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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【9月20日㈬~9月26日㈫】

『オオカミの家』まみれだった日々が、公開6週目に入ってようやく落ち着きを見せ始めてきました。増刷に次ぐ増刷だったパンフレットも、そろそろ売れる部数の上限も予想出来るようになってきて、週末恒例になっていた袋詰めの内職(『オオカミの家』パンフに、短編『骨』の解説付きミニポスターが付いているので、それをセットにしてビニールに詰める作業を社員総出でやっています)も、今週末はやらなくて済むかも…という感じ。

ですが、その後も公開劇場館数はジワジワと増え続けて、これから発表になる劇場を含めると既に全国60館以上でブッキング。今週末からは東京地区での公開館が増え、29日からシネ・リーブル池袋で上映が始まります。他に29日には別府ブルーバード劇場小山シネマロブレ、30日からは横浜シネマリンシネマ尾道でも公開になります。まだまだ続く『オオカミ』旋風。お近くにお住まいの皆様、ぜひご覧下さい!

どこを切り取っても不穏な『オオカミの家』の一場面なのでした。

11月10日㈯公開の『蟻の王』の仕込みも着々と進めつつ(トップ画像、『オオカミ』が続いたので、今週は『蟻の王』にしてみました。法廷に立つアルドの図です)、今週は12月23日㈯から公開になるザジ・クラシック・レトロスペクティヴ・シリーズ第何弾目?かの(そんなシリーズがあるのか?)ビジュアル制作も進めています。こちらの情報解禁は10月に入ってからなので、まだ詳細が書けないのですが、デザイナーさんから上がってきたラフが、これまたチョーカッチョ良くて、早く皆様にお見せしたくて仕方ありません。『オオカミの家』のヒットで気が大きくなっているので(笑)、今回はポスターに特色(金とか銀とか)を使ってしまおうかと計画中(チラシも特色使うと予算がかさむので、チラシは通常の4Cで。ケチ)。再来週辺りの当通信でお披露目出来るのではないかと思います。どうぞお楽しみに!

さて。話は変わりますが、昨日は第36回東京国際映画祭の詳細が発表になりました。コンペティション部門、ワールドフォーカス部門、アジアの未来部門の各部門、邦画や既に配給が決まっている何本かを除く、かなりの本数の作品がバイヤーとしての買い付け検討の対象作品になるワケですが、今年も会期中に一般上映とは別にプレス&インダストリー(バイヤー)向けの試写が行われます。

以前も当通信で書きましたが、5年ほど前まではこの試写が事前予約制だったり、会場となっていたシネコンのスクリーンが小さかったため、人気作品は満席になってしまったり、と、いろいろ困難さを伴っていたのですが、ここ数年は試写会場となる劇場のキャパが大きくなり、映画祭に事前登録さえしていて、入場の際にパスを提示さえすれば、開映間際に行ってもすんなり観れるようになりました。個人的には5年ほど前までは、11月初旬にアメリカ・サンタモニカで行われていたAmerican Film Market(通称AFM)に毎年参加していたため、その直前に行われている東京国際は出張準備に忙しくて、ほぼノーチェックでしたが、AFMに行かなくなったのと、試写の席を確保しやすくなったのもあって、ここ数年はプレス&インダストリー試写に割と真面目に通っています。

大阪アジアン映画祭イタリア映画祭ドイツ映画祭、と最近は国内で開催されている映画祭で出会って配給を決めている作品(イタリア、ドイツの作品は来年公開予定です)が増えてきているザジですが、前述のような理由で東京国際映画祭とはあまり縁がありませんでした。出品作で絡んだのは、2005年の映画祭のコンペで「女たちとの会話」というタイトルで上映された『カンバセーションズ』(松竹配給)の宣伝を請け負ったのと、2010年の、当時あったNatural TIFF部門で、半年後の劇場公開が決まっていたイタリア映画『四つのいのち』を上映して頂いたことがあるぐらいです.。

ミケランジェロ・フランマルティーノ監督『四つのいのち』

昨日発表になった各部門のLINE UPにざっと目を通してみましたが、観てみたい作品がいっぱい。試写スケジュールはこれからの発表となりますが、じっくり計画を立てて可能な限り観に行きたいと思っています。去年のグランプリ受賞作「ザ・ビースト」(邦題『理想郷』で11月3日公開)は映画祭時観そびれていたので、公開されたら観に行こうと思います。今年は注目作、重要作、見逃さないようにしないと!!

でも実は今年の出品作で一番観たいのは、ガラ・セレクションで上映されるアンドリュー・ヘイ監督(『さざなみ』)の『異人たち』だったりします(日本は来春公開。サーチライト・ピクチャーズ作品なので、ディズニー配給ですね)。何せ原作は山田太一の『異人たちとの夏』!大林版宣彦版で風間杜夫が演じた主人公の役がアンドリュー・スコット。片岡鶴太郎と秋吉久美子が演じた、死んだはずの両親をジェイミー・ベルとクレア・フォイ。そして、もしかして名取裕子が演じた謎の隣人役をポール・メスカル?ポール・メスカルが最後にグルグルまわっちゃうことはないと思いますが、こりゃヤバ過ぎ!

texte de daisuke SHIMURA


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