヴェネチアを始め、様々な映画祭での受賞歴があるので、予想外の選出とは言えないのですが、うちの配給作もイイ線まで行ってたと思うので残念です。ちなみに『Teacher’s~』の日本公開はすでに決まっていて、間もなく情報が伝わってくるはず。
一方の『Io Capitano』は、ノミネート発表の翌朝、権利元から「あなた、気に入ってる、って言ってたよね?日本向けの権利、まだ空いてるけど?」というメールが、パリのセールス担当者から入っていたので(メールを送って来たのは日本の朝方なので、パリは真夜中。働き者!)、日本の配給は決まっていない様子です。去年のヴェネチア国際映画祭の時期に東京で行われたバイヤー向け試写で観て、「個人的には好きな映画」と感想は伝えていましたが、「うちで配給する自信は…」と、ゴニョゴニョ言って、既にやんわりお断り済みだったのですが、“やんわり”は日本的過ぎてダメですね。断るときはハッキリ「Not for me」とお断りしないと!これを機に配給決まって欲しいです。ちなみに今回選に漏れてしまったうちの配給作は、早くて夏頃(遅っ!)情報解禁の予定。気長にお待ち下さい。
今週はトピックスがもう一つ。2月15日から開催される第74回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門20作品のLINE UPも発表になりました。ザッと目を通して、すぐにピンとくる監督はベルリンの常連ホン・サンス(「A Traveler's Needs」)、オリビエ・アサイヤス(「Hors du Temps」)、ブルーノ・デュモン(「L’Empire」)、『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』のアンドレアス・ドレーゼン(「From Hilda, with love」)、2019年のカンヌ審査員グランプリ受賞作「アトランティックス」のマティ・ディオップ(「Dohomey」)ぐらいで、地味と言えば地味な顔ぶれなのですが、細かく調べていくと、「あぁ、あの映画の監督の新作か!」というのが何本も。例えば豚のドキュメンタリー『GUNDA / グンダ』の監督の新作(「Architection])や、『白い牛のバラッド』の監督の新作(「Keyke mahboobe man」)、オーストリアの「グッドナイト・マミー」の監督の新作(「The Devil’s Bath」)、デンマークの『ギルティ』の監督の新作(「Sons])、2015年のアカデミー賞外国語映画賞候補になった『禁じられた歌声』の監督の新作(「Black Tea」)もありました。
カンヌ国際映画祭のコンペのような派手な顔ぶれでない分、ほとんどの作品の日本向け権利がまだ空いている(と思われる)ので、現地で試写のしがいもあろうというものですが、果たしてこの中から日本のマーケット向きの作品が現れるかどうか…。来月、現地からも情報をお届け出来れば、と思っております。
それにしても個々の作品を調べる作業は大変(それが仕事だろ!という話もありますが…)。以前、各国映画祭の出品作や映画賞の受賞作を細かく紹介してくれるサイトがあったのですが(“海からはじまる”というHP、覚えていらっしゃるシネフィルの方も多いと思います)2020年頃に更新がストップしてしまいました。いつも大変お世話になっていました。今さらですが、この場を借りて運営されていた方(一体どなただったのだろう…?)に御礼を申し上げます。今は、一日も早く某Y氏がnoteで作品の概要をまとめてくれるのを待っています(笑)。なんて他力本願な私…。
texte de daisuke SHIMURA
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