[アイデア論]君は先月、何本のプログラミング作品を見ましたか?
「アイデアが思いつきません」
このような相談を受けることがあります。相談者に「先月、何本のプログラミング作品を見ましたか?」と聞くと、大抵「全く見てません……」と言います。どんなプログラミング作品があるのか知らなければ、新しい作品を作れるわけがありません。これは漢字ドリルをやってないのに「漢字が読めない」と悩んでいるようなものです。
あなたの頭の中は自分が思っている以上に空っぽです。空から何かを生み出そうとしても、無駄です。何もないのですから。まずは既存のアイデアを詰め込んでいく必要があります。
そこでオススメなのがProtoPedia
ProtoPediaはプログラミング作品を投稿するサイトです。「スマホアプリ・VR・電子工作・IoT・デザイン・アート・DIY」など様々なジャンルの作品が集まっています。コンテストやイベントの応募にも使われているので、作品を発表する場を探すにも最適です。
アイデアを吸収するときにやるべきこと3選
ProtoPediaを眺めていてもアイデアを吸収できますが、そこで吸収できるのは表層の部分でしかありません。この章では、アイデアを深く吸収するコツを3つ紹介します。
①好き嫌いに分ける
作品を見たときに、この作品が好きか嫌いかに分けてみてください。そうすると自ずと「自分はこういう作品が好きなんだ」ということに気づきます。そのあと「なぜこの作品が好き(嫌い)なのか?」を考えてみてください。
最初は「VRが好き」、「電子工作が好き」と漠然と自分の好みを認識しますが、「なぜ?」を問いかけることで「VRで超人みたいな体験できるのが好き」や「なにかを光らせる作品が好き」と具体的な好みに気づくことができます。
そこまでいけば「VRで超人スポーツというジャンルがある!それを作ってみよう!」や「光らせるのにLEDの制御はどうすればいいんだろう?調べてみよう!」と次の行動が明確になります。
②応用したアイデアを考える
作品を見たときに「面白かった〜」だけで終わらせてはいけません。「自分ならこの作品をどう応用するかな?」と考える必要があります。僕の作品「おっぱいキーボード」を例に説明します。
この作品をつくったきっかけは、僕が「つくろか!3」に参加したときにある高専生の作品です。彼は「レポートを書くのがめんどくさい」ということから、「タイピングすると自動でレポートが記述されるキーボード」というものを展示していました。それを見て「これは何かに使えるぞ」と僕は考えました。
と、一つの作品をきっかけに自分ならどうアレンジするか考えて作ったのが「おっぱいキーボード」なのです。
今では僕は作品を見たときに「これ応用できるぞ」と気付けるようになりましたが、最初はそんなことはありませんでした。最初の頃は「こんな作品があるのか。じゃあ、これをアレンジした作品を10個考えよう」と意識しながらアイデアノートに書き込んでいました。最初は10個は厳しいかもしれませんが、まずは1作品に1つアレンジ案を考えていき、それを3つ5つ10つと増やしていきましょう。
③既存アイデアを作ってみる
信じがたい事実を教えましょう。プログラミング作品のアイデアはプログラミングしているときに一番思いつきます。何も手を動かさずに頭の中で「う〜ん」と考えているとき、それは考えたつもりになっているだけで何も生み出せません。
でも、アイデアが生まれていないのに、アイデアを出すために作品を作るのは矛盾しているように感じます。なら、他人の作品をそのまま作っちゃいましょう。ProtoPediaを見て、面白いなと思った作品を自分で実装してみるのです。
そうすると「あれ?この実装を応用すれば面白いもの作れるぞ」と頭が働いて、アイデアが思いていきます。また、そのときに思いつかなかったとしても、技術が身に付きますし、自分が作れるもの幅が広がっていきます。
アイデアを考えたければまずは手を動かしましょう。
さいごに
今回は「アイデアが出ない」という人は、既存の作品を知るというスタート地点に立っていないということを話していきました。以下の記事にもっと詳しくアイデアの出し方について書いてありますので、ぜひご一読ください。
備考
こちらはProtoPedia Advent Calendar 2024の9日目の記事です。