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ママを、一体なんだと思ってるの。長男に蹴られて鼻血が出た話②

長男は毎朝、朝活をする。
誰よりも早く起きて、ゆっくり、毎日30分のyoutube券で好きなyoutubeを見る。
長男にとって、弟にも誰にも邪魔されない大事な時間だ。

どうやら手紙には気づかなかったらしい。
普通にテレビを見て、学校の支度をする時間になった。
私も起きて行き、次男の朝ごはんとお弁当を作り始めた。

けろっとして
「ママおはよう。昨日は叩いてごめんね。朝ごはんは?」
と軽く長男が言ってくる。


「手紙を読んでください、そのとうりです。」


初めて手紙に気づいて、黙って読んだ息子は、ハッとしたような、まさかというような、思っても見なかったという表情をしていた。

弟のことだけをして、(でもレンジを使うと長男が自分で朝ごはんを温めることができないかとも思い)一度寝室に戻って寝たふりをした。

「行ってきます」

どうやら、自分で準備をして行ったらしい。
パパに確認したら、朝ごはんを食べずに行ったよ。と。

良いんだこれで。
時間をかけて、ことの重みを感じるしかない。
今までは、次の日には全部許してたよ。
でも、取り返しのつかないことをしたら、寝ればリセットにはならないんだよ。


それでもすっきりなんて過ごせなかった、違うことをしていても。
給食までお腹は持っただろうか。
学校、大丈夫だろうか。
ずっと胸の片隅にありながらも、淡々と時間を過ごす。やることをやる。

次男を幼稚園に迎えに行く時間になった。
よし、4時まで公園にくぞ。

楽しそうに遊ぶ次男を、ちょっと心あらずな自分。
帰ったら、ちゃんと話をできるだろうか。まだまだ課題を残している。

….4時だ、帰らないと。

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帰宅したら、長男がいた。
手紙を、渡してきた。
「ええっと…」までをも書いてある。
誤字脱字ありすぎて、ちょっと解読不能なところも多い。
でも、書いてある。ちゃんと読もう。

書いてあったことを要約すると。
ぼくはストレスがありました。
①最近、仲良しのお友達と一緒に下校できてなくて嫌だった(これはひとまず今回は割愛)
②お兄ちゃんに砂をかけられたのが嫌だったし、お兄ちゃんが怖かった。ママに追いかけられたのも嫌な気持ちが消えてなくて、ママを叩いてしまった

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・へ?

「お兄ちゃんに、砂をかけられて嫌だったんだね、それは怖かったよね。
逃げたんだよね。それで良いと思うよ。でも、逃げても気持ちが収まらなかったんだよね?どうするの?また同じことがあったら、ママを叩くの?」

「ううん,,,,,ママに、連れて帰ってもらう」

おいおい、ママにかよ。
ママはね、いつまでも君と一緒にいて全部を知って連れて帰るなんて、できないよ。
今はね、どうしようもなくなってるなと思ったら帰るのを手伝うことができるけれど、ママはこれからもずっと一緒に公園に行けるわけじゃないよ。自分でもう収まらないなと、思ったら自分の足で帰るんだよ。まずは、自分の気持ちが収まらないなということを自分でわからないとダメだよね、、と伝えた。

ママ友とのハサミの話もした。
「あれはね、折れてた葉っぱの茎を切ろうとしたんだよ。でも止められてできなかったのが嫌だったんだよ」となく息子。
その理由も初めて知った。
理由を聞かずに止めちゃってごめんねと誤ってくれたママ友の顔が浮かぶ。
「理由があったんだね。でもね、その前にはさみを使ってたときは止められなかったよね?なんであの時は止められたんだと思う?」
「….ママのこと叩いたりしていたから。」
「そうだよね。あんな風になってるときにはさみを持たれたら、長男くん自身や誰かを傷つけちゃうかもしれないって思ったんだって。そうだよね。」
「うん。」
「あんな風になってしまってる時は、理由があったとしても、ハサミとか武器になるようなものを持つのはやめよう。周りの人は怖いし、興奮していたらそのつもりはなくても、誰かを傷つけたりしちゃうかもしれないから。」
そんな約束もした。


「ママの手紙を読んだ時、どう思った?」
息子、また泣き出す。
「取り返しのつかないことをしちゃったんだって、。。。ぐす。。。思った」
「そうだよね、今まで次の日には良いよって言ってもらえてたもんね。
でもすぐには許されないってわかったよね。ママの傷はまだ治ってないよ。
もうしないでね」
「…………うんっうぐ・・・」
「嫌なことがあって、逃げるのは良い。でもね、逃げて気持ちが落ち着いたら、そのことに向き合わなきゃ。全然気持ちが収まらなかったら、だれかに助けてもらっても良いし、家に帰るなり全然違う楽しいことするのも良い。でも、心配してくれて助けてくれる人に当たるのは絶対違うよ、やめよう」



「最後は、ハグしよう。7秒はぐ!」
「うん」

「長男くん。大好きだよ、愛してるよ」

泣きじゃくる息子の背中はまだ小さいなと思ったし、やっぱり、気持ちを聞いて欲しくて、見て欲しくて、わかって欲しかったんだなと思った、
まだ話ができてよかった。
鼻血でよかった。
ナイフで刺される前に、息子が犯罪者になってしまう前に、加害者になってしまう前に、ちゃんと向き合えてよかった。

怒りの方向と怒りの出し方を練習して行こうね。
まだまだ大丈夫だ、息子を信じられる。また、ママやれる、ママに戻る。



朝ごはんを食べてなくて腹が減った息子は、安心した途端におやつ爆食いしていた。よかったよかった。


きっとまたおんなじようなことあるんだろうな。そんなすぐには、全部100点にはならないと思うけれど。今日よりすこしだけ、怒りの出し方がわかってくれれば良い。助けの求め方が、わかってて欲しい。何かひとつでも今回のことを思い出して、踏みとどまって欲しい。


もっと力が強くなる前に、まだ話ができるうちに、ちゃんと1つ1つ向き合って行こう、親の責任として。そんなことを思った。

他にもいろんなやり取りをしたけれど、忘れてしまった。
すぐに忘れる、それはとっても良いことだけど、今日の出来事は忘れたくなくて。


だから、できるだけ残した。
いつかの自分に、残しておこう。



息子の母親でいれて、よかった。
鼻血と引き換えに、成長させてくれて、ありがとう。


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