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2019年

2019年に入った。 いくら考えても私は惨めな気分だった。 誰から見ても私は都合良く扱われている。紅の体が大好きと彼に言われる始末だ。(私のことが)好きだとは言われたことはない。お互いの身体が大好きなことはわざわざ確認する必要がないくらい承知している。 とにかくマイクさんから離れないといけないと思っていた。 マッチングアプリを再開し、イタリア人と出会った。 すごくかっこいい人だったのに、名前がどうしても思い出せない。辛すぎて、私の脳が勝手に記憶を消してしまった。

    • 京都

      どうしてマイクさんと京都に行ったのか、きっかけはよく覚えていない。 京都の旅行までしばらく会っていなかった。 なぜ会っていなかったのかも理由はよく分からない。 彼は元々京都が大好きだ。 私はどちらでもないが、温泉にでも行きたかった。 2泊3日の京都旅行は突然決まった。宿も直前に予約したので、やたらと高かったが彼に払ってもらった。ありがたい。 東京駅で待ち合わせして一緒に新幹線に乗った。 京都に着いた時にはもう夜だったので宿へ直行した。 ベッドは2つあって、私が

      • game

        Sebastianと再会できた喜びをマイクさんにも話した。 「インターコンチネンタルのロビーのレストランは美味しいよ」 マイクさんは仕事の商談で使っているようだ。 「次はどこに連れてってあげよう?靖国神社に一緒に行こうかな?!私は靖国神社好きだなぁ」 私はSebastianと再会できたことに浮かれていた。 「負けた国同士、仲良く行ったらいいんじゃない?」 なかなか良い皮肉だ。 私たちはいつも通りにセックスした。 しかし行為が終わってまったりしている時に、彼は何

        • 溜池山王

          Sebastianは思ったより早く日本へ戻ってきた。 ただ、今回の出張期間は約1ヶ月と短めなのでホテル滞在らしい。 私たちはインターコンチネンタルホテルのロビーで待ち合わせをした。 再会できて素直に嬉しかった。 近くのレストランで軽く夕食を済まし、彼は職場のビルへ私を案内した。 休日の夜遅くだったので人はいなかった。 一般の人が入れるレストランの階へ連れて行ってもらい、そこから夜景を一緒に眺めた。 ホテルに戻り、彼はバスタブにお湯をはって泡風呂を作ってくれた。喜

        2019年

          ClCADA

          クラブで出会ったドイツ人、Sebastianとはその後もう一回くらい会ったと思う。 彼は数ヶ月後、また日本に出張に来るからその時に会おうと言ってくれた。 2018年8月。私はマイクさんと久しぶり会った。 原宿の竹下通りを一緒に歩きながら、Sebastianのことを話した。 アクセンチュアで働いていたら、年収は1000万を超えているだろうね。と彼は教えてくれた。 私は当時アクセンチュアという企業を知らなかった。外資の大企業だからあんなに出張の手当が充実しているのかと納

          駒込

          英語のクラスが同じだった大学の同級生がクラブに行こうと誘ってくれた。 彼女はクラブの音楽やDJが好きで、音楽を聴きに行く目的でクラブに通っていたようだ。 私はクラブにほとんど行ったことがなかったし、 クラブ音楽も好きでも嫌いでもなかったが 興味はあったので喜んで行った。 渋谷の駅から歩いてすぐ近くにクラブはあった。 友達の友達も合流して3人でしばらく音楽を聴いていた。 何をするわけでもなく、ただ脇の方に座ってじっと音楽を聴いていた。 何時間経ったか分からなくなった

          恵比寿

          2018年頃から2019年の冬あたりまで、3回程マイクさんからの連絡が途絶えている。 その時はだいたい 私が彼にメールを送ってみたり、彼からメールが来たりして、連絡が取れるようになった。 連絡が途絶えた1回目の時、私はどうしてそうなったのか彼に聞いた。 私のラインアカウントを間違えて消してしまったらしい。 嘘だと思うが、彼を問いただせるほど私と彼は対等な関係ではない。 恵比寿の薄暗くてガラス張りのレストランで、 連絡が途絶えた時に困るから電話番号を教えて欲しいと彼に

          恵比寿

          トルコ人

          2018年が始まってから、私はマイクさんから離れるべき、違う男性を探すべきだと自分に強く言い聞かせるようになった。 ちょうど大学を卒業する頃、私はトルコ人の男性と出会った。 何度目かのデートで、彼は私を新宿にあるホテルのルーフトップバーへ連れて行った。 そこで一杯カクテルを飲み私たちはバーを出た。 彼がお手洗いへ行ったので、近くの窓から夜景を眺めていた。 戻ってきた彼が私へ近寄り、ホテルへ誘ってきた。 ここのホテルの部屋ではない。ラブホテルだ。 私は、お付き合いしな

          トルコ人

          乃木坂

          無事に就職先が見つかり、大学生活は終盤を迎えていた。 2017年夏頃から卒業制作に取り組み始めた。 もう少し真面目に取り組めば良かったと今になって思う。当時の自分に言ってやりたい。 風景をモチーフとした作品だったが、色味は実際の風景とは異なる。 私は最初からライトブルーあるいはブルーグレーをメインに使うことは決めていた。 大学4年間で印象に残っている人を象徴するカラーだったからだ。 1人はイギリス人のGeoff。 ブロンドヘアで濃いめのブルーアイが特徴的だった。

          乃木坂

          ピロートーク③

          【彼の元恋人について】 2人の元恋人について話してくれた。 イタリア人の女性と日本人の女性だ。2人とも彼が20代前半あたりに付き合っていた方だ。 イタリア人の元恋人とは同棲中に別れることになったが、精神的に不安定になった彼女はマイクさんを包丁で刺そうとしてきた。警察沙汰になった。 確か共通の知り合いが彼女の新しい恋人で、彼と安定した暮らしを送っている、ところまでマイクさんは把握していた。 とても美人なので彼女は幸せになると思う、と話していた。 日本人の元恋人は、マイク

          ピロートーク③

          ピロートーク②

          前の記事に書いたような、印象に残るピロートークもあれば、彼の家族や友人にまつわる話も少しはしている。 【彼の子供たちについて】 年齢ははっきりと覚えていないが、当時、2人とも幼稚園児〜小学校低学年の年齢だった。 インターナショナルスクールに通っていて、学費は年に200万程かかるそうだ。 下の子は足が速くて運動が得意。 上の子は勉強ができる。 2人ともマイクさんの才能を受け継いだんだな、と思った記憶がある。 見せてとお願いすれば、子供たちの写真を見せてくれた。 彼は

          ピロートーク②

          ピロートーク

          再会してから、マイクさんが行為後に寝落ちするようなことは減った。 私が再会時に、マイクさんがすぐ寝てしまうことが嫌だったと伝えたので気を遣ってくれたようだ。 彼はイギリスから帰国後も別居を継続したが、子供とは毎週末会えていたようなので少しづつだが状況を受け入れ、以前程のストレスは抱えていない様子だった。 そういうこともあって、行為後は寝落ちせず私とのピロートークに付き合ってくれた。 * 真っ白の部屋で視界が明るいホテルに行った時だ。 なぜかその時のキスの感触を覚えて

          ピロートーク

          宮前平

          就職活動真っ只中だった。面接を終え、そのまま宮前平駅へ向かった。 宮前平で会うことは元々彼のアイディアだ。 会社の人に私といるところを見られたくないという。 私はラブホテルの場所にこだわりはないし、彼の新居(別居用)と私の家の中間あたりに宮前平は位置していたので、帰りは楽だなくらいに思っていた。 駅前の居酒屋で適当に腹ごしらえした。 そのまま、タクシーに乗りホテルへと向かった。 私はその時まだピルを飲み続けていた。 セックスは当然盛り上がる。 「紅の中、小さくて狭

          宮前平

          ピル

          私はJeffと付き合っていた時からピルを飲んでいた。生理不順とか、生理痛が重いとか、そういうわけではなかった。 Jeffもマイクさんと同じように、コンドームをつけたがらなかったからだ。 ピルを飲んで欲しいと男に頼まれて、飲んだのは2回目だった。 1回目は私の処女を奪った男だった。付き合って欲しいと嘘をつかれ、実は何人もの女性と肉体関係をもっていた日本人の男だった。 私は彼の言われるがままにピルを飲んだが、そのピルの種類と相性が悪かったのか吐き気が酷かった。 彼と別れてからは

          別れ

          あっという間に私はマイクさんとのセックスの虜になってしまった。 そして、マイクさんが私に頼んだわけでもないのに私はJeffに浮気したことを告げ、初めての彼氏からさっさと離れた。 マイクさんは私がJeffと別れてほしいなど思っていなかったと思う。 私がマイクさんと再会して、あまりにも早くJeffと別れたことに戸惑っていたかもしれない。 Jeffと別れるというアクションは、マイクさんにとっては重荷だ。 マイクさんは私から離婚を求められていると思ったに違いない。 マイクさ

          円山町②

          彼の元生徒の女性が店を出てからも、私たちは色々な話をした。それなりに盛り上がった。 奥さんとの関係、仕事、別居して子供と離れること、彼はもちろん悲しんでいた。子供のことを想って彼は泣いていた。酔っ払っていたから涙脆くなっていたのかもしれない。 「人生は何が起こるか分からない」 そう彼は言っていたが、いまいち共感できなかった。奥さんとの関係に向き合わなかったのも、浮気したのも、自分で取った行動なのだから、こうなることは予想外の出来事ではないのでは? * 私はあっという

          円山町②