水ゆるく流れ
先日、妻の叔父が別の世界にお引越ししてしまった。
葬儀に赴く、前の夜に書いている。
(なんとなく思うところがあり、実際の投稿は別の未来の日付にしている。)
享年65歳。
あまりにもはやいお引越し。
癌だった。
親戚同士の集まりで毎年正月会っていた。
(ここ2年は、例の一件の影響で集まれていなかったが。)
叔父の口数は多くはなかったが、叔父の家族の柔和な雰囲気が好きだった。
「うらやましいな。この空気感」
親戚の集まりで、それとなく思っていた。
語らずとも何となく印象的だった。
人を遺す ということばがある。
のこされた人にその人の面影や足跡が見えてくることもあるのだと思う。
叔父の家族にボクが感じとった、自由で品のある雰囲気。家柄と言い換えてもいいかもしれないが、これは叔父がいたからこそできたものだという見方もできる。
叔父の残されたご家族の気持ちを思った。筆舌に尽くしがたい。
企業人としても成功された叔父。
生前いろんな人と関わってこられたんだろう。
静かな夜に曲を聴く。聴きたくなって思うままに。
水ゆるく流れ という曲だ。
作詞作曲 ASKA
作曲者が、知人が先だった時の心境をもとに作った歌だ。
夜に、ゆったりとしたメロディが響き渡る。
"向こうとこちらに分かれた"
という言い回しが切ない。
亡くなるということばはどこにも使われていない。
歌詞の中に、主人公の感情描写を示す言葉は「ありがとう」ひとつしかない。
それでもそんな場面に対して寄り添ってくれるような詩でありメロディーだ。ボクはそんなことを思う。
故人にたいして、想いを馳せる。思い出す。それを供養というのかもしれない。
ボクはいま30代。
きっとこれから、少しずつわかれも増えていく。
ボクにどれだけ時間は残されているんだろう。
今の互いに生きている時間を大事にしないといけないなと思わされる。
向こうに行く日まで。
向こうに行かれる日まで。