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キャンプ場サイトの今後を考えてみる

ここ数週間、放置されたキャンプ場や遊休地がないか日光と鳥取を訪問していました。いくつか放置されているキャンプ場はあるのですが、個人所有のもの、市の管理下に一応あるもの、とどちらもすぐに管理業者として入れるものではなく、一筋縄ではいかない状況でした。が、つい昨日鳥取の岩美町という海辺の街で土地が見つかるかもしれないという連絡を受けて、地道な活動に光がみえかけてきました。。

さて、今回はキャンプ場の探し方について。いま、キャンプに行きたいと思ったらどうやってキャンプ場を探しますか。行きたいエリアが決まっている場合、場所+キャンプ場 といった検索ワードで探すか、キャンプ場検索サイトから探すか、どちらかが一般的な方法でしょう。キャンプ場検索サイトの大手は「なっぷ」と「キャンプ場ドットコム」です。前者はスペースキーという会社が運営しており、この会社は他にもCAMPHACK というアウトドアメディアも運営しています。後者は意外にもアウトドア用品製造メーカーのLOGOS が運営してたりします。

2017年2月28日現在でなっぷの掲載件数が3587件に対してキャンプ場ドットコムは197件なので、DBサイトとしては事実上なっぷの独壇場ですね。ちなみに日本オートキャンプ協会が把握しているオートキャンプ場が1288箇所なので、なっぷは全国の主要キャンプ場をほぼ網羅していると思われます。

上記2つのサイトを使ってみたことがある人であれば、色々と感じるところがあるのではないでしょうか。キャンプ場の一番の課題はインターネットに対応することです。今更!と思うかもしれませんが、未だに電話予約しか受け付けていないキャンプ場は多くあります。なっぷの全国キャンプ場ランキングを見ると上位100位まではネット予約OKアイコンが付いていて、流石に人気のある施設は顧客満足度の向上に努めてるな、と感じますが、出来てる施設とまだまだな施設で完全に2極化しているのが現在のキャンプ業界の実情のようです。

これを改善するには、サイト運営事業者からの働きかけも多少効果があるかもしれませんが、基本的にはキャンプ場運営者側の経営努力次第なんですよね。もっと本気で運営する管理業者が増えてくることがキャンプというアクティビティを盛り上げていく為に必要不可欠で、そのあたりを改善するためにスノーピークも子会社を設立してキャンプ場のテコ入れに動き始めているという話を別の記事で書きました。

では今後キャンプ場サイトというのはどのように発達していくでしょうか。キャンプ人口も数年前から増加を続けており、グランピングブームも拍車をかけてまだまだ盛り上がりは継続していくと思われます。ある筋の情報によると、ホテル予約サイトのBooking.com がキャンプ場のリスティングを準備しているという話もあります。訪日外国人のキャンプ需要も近年高まっているので、そこに対応していくとなると、政府は2020年までにインバウンド数4000万人の目標を掲げて観光に力を入れていますが、キャンプ市場も同様に観光の一分野としてインバウンドゲストの増加が見込まれます。

2015年のキャンプ人口は810万人でした。16年はグランピングブームでアウトドアアクティビティに脚光が当たった年であり、インバウンド数が2000万人を超えた年でもありますので、早晩キャンプ人口は1000万人を超えてくると予想します。となると確実に言えるのは検索サイトの細分化と多言語化です。現在のなっぷ一強ではユーザーの細かなニーズに応えることができません。住まう・滞在する、という意味で類似性のある不動産とホテル予約サイトの状況を考えてみてください。

HOME’S, アットホーム、SUUMO など豊富な物件数から検索できるものもあれば、三井の賃貸、KENRENT といった高級マンション特化型、R不動産のようなオシャレ物件特化型など利用者のニーズ毎に差別化されたサービスが用意されています。ホテル予約サイト(OTA)も同様で、横断的に網羅しているじゃらん、楽天トラベル、高級志向の一休、relux と利用者の嗜好にあわせて細分化したバーティカルサイトが存在しています。

キャンプ場を含めたアウトドア分野のweb展開はまだまだ成長の余地が多く残されていると思います。

Medium でも書いた記事の転載です。


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