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天空のオアシスへGOKYO LAKE〜Day6〜

合法的な二度寝

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早朝に横で寝ている大田原さんが起きてガサガサと準備をしていることに気がつき目が覚めた。

そのまま宿の共用スペースでパンとスープの軽い朝食を取った。

大田原さんはそのまま近くの村まで足慣らしのハイキングに向かったが私はまだまだ眠たかったため二度寝を決め込んだ。

結局この日はAM10:00ごろまでだらだらと眠っていた。

しかしこの日に私を叩き起こす要因は一つもなく"快眠"の2文字だった。

高山病発症

起きてからしばらくして腹が痛いことに気がついた。

すかさずトイレに駆け込んで用を足すと下痢が出た。

部屋に戻り地球の歩き方の高山病のページを開いた。

そこには高山病の症状としてはっきりと”下痢”が書かれていた。

私は日本での登山中に高山病を発症したことがなかった。

日本での最高到達点は北アルプス・槍ヶ岳の標高3180m(富士山に登っていないことがここで読者にバレてしまう)であるためいつのまにか私は自身の標高未体験ゾーンに突入していたのだ。

しかし焦る事はなかった。

すぐさまカトマンズで仕入れた高山病のクスリを飲み対処した。

ここで先程の高山病のページをよく見ると、高山病でしてはいけないこととして"2度寝"と書かれていた。

そうだ、私は完全にやってしまったのである。

自身の知識不足により下痢の症状を引き起こしてしまった。

発症してしまったものは仕方ないので、これまたカトマンズで仕入れた経口補水液の粉を水に溶かし、それを飲み、回復に努めた。

しかしながら下痢が止まらない。

腹痛が止まない。

下痢でトイレに行くたびに悪いものが全て排出されていると自分に言い聞かせた。

その後2時間ほどでようやく落ち着いたため宿の共用スペースに向かった。 

スマホ依存症

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腹痛がようやく治り、私は1人で昼食を取った。

特にすることもなかったため、スマートフォンを弄っていた。

その時日本ではラグビーワールドカップで盛り上がっていることがネットニュースやSNSから感じ取ることができた。

そうだ、今の時代は体がどこにあろうが、情報を元の場所から切り離す事はほぼ不可能なのだ。

日本から5000kmも離れたこのネパールの地に体があろうとも私の精神の半分ほどは日本に取り残されている感覚があった。

すっかり私の体は情報化社会に染まり、スマートフォンなしで生きていく事はほぼ不可能になってしまった。

そんな悲しい事実を考えながらも私がYouTubeの視聴を止める事はなかった。

お姉ちゃんたち頼むよ

大田原さんがハイキングから帰ってきた。

イエティの頭皮が飾られている寺院のあるクムジュンまで行ってきたそうだ。

イエティの頭皮の写真を見せてもらったがなんとも言えなかった。

水牛やヤクの毛に見えなくもなかった。

そんな報告を受けすっかり晩ご飯の時刻になった。

私たちは共用スペースでPM6:30ごろ料理をオーダーした。

前の日まで2人いた若い女性が1人しかいない。

2人分の料理なら1人でも十分だろうと考えて料理を待っていたが一向に来ない。

すでに30分は経過していた。

45分ほど経ったところで大田原さんがスタッフにまだかと尋ねた。

するとネパール語で何か言っている。

ニュアンスではなにやら言い訳しているように聞こえた。

するともう1人のスタッフが帰ってきた。

ごめんなさい今から作るから的なことを言っているが、既に1時間経過しており大田原さんはかなり怒っている。

後10分で出てこなかったら外で食べるぞと少々強めの口調で念押ししたところでテーブルに戻り待つことにした。

結局料理が出てきたのはPM8:00ごろだ。

驚異の2時間待ちである。

2時間の食べ放題コースならばラストオーダーを迎えてしまう。

結局提供に1時間半かかった原因はブラック ボックスの中だった。

私たちは怒りに震えながらナムチェバザール最後の夜を過ごした。

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