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思想全般に興味があります。 Nietzsche, Bataille, Cioran について、主に読んだり考えたりしています。

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die Maske 2.                「すべての深いものは仮面を愛する」          Alles, was tief ist, liebt die Maske                                                                  

    「仮面」といえば、ユングやパーソンズの「ペルソナ」の概念が想い起こされる。   ユングにおいて「仮面」及び「ペルソナ」は、人間の外的根本態度ないし外的性格を表象しているとのこと。しかしながら、その外的性格の表象である「仮面」も長期的な着用(外的根本態度)において、いずれ「内面化」する。即ち自己と同一化してしまう。   だが、ニーチェが「仮面」を論じる背景には、本来的には「真なる自己」の不在、「確固たる自分という存在」の否定も含まれている。   つまり、自分自身で

    • die Maske 1.                        ニーチェとは何か?それは絶えざる自己からの逃亡であり、また自己への、仮面をつけた回帰である。それは自己と仮面との、自己と非自己との、絶えざる戯れであり、ニーチェという固有名詞がしだいしだいに姿を消してゆく一つの過程である。ニーチェとは、けっきょく、非ニーチェ化を志向する一つの回帰運動に他ならない。

      永遠回帰としての「ニーチェ」 (足立, 1976, p.194)  「ニーチェ」思想は、詩的表現に富んだエクリチュールで語られることはよく知られている。  ときに aphorism 形式を用いて展開する。屹立したそのエクリチュールは、読み手を拒むかのような印象をも与える。  自己回帰的エクリチュール écriture (文章表現)。  「自己への回帰」とは、ニーチェにとっては、エクリチュールそのものであったと言った方がよい。    体系を認めず、教えを施すことをも拒む。

    die Maske 2.                「すべての深いものは仮面を愛する」          Alles, was tief ist, liebt die Maske                                                                  

    • die Maske 1.                        ニーチェとは何か?それは絶えざる自己からの逃亡であり、また自己への、仮面をつけた回帰である。それは自己と仮面との、自己と非自己との、絶えざる戯れであり、ニーチェという固有名詞がしだいしだいに姿を消してゆく一つの過程である。ニーチェとは、けっきょく、非ニーチェ化を志向する一つの回帰運動に他ならない。