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天空のオアシスへGOKYO LAKE〜Day10〜

目覚め

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AM6:15ごろ目が覚めた。

もう私に目覚ましのアラームは必要ない。

外へ出るとまだツアー客が出てきていなかったため、目覚めの一服を頂いた。

外には灰皿が用意されていて、この地には禁煙の流れは届いていなさそうだ。

外を散歩しているととても特徴的な顔をしたヤクが1匹歩いていた。

背中の毛が朝の冷え込みで凍っていた。

あたりがまだ薄暗く、モヤがかかっていたせいか、そのヤクが神々しく見えた。

そんなヤクの姿をカメラに納め、宿のほうに戻っていくとツアー客たちの1日が動き始めていた。

すぐに食事を取り支度を進めた。

毎朝AM8:00に出発するルーティンをツアー客の動き始めとずらすためにこの日はAM7:55ごろ出発した。

7日目のルート

この日はいよいよ最終目的地の標高4790mのゴーキョを目指す。

今まで見えていて水が流れていた川がいよいよ氷河に形を変える。

さらにはルート沿い左側に湖が3つも出現するという何とも贅沢なコースだ。

今までの代わり映えしなかった景色がようやく変貌を遂げる。

私があの日Instagramで見つけ、目を奪われた絶景がもう目の前まで迫っている。

湖現る

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順調に歩を進めていき、2時間ほど経ったところで私たちの前についに1つ目の湖・Longpongaが現れた。

この湖は規模的にいうと池に近いものでそこまで大きくはなかっ た。

程なくして2つ目の湖・Taujung Tshoが見えてきた。

ここは湖といえるほどの規模で、カモのような鳥が泳いでいた。

この2つともなんだか水の色が緑がかっている。

まさに私が写真で見たあのエメラルドブルーだ。

3つ目の湖が見えればそこはすなわち最終目的地ゴーキョを意味する。

ユートピア

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2つ目の湖から1時間ほど歩いた頃だ。

前の方に歩みを止めて写真を撮っている人間の影が複数見えた。

きっとゴールだ。

私はそう確信した。

無意識のうちに歩くスピードが上がっていくのを感じた。

ここまで歩き続けて7日間、いよいよ私が求めていた絶景がすぐそこだ。

1歩2歩3歩と確実に歩みを進め、ついに3つ目の湖・Dudh Pokhariに到着した。

絶景だった。

エメラルドブルーの湖越しにはカラフルな屋根を持つゴーキョの街並み。

そしてその左側には8000m級の1つチョ・オユーがこちらを覗き込んでいる。

まるで私たちを待っていたかのような景色に思わず息を呑んだ。

10分ほどシャッターを切り続けた。

景色に慣れてきたところで、私たちはゴーキョの街に入った。

そこは旅の最終目的地だったため、いい宿に泊まろうという話でまとまった。

完全に直感ではあったがこの日の宿はフィッツロイ・インという宿に決めた。

ミウラユウイチロウ

宿に入ると日本語の達者な青年が私たちを部屋まで案内してくれた。

この建物は3階建てになっており、今まで宿泊してきた宿の数倍のキャパシティがありそうだ。

そんな私たちの今日の部屋は3階の角部屋だ。

案内してくれる途中、青年スタッフが富山県の立山に行ったことがあると話始めた。

ナムチェバザール近くのクムジュンという村出身の彼は、クムジュンの高校に通っていた時期に立山の高校との交換留学という形で日本を訪れたそうだ。

その際三浦雄一郎さんと立山に登ったんだそう。

やはりこのヒマラヤという土地において三浦雄一郎氏は1番有名な日本人なのかもしれない。

標高4790mシャワー

部屋に到着した、今までの宿には付いていなかった備え付けのコンセントがあった。

これで何もかも充電し放題だ。

私は電子機器に片っ端から充電コードを繋いだ。

持参していたモバイルバッテリーは7日間の旅によってあと少しで空っぽになりそうだった。

その後は6日ぶりのシャワーに入ることにした。

なんとここにはシャワールームも部屋に備えられている。

文句なしの上等な宿である。

大田原さんに続き、私も入った。

シャワールームの床はとても不安定だったがそれよりも標高5000mでお湯を頭から浴びれたことに感動して満足だった。

ただ水圧はとても弱い。

建物の屋根についているソーラー装置で湯を沸かしているため、なかなかお湯が大量に作れないそうだ。

そんな要因を抜きにしても6日ぶりのシャワーは私の人生年表に刻まれる最高の一瞬だった。

天国か現実か

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シャワーを浴びた後、宿のダイニングに向かった。

最上階にあるダイニングからはエメラルドブルーに輝く湖と建物のカラフルな屋根たちとのコントラストが最高の景色が見えた。

こんなところがこの世に存在していたとは全く信じられない。

標高4790mで糞のストーブによって温められたヌクヌクのダイニングでお茶をしながら非現実的な体験を存分に楽しんだ。

いざ頂へ

先ほどここゴーキョが最終目的地と記述したが、実際の最終目標はここの町にある標高5357mのGokyo Riへの登頂だ。

ここゴーキョを出発点として片道2時間で登頂する。

この日はゆっくり過ごすことにした。

いよいよ次の朝、7日間のトレッキングの最終目的地Gokyo Riへのアタックだ。

7日間の旅を回想しながら自分が頂に立つイメージを膨らませ眠りについた。

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