英雄伝説閃の軌跡Ⅱクリアレビュー

はじめに

「英雄伝説　閃の軌跡Ⅱ改」（以下「閃の軌跡Ⅱ改」と表記する）をクリアした。ここでレビューをしたいと思う。

「閃の軌跡Ⅱ改」は日本ファルコムが開発した「閃の奇跡Ⅱ」に倍速モードなどを加えて、2018年4月26日に発売したソフトである。筆者は、PS4版をクリアした。

軌跡シリーズは、2000年代に展開を開始したゲームである。閃の軌跡の他にも、零の軌跡や空の軌跡がある。筆者は、閃の軌跡Ⅰで軌跡シリーズ初プレイであり、他の作品は未プレイである。以下に、筆者のYouTubeLiveのリストを記しておく。

以下、ネタバレを含むので留意してほしい。

【20200531開始】英雄伝説　閃の軌跡Ⅱ改

レビュー

閃の軌跡Ⅰからいえることだが、キャラクター、ストーリー、サウンド、バトルシステムがよい。

キャラクターはⅦ組だけで11人いる。とはいえ、序盤は、主人公のリィンが、仲間たちと離ればなれになってしまっているため、限られたキャラクターしか使えない。その代わり、シャロン、トヴァル、クレアといった、閃の軌跡Ⅰのときにプレイアブルではなかったキャラクターを使うことができるのが面白いところである。中には「え、あなた、戦えるの？」というキャラクターもいるので面白い。ラスボス戦では、もっと多くのキャラクターを選ぶことができる。

ストーリーについては、閃の軌跡Ⅰのときよりもテンポが良いと感じた。閃の軌跡Ⅰでは、自由行動日でキャラクターたちと会話しストーリーを進め、旧校舎を探索しボスを倒し、特別実習となりダンジョン探索や戦闘を楽しむ、というルーティンを繰り返すものであった。そのため、ややワンパターンなテンポであった。しかも、旧校舎のマップの風景は、物語が進んでもあまり変わらないというものであった。

閃の軌跡Ⅱも、ややワンパターンなテンポであるものの、マップに変わり映えがあったり、ストーリーの流れも少し違いがみられた。RPGの王道である、”ダンジョン探索をしてボス戦に挑み、ストーリーを進める”という流れについて、本作は、閃の軌跡Ⅰよりも、少し流れが早くなっていると感じることができた。

ただし、ストーリーについて、終盤、エンディングがあり、終わったのかと思ったらダンジョンがあったりして、少し、引き伸ばした感じが見えてしまったことは、否めない。この引き伸ばした感については、「クロウとの対決」と「Ⅶ組の結末」という2つのテーマがある以上、仕方のないことにも思える。だが、「まだあるのか」と正直思ってしまった。ポーズ機能がなかったり、そもそもプレイスキルが乏しかったりもするが、134時間ほどクリアまでにかかった。

サウンドについては、さすがのファルコムといったところである。「閃光の行方」や「I'll remember you」は何度も聞きたくなる曲である。BGMも、この曲を少しアレンジしたものが使われていた（と思う＝聞き間違いかもしれない）。

バトルについてはすごく印象に残っている。基本的なバトルシステムは閃の軌跡Ⅰと同様であるが、今回は、「オーバーライズシステム」が追加されている。なかなか文字では説明し難いが、これを仲間と二人で使うと、味方、敵の行動順にかかわらず、自分たちの行動を連続三回行うことができる。さらに、HP、EP、CPも回復することができる。このシステムを使うシチュエーションは以下の4つになっていた。

1.経験値ボーナスがつくため、それを手に入れたい時
2.HP、EP、CPをアイテムやアーツを使わずに回復したい時
3.敵に有利なATボーナスがついてしまいそうになった時に、強制的に割り込み、自分に有利なATボーナスをつけたい時
4.もう少しで敵が倒せそうな時に、アーツが強いキャラクターでアーツ攻撃を連発し、勝利したい時

1については、レベルを挙げる必要がある序盤に使用することが多かった。2、3、4は、開始からエンディングまで考える必要があるが、特に、戦略が求められる終盤のボス戦で使いどころを考える必要がある。また、このシステムは、オーバーライズゲージというものを戦闘でためて使う。ゲージは2個貯められるので、どこのタイミングで使うかというのも悩みどころであった。だが、その「悩み」も戦略を立てる際の「楽しみ」にかわっていった。

”改”ならではの機能である「ハイスピードモード」という名の倍速モードでゲームを速く進めることができる。これに関しては、ボス戦に負けてしまい、装備等の組み換えのため、セーブしたところからやり直し、再度、同じストーリーを見なければいけない時に便利である。欲を言えば、最近のゲームは、ムービースキップ機能があるのでこれを実装してほしいところである。

得点

部分点：各10点満点

・グラフィック:7点
・キャラクター:10点
・ストーリー：9点
・世界観：9点
・サウンド：10点
・バトルやその他の操作性：8点

総合点（100点満点）:89点