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01/22の日記 (手紙を)

夜中にしこしこと、手紙を書いた。

というのも、今週僕は誕生日を迎える。
それでふと、いや、ふとじゃない、ずっと覚えていたのだけど、家族の誕生日(昨年度分)のお手紙をまだ書いていなかった。

誰に、ともなく言い訳をさせていただくと、下書きはしていた。
パソコンやらケータイでかちゃぴこ打ったものだ。なんならバースデーカードも用意していた。息子には魚のイラストの青いやつ、娘には蝶のイラストの赤いやつ、妻には白くまのイラストの便箋。

さぁ、もうあとは書くだけじゃあないか、ほら、ってところで僕はすっかり満足して、ずっとしばらく筆をとらずにいた。

毎日毎朝noteだけはしこしこコソコソ書いているくせに、家族宛ての手紙一枚も書かない父親なんて、頭どうかしてるぜ!結果的に三枚も貯めちまうなんて、いかれぽんち野郎だぜ!

というわけで、一念発起で三通のお手紙の清書に取り掛かる。

一番最初は、息子(7歳)へ。彼は昨年小学校に通いだしたばかりだから、いろんな出来事や催し事などを考えていると、結果的に書くことが増えていく。もう平仮名と簡単な漢字は読めるから、極力丁寧に、読めるように書く。こういうとき、もっと字がうまけりゃいいのに、と毎回思う。「この漢字もう知ってるっけな?」と息子の漢字練習帳などをパラパラめくり、ついつい読めなさそうな漢字で書いてしまった箇所には、フリ仮名を加える。  

彼は、僕の悪いところをふんだんに受け継いでいる。小さなことにクヨクヨしたり、たいしたことない(といっては本人に失礼なのだけど)モノやコトへの執着心が強い。自分の嫌いなところだから、そういった性格を目ざとく息子に見つけてしまうのだろう。いいところは、おもに妻から受け継いでいるような気がする。泣いたって次の瞬間にはケロッとしている。人に優しい。至極自然に、人の手助けができる。たくさん色んなアイデアで、驚くようなものを作ってくれる。そしてそれを細かく説明してくれる。ずっとそのままでいてほしいという気持ちを、つらつらと書いた。

二番目は、娘(3歳)へ。娘への手紙は、自分が読んで聞かせる前提で、漢字も入れてすらすらと書く。ずっと大きくなったときに、またいつか読んでくれるといいな、くらいの気持ちで。娘は昨年、二度入院をしたので、その時の話を書いた。

彼女はどんな形にせよ、僕ら家族を一つにしてくれる。それは時に、彼女を助けるためであったり、彼女に大いに笑わせられたり。とにかく不思議な力を持っている、と、親バカなバカ親は思っている。これからも、家族みんなのアイドルでいてほしい。

最後は、妻へ。思えばnoteを始めるきっかけをくれたのは、妻だった。日経新聞に連載されていた木皿泉さんのエッセイが素敵で、妻によく見せていた。木皿さんの本もドラマも実は見たことないし、何がいいって上手に表現できないのだけど、その文章から感じられる人柄というか、考え方にひどく惹かれたのだ。

「こんな文章書けるって素敵だなー」、僕が何気なしに呟いた一言に、「書いてみればいいじゃない。(僕の)文章好きよ」、と言ってくれた。僕の文章なんて、彼女は手紙でしか読んだことがない。その手紙が、いつも素敵だから、ぜひ書いてみたら、と言ってくれた。

そして書く場としてたまたま見つけたのがnoteだった。結果として、僕の文章を最初に褒めてくれた妻への手紙を書かず、毎日noteを書くことになった。ごめん、妻。そう思いながら、手紙を書いた。  

妻に手紙を書くときは、つまるところ感謝しかない。そして自分は幸せであり、もっともっと一緒に幸せになりましょう(主に美味い飯を食って、酒などを飲みながら)、という気持ちが強くなる。女性は年をとるのをよしとしないかもしれないが、それもまた楽しいこと、そう思ってもらえるように、一緒に暮らしたい。

いくら熱心にパソコンでカチャカチャと下書きをしても、実際に、紙に、ペンで文字を落としていくと、内容や言い回しが変わってくる。気持ちが文字に乗っかっていく感覚がある。感謝の言葉を書くたびに、その気持ちが熱を帯びて、勝手にひとりでうるっとしていた。

みんな、お手紙遅くなってごめん。ちゃんと書きました。今年はもっとタイムリーに、書きますね。いつも思っていることだけど、一年に一度、みんなの健康と、幸せを、強く、文字に込めて。

◇ ◇ ◇

次の日の朝、娘に手紙を読んでやると、最後の「お誕生日おめでとう」の括りのあとに、とっても嬉しそうにニンマリ笑って、「え?プレゼントは?」だって。今年は、プレゼントとお手紙、同時に渡します・・・。  

息子は自分で読めるもんだから、黙って読んで、読み終わったあと少し恥ずかしそうに「ありがと」と言ったのが、とっても可愛かった。こちらこそ、ありがとう。  

妻は、僕がいないときに読むそうだ。また、「(僕の)文章好きよ」と言ってくれるかしら。

お蕎麦屋さん開きたい。