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いにしえのオバケのワードセンスには参りましたね

へとへとになってスーパーに寄る、雨も降ってきたしなんなんや、散々やわ、仕事も他もいまひとつうまくいかんし、なんなんや、ここは地獄やんな、わかる、そう思うよもげちゃん、とやけのやんぱちで己と会話を。
店内ではきゃっきゃして子供が駆け回っている、こちらの虫の居所がすこぶる悪いので、嬉しそうな顔しやがって、と思う。
ふと周りを見れば、全員がさも嬉しそうに見えてくる、惣菜を見ている初老の男性も、肉に値引シールを貼られるのを今か今かと待っているお婆も、子供を叱りつけている母親も、レジ打ちの女子高生バイトも、品出しをしている中年女性も。
嬉しそうにしやがって、畜生。
わたしひとりが恨めしげに米油1.5リットルと料理酒のボトルを小脇に抱えレジに向かう、なんということだ、雨の日にわざわざこんな重いもんを買うなんて、愚の極み、愚かバカ一代、あらよ出前一丁である。
それはそうと、オバケが、う〜ら〜め〜し〜や〜、と出てくるのってなんかバリ渋いよな、さすがいにしえの風格って感じする、全然こわないっていうか、逆になんかワードセンス気になって見てまう感じあるな、それが狙いなんかな、でも昔は日常的に、あー恨めしや恨めしや、とかいうふうに言うてたってこと?
あー腹立つ腹立つ、とかみたいに?ほんま?そんなことある?
死んで急に、恨めしや、ていうワード出んよな、そんなんすぐ手の届く引き出しに入ってないと思いつかんやろ、かっこよすぎ。
わたしも死んで化けて出る時のために明日から恨めしや、て積極的に言うてこ、そうしよ、ところでなんの話やった?これ。

蒸し鶏作ってキリッと呑むぞと腹を決めて帰ってきたが、なんと明日の朝のパンがないことに気づいて愕然とする、さて、ここでわたしはなんと言ったでしょう。
ほら、これまでの流れやったらわたしはここで絶対に恨めしや、て言うたと思うやんな、思うやんな、それがなんと何も言わんと黙って強力粉とイースト引っ張り出してパン作り出してん、まじ丁寧な生活!暮しの手帖か!言うて。ほんま花森。

パン焼きつつハイボール飲んで、正直もうどーでもいいや、つってイヤホンでテクノ聴きながら踊ってる、なんたる生活。我が人生。悔いあり。
悔いあるか?ないかも。あるかも。
いや、今こそが一番よ、多分。え、ちゃいます?
どやろか、うーん、答えはちょっと保留にさせてください、なんとか生きてるうちに答え出しますんで。

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