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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【10月16日㈬~10月22日㈫】

只今シャルルドゴール空港で羽田行きの便の搭乗開始を待っているところ。リヨン4泊、パリ2泊、カンヌ3泊の全行程を終了して、やっと日本に帰ります。先週の当通信はリュミエールでカール・テオドア・ドライヤーの『吸血鬼』のオーケストラ生演奏付き上映を観に行ったところ(爆睡!)までだったので、それ以降の1週間を振り返ってみます。

18日金曜日午前、TGVでパリに移動。リヨンからパリは1時間50分ほどなのでアッという間。13時過ぎにパリリヨン駅に到着し、メトロを乗り継いでオペラ座近くの予約しといたホテルへ。いつも泊まっていたマドレーヌ寺院近くのホテルが値上がりして許容範囲を超えたので、ネットで探した初めてのホテル。何の変哲もない古い三つ星ですが、バスタブもミニ冷蔵庫もセキュリティボックスもちゃんとあり、部屋は狭いながらとても機能的。ロケーション抜群だし、フロントのおじさんも感じ良し。次回もここにしようかな。

パリ メトロ オペラ座駅。ホテルは徒歩3分の好立地でした。

チェックインして荷物を解いてからすぐに、ピラミッド駅近くの「ラーメン ひぐま」に直行。いつもは炒飯+餃子ですが、5時間後の夕飯までにお腹を空かせておきたいので、カレーライス(11€)。あぁ、ホッとする(笑)。

ランチをサクッと済ませてから、モンマルトルのオフィスを訪ねて1件ミーティング。去年11月に亡くなった女性プロデューサーの会社(たけしを世界マーケットに送り出したやり手な方でした)。あるじを失ったオフィスはやっぱり寂しいなぁ…としんみりしつつ、新規の担当者を紹介してもらいました。あるじを失ったオフィス…で思い出したのは、アニエス・ヴァルダ監督のCINE TAMARIS。今回パリに2泊もするのに、ヴァルダ監督のお墓参りを予定に入れていなかったことに思い至りました。そう言えばジャック・ドゥミ監督の命日も近かったはず…と調べたら、10月27日でした。来年は忘れずに寄らして頂かなくちゃ。

18時からはパリ在住の友人と北マレ(ちょっとしゃらくさいオシャレエリア)にあるカフェでお茶して1年ぶりに旧交を温めた後は、20時からこちらは5年ぶりの友人とご飯。ロワール地方に住んでいるのに、わざわざ私に会いにパリまで出てきてくれて、流行りのギリシャ料理レストランに連れてってくれました。食後は店を変えてもう一杯。パリの夜は更けゆく…。

ヴァンセンヌの森。時間に余裕のある時に訪れましょう(笑)。

翌土曜は(悪天候もあり)リヨンで一度も走れなかったので、パリ朝ラン。オペラからリヴォリ通りに出てバスチーユ広場を抜けてヴァンセンヌの森を目指します。パリに来る度に走り慣れたコースのはずが、再開発で様変わりしているエリアがあり、前の通りに進めなくなってる箇所が…。森はこっちかな?あっちかな?とウロウロして、やっとヴァンセンヌの森に辿り着きました。が、森は広大。全体像を把握してないまま、いつもと違うルートから入ったものだから、森の中で完全に迷って、「ここはどこ?」状態。ランチの約束から逆算して、そろそろホテルに戻らないとヤバいのに、知った景色が現れません。ならば、とりあえず森を出て市街地を目指せば、今いる位置も分かるはず…と走っていたら、木々の間から車の往来が見えた!助かった!朝っぱらから、『ブレアウィッチ・プロジェクト』気分を味わってしまいました。

メトロの駅に行き当たって無事ホテルに戻り(現金持ってて良かった!)シャワーを浴びてから、待ち合わせの東駅へ。リヨン滞在中に「私は今パリです」とDMをくれた業界をセミリタイアしている友人と、急遽ランチをすることに。『アメリ』にも出てくるサンマルタン運河沿いのガレットの店(東京にも出店しているそう)を予約しといてくれました。シードルで乾杯してよもやま話。土曜の昼は独りかな、と思っていたので有り難かったです。

夜の会食までは、買い物をちょっとだけ。このユーロ高なので服には気軽に手が出せませんが、毎年使っているスケジュール帳の2025年版を新調。でも30ユーロって…。手帳が5000円超え(@_@)

夜の会食はパリ在住の別の友人と、会社を休職して、何とか言う聞いたことのない田舎町(失礼!)に留学中の友人がパリに出てきてくれてイタリアン。2泊3日の滞在に会食を詰め込み過ぎ、と言う話もありますが、次はいつになるか分からないので、ちょっと無理してスケジュールを立てておいて良かったです。本当は職業柄、ポンピドゥーセンターで開催中のアビチャッポンのエキジビションや、ジュ・ド・ポームで行われているシャンタル・アケルマン展に行ったりしてレポートしたほうが、当通信を読んで下さってる皆さんには有益なのでしょうが…。私がパリで誰と何を食おうがどうでも良いのですが、今週は番外編ってことでご容赦。

TGVのカフェ車両にて。画像は快適な旅っぽいですが、ストールは座りにくい。

そして翌朝、今回の旅、最大の危機が訪れました。私のカンヌ行きのTGVは10時10分パリリヨン駅発。日曜の朝だし、道は空いてるだろうから、とホテルを出る時間を多少ゆっくり目(それでも30分前には着けるであろう時間)に設定したのが災いしたのでしょうか?いえ!Uberのせい!なかなか配車が決まらず、やっと決まったと思ったら「10分待ち」。余裕はあるので待つことにして「あと1分」となったところで、アプリのほうで勝手にキャンセルされてしまいました。で、また勝手に新たな配車が決まり、また「10分待ち」。さすがに焦ってきたので、流しのタクシーが捕まらずハラハラしたくないし、重いスーツケースを携えての移動はしんどいの承知の上で(1回乗り換えも)、メトロでリヨン駅に向かうことにしました。

心の中で「焦るな焦るな」と言い聞かせつつ路線図を確認しながら、TGV発車の10分前にはリヨン駅に到着出来ました。が、後から考えればここで油断したのがまずかった。5時間の長旅なのでキヨスクでサンドイッチや飲み物を買ってから、発車3分前に改札を通過。「私の予約してるのは3号車3号車…」と番号を確認しつつ進んでいたら、ホームに仁王立ちした駅員に「もう発車だから、このコーチに乗れ」と、手前の車両に強制乗車させられてしましました。仕方ない。まあ車内を進んで3号車まで行けばいいや、という考えは甘かった。3号車までは繋がってないことが判明。だったら次の停車駅で移ればいいやという考えもまたまた甘かった。次のマルセイユまでは3時間(*_*)。

ヘタヘタと連結部分のトイレの前に座り込んでいたら、通りがかったおばさんが「そんなところに座ってるなら、カフェ車両のストールのほうがまだましよ」(フランス語だったので推測です。笑)とアドバイスしてくれて、カフェ車両のストールで3時間を過ごしたのでありました…

と、どうでも良いことを書き綴っていたら長文になって、カンヌでの3日間まで話が進みませんでした。求めている方がいらっしゃれば(いるのか?)続きは次週…。

texte de daisuke SHIMURA




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