今日だけは理想だけで。
長男の卒園式。
1ヵ月かけて練習する幼稚園もあれば、前日に「卒園式とは何か」「どんな段取りで進むものか」を説明するだけの園もある。
息子の幼稚園は後者。
だから、卒園式前日までの3日間を胃腸炎で欠席しても。
息子だけが変に浮くことなくあたたかい雰囲気で行われた卒園式だった。
息子は緊張してまず席を見つけられなかったし、返事もしなかったし、歩く場所も違ってた。
でも、一生懸命だった。
どの子も一生懸命で、「こんな子なんだな」が伝わる式だった。
顔を覆うほど泣いちゃう子もいれば、「まだ終わらないの?」とあくびをする子も。
卒園式だろうと、素直に自分を表現できる子どもたちに尊敬も覚えるほど。
副園長の言葉
「拵えようと思えば、やらせればきっとこの子達はできるんです。
でも、その子がこの最後の大舞台で、どんな姿を見せるのか。
張り切ってウキウキするのか、緊張して縮こまるのか。
子どものその本来の姿を受けとめ、育ててやってください。
子どもの底力を信じてあげてください。」
園長先生の言葉
「私たちは、思春期を乗り越えられる子どもを育てる保育をしています。
いつでも帰ってきてよ、遊びにきてよ。」
正直、私は保育者として、こどもの思春期の頃まで見通した保育なんてしてなかった。
就学前教育って目線があったと思う。
違う、乳幼児期は、小学校のためにあるんじゃない。
その先もずっと続くその子の人生の土台の時期なんだ、と気付かされる。深く。
中学・高校生の自殺が増えているという。
誰かと違うこと、自分ができないこと、劣等感、そこからくるいじめ。
根っこが作られるのは乳幼児期で、
そこからもずっと水を与え続けてようやく花が咲く。
花が咲くのはいつかはわからない。
自殺なんかしちゃったら、花なんかずっと咲くことはない。
息子の花はいつ咲くだろうか。
なりきる遊びが苦手で、お遊戯会も「監督役」をしていた息子。
息子が息子のまま受け入れてもらえていた幼稚園に、感謝。
息子は息子のまま、この先もいられるだろうか。
それを誰よりも応援する、親でありたい。
息子よ、卒園おめでとう。