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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【11月17日㈬~11月23日㈫】

先週末20日の土曜日は、湘南新宿ライン、水戸線を乗り継いで茨城まで、年に一度の友人の墓参りに行ってきました。会社を立ち上げるきっかけを作ってくれたH君については、ザジフィルムズ30年の歴史を振り返るHistoire De Zazie Filmsにも書かせていただきましたし、先日オンラインで配信されたイメージフォーラムさんの“配給さん、いらっしゃい”でも、触れさせてもらいました。早いもので、亡くなってからもう24年近く経ちます。

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※秋晴れのお墓参り日和。お寺の木々も色づき始めておりました。

トップに貼った画像、どなたの許諾も得ていないので全部ぼかしてしまいましたが、カンヌの街角で撮った一枚。向かって一番右がH君。その隣が私。右下の日付は92年5月8日とありますので、私はザジとして参加する3度目、H君は某大手配給に勤めて4度目か5度目のカンヌ映画祭参加の時。オシャレで有名だったH君、夜でもサングラスかけてます(笑)。

出会いは小学校1年生の時に遡るので、もう53年ほども前のこと。小学校では2年毎のクラス替えだったのですが、彼とは1、2年と5、6年で同じクラスでした。きっかけは『ペーパー・ムーン』('73)。小学校6年の時、既に映画好きになっていた私は、下敷き(中に切り抜きなどを入れられるクリアファイルみたいな物)に『ペーパー・ムーン』のチラシを挟んでいました。それを見たH君が、私に競うように『エクソシスト』('73)のチラシを入れてきたのでした。それからはいろいろな映画のチラシを自慢し合うようになり、それが高じて学校が終わると、一緒に横浜から電車で多摩川を渡り、銀座界隈の映画配給会社を巡ってチラシをもらいに通うようになったのでした。

中学になるとチラシ集めだけでは飽き足らなくなり、一般向けの試写会に通い始めます。ネットなどなかった時代なので、週刊誌の試写会招待欄や、ラジオ番組のプレゼントコーナーにせっせと官製はがきを送って応募します。当選確率が高かったのは、FM東京で放送されていた小森のおばちゃまがパーソナリティをやっていた「ナカウラ・スクリーン・ミュージック」。あと、中坊の男子にはまったく無関係の女性ファッション誌「MCシスター」も(立ち読みしてメモを取る、という方法で応募し)良く当たりました。マンガ雑誌「少年チャンピオン」の試写会招待は、たまに日付が迫っている試写会に対処するためか“先着順”の場合があり、その際は当時の料金はいくらだったのか、奮発して速達でハガキを送ると百発百中当選、という裏ワザを編み出しました。

77年3月公開の『キャリー』('76)は、私の初見は銀座のヤマハホールでの試写会。同日にすぐそばのガスホールで行われる『パニック・イン・スタジアム』('76)の試写会にも両方ともペアで当たっていた2人は、手分けして1人ずつで観に行くことにし、道中の京浜東北線の中でジャンケンをして、どっちがどっちを観るか決めました。2人とも『キャリー』が観たかったので喧嘩になりそうになったのを覚えています。2人で『キャリー』を観に行けばいいものを、とお思いでしょうが、当選した試写を観に行かないと、その同じ媒体での当選確率が下がる、と考えていたのだと思います。健気です…。

そんな少年時代を一緒に過ごしたH君と「映画会社を作ろう」という話になった経緯は前述のHistoire De Zazie Filmsで書いたので、ご興味おありの方は(いるのか?)ご一読ください。こちらの写真は、Histoire De Zazie Filmsにも貼った、私が机に飾っている1枚。

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トップ画像のカンヌの1年後でしょうか。ルーブル美術館の近くで撮ったものかな。クラシックのライブラリー作品の掘り起こしを目的に、パリの映画会社を1社、1社回る、という出張の時だったと思います。H君は別件の仕事でパリに来ていて、同じ宿に泊まっている私に、具体的なアドバイスをいろいろくれていたのですが、語学力も、交渉力も、情報収集力も、何段も上の彼なので、そのアドバイスがスパルタ以外のナニモノでもなく。各々食事を終えてホテルに戻って来てから始まり、毎夜遅くまで絞られました。なので、この写真の私は寝不足でヘロヘロな顔をしています。

今も何か仕事でトラブルが発生した時は、「H君だったらどうするかな?」と真っ先に考えたりします。あのスパルタを乗り越えて、今の私がある、と言っても決して言い過ぎではありません。24年近く経った今も、忘れた頃に夢に出てくるH君。まだまだザジの行く末が心配なのでしょうか。天国でゆっくりしててもらえるよう、頑張らないと。…と思っているうちに、そろそろ私がそっちに行っちゃうかも(笑)。

texte de daisuke SHIMURA



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