あなたは可哀想だ。もっと幸せになる権利がある。今日もラチベンが、不満妻の手引きをする。
■41
新しく恋人ができた。彼は夫とちがって、わたしを愛してくれる。子供に暴力をふるうことはあるけれど、しかたがない。だって、この子は前の夫に似ているから。多少荒っぽくても、しっかり教育してくれる方がいい。
そう、逆に子供のことを思うからこそ、厳しくできるんだ。だいたい前の夫が子供を甘やかしすぎたから、こうなったのだ。
わたしは前の夫に騙されたんだ。
あの人は口だけで、わたしを幸せにしてくれなかった。
わたしは被害者なんだ。
あの人と一緒にいれば不幸になってしまう子供を、引き取って自力で育てる、心優しい母親。
リスクを恐れず、わたしは勇気ある決断をした。
だから母としての務めを果たすぶん、女としての幸せも求めよう。今はそういう「自立した女性」のライフスタイルが認められる時代だし、法律だって行政だって世論だって味方してくれる。
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