『スタートアップ思考』
新しいテクノロジーを生み出すのは、だいたいスタートアップである。政治における建国の父から、科学における王立協会、ビジネスにおけるフェアチャイルド・セミコンダクターの「八人の反逆者」と呼ばれた創業メンバーまで、より良い世界を作ってきたのは、使命感で結ばれた一握りの人達だった。その理由は単純で、大組織の中で新しいものは開発しづらく、独りでは更に難しいからだ。官僚的な組織は動きが遅いし、既得権者はリスクを避けたがる。機能不全が極まった組織では、実際に仕事を片付けるよりも鋭意努力中だとアピールする方が昇進し易い。
その対極にいる孤独な天才は、芸術や文学の名作を生むことはできても、一つの産業を丸ごと創造することはできない。スタートアップではチームで働くことが原則で、かつ実際に仕事をやり遂げるにはそれを小人数にとどめる必要がある。
「スタートアップとは、自らが世界を変えられると、自分自身が説得できた人たちの集まりである」
新しい会社の一番の強みは新しい考え方で、少人数なら敏捷に動けることは勿論、考えるスペースが与えられることが大きな利点になる。これまでにないビジネスを成功させるためには、自らに問い、答えるべきであり、考える訓練が必要である。従来の考え方を疑い、ビジネスをゼロから考え直そう。
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via: "Zero to One: Notes on Startups, or How to Build the Future"