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競技ゴルフと私 3

 競技ゴルフで得られる事はかなり多くの事があります。
 プライベートゴルフするよりも得る事が多く、何倍も早く上達していく気がします。
 緊張した中でのゴルフは、通常出来ることがなかなか出来なくなってしまいます。自分に何が足りないかが分かり、練習課題がハッキリとしてきます。気持ちも含めて課題が分かります。

 では続きを書いていきます。

 印象に残っている試合は、ダブルスに出た時です。この試合は私が滞在していた町ユタ州のセントジョージで開催されているリーグという試合です。これは1チーム4人でチームを作り、チームスコアを競いシーズン通して成績を決めるという試合です。ほぼ毎日どこかのゴルフ場で開催されていて、午後4時頃からハーフラウンドをして成績を出します。
 アメリカにはサマータイムがあるので、私が滞在していた街は午後8時ごろまで明るいので4時頃なら18Hラウンドできます。プレーが早いので18Hを3時間ぐらいでは終わってしまいますから、ハーフでしたらあっと言う間に終わってしまいます。
 このリーグに参加している方達は仕事が終わってから参加します。軽食も用意してあって参加チームはかなり多かったと思います。

 このチーム戦にはストロークよりもチームならではの戦い方が多く、フォアボール、フォアサム、スクランブル、チームマッチ、など多くのチームプレーが用意してありました。
 
 この日は私ともう一人が組んで、ダブルス2チームを作って参加することになり、この日の競技は2人で交互に打っていくスタイルのフォアサムでした。
 この競技はかなり難しく、USPGAのトーナメントでチューリッヒクラシックでも行われますが、トッププロでも簡単にオーバーパーになります。
 それが私たちの様なプレーヤーが参加すると、簡単に80ぐらいは打ってしまいます。何故か交互に打っていくとリズムなのか感覚が難しいのです。

 この試合で上位に入ってポイントを稼ぐにはパープレーか1オーバーでラウンドする必要がありました。アンダーでラウンしたらまずポイントトップになります。
 30台でラウンドしたとしてもポイントは稼げるとは思いました。それぐらい難しいです。

 この試合で組んだ相手は私よりもゴルフが上手く、ストロークプレーだと60台でラウンドしていました。私も60台でラウンド出来る事はあっても稀で殆どが70台で、悪いと80台になっていて安定しないゴルフでした。
 私が足を引っ張ってしまう事になるだろうと思いながらスタートしました。
 この競技は完全に交互に打って行くので、ティーショットがどのホールになるかは分かりません。
 どちらが打つにしてもお互いティーショットは嫌なもので、O.Bはとにかく打てません。自分のストロークプレーでのO.Bならしょうがないと受け入れます。しかしチームのO.Bだと申し訳ないのと、ペアがうち直す事になりますから、プレッシャーがきつくなります。
 なのでティーショットはお互い嫌なものでした。

 この試合結果に関してはスコアがいくつだったかは全く覚えていませんが、40台ではラウンドしたのだと思います。

 試合が進むに連れてスコアが悪くなっていきました。
 この試合リーグはシーズン通してなので、この試合で成績が悪くてもある意味仕方ないのと、上位に入れればラッキーな試合です。
 もちろん皆が苦戦する試合なので耐えれれば、上位に入れます。考えることは皆同じです。それぐらい難しいのです。

 ここで問題となったことが、ペアが不貞腐れ始め、最終的に試合をなげました。
 私のミスもありましたし、彼もミスりました。しかし彼は自分は悪くない感じでプレーをしていました。
 そしてスコアがポイント圏外近くになった時に試合をなげました。
 ただ全体のスコアが分かるわけではありませんから、とりあえずは最後までやるべきです。しかし彼は試合をなげました。

 どういった状況だったと言うと、その日も全体的に私のティーショットが悪く、セカンドで彼がカバーする形になる事がありました。7H目くらいだったと思いますが、私がティーショットを右に曲げ、セカンドでグリーンを狙うには木がかかってしまう状況になりました。
 残り130Yぐらいだったと思いますが、これを木の下を通してグリーン近くまで打つ。(グリーンに乗る事はない)ただし出し方、狙い方をミスるとグリーン近くの池に入る可能性があり難しく感じました。次に強引にボールを曲げてグリーンを狙うか(ラフなのでかなり難しい)池の方向から曲げなくてはいけないのですが、曲がらなければ池に入ってしまう。横に出すと言う選択肢はありますが、出すにしても70Yぐらいは前進出来ます。
 私としては、70Yぐらい出す事にして、3打目でグリーンに乗せて、ボギーでホールアウトする事になると思いっていました。
 
 しかし彼の選択は、目の前の木の中を思い切り打って運が良ければグリーンに乗ると言う選択をしたいと言ってきました。私としてはあり得ない選択です。
 まず抜けそうもない木の枝の強さを感じましたし、抜けなければ跳ねてどこ行くかわからないのと、右に跳ねたらO.Bもありました。
 
 何故木の中を通そうとするのかと聞くと、スコアが悪いからバーディーがいる。上がり3H全てバーディーなら可能性があると言うのです。
 私はここからスコアを伸ばす力があるなら今の状況になってはいない。ポイント上位にはなれないかもしれないが、皆も悪ければ、1ポイントぐらいは入るかもしれないからそんな強引な攻め方に意味が無いと言いました。
 しかし彼はここがボギーになったらさらにポイントが取れなくなると言いました。だからまだポイントは上がってみないと分からないし、まだボギーと決まった訳ではないじゃないかと。
 ただ彼は半分諦めていて、どうせこのホールのスコアがバーディーでなければ他のスコア、パーであろうとボギーであろうと、何であろうともうポイントに関係ない。自分の打つ番だから自分が決めると言って強引に打ちました。 
 
 結果運悪く右に跳ねO.Bになりました。結局私が70Yぐらい前に出し、5オンの6か7で上がったと思います。
 その後のホールのことは覚えていません。彼が何か言い訳を言っていたと思いますが、それもなんだったか覚えていません。仮にあのホールのスコアがボギーだったとしてもポイントに影響したのかも覚えていません。

 彼は普段からそのような考え方があり、ストロークプレーをしている時も途中でダメなら不貞腐れゴルフをなげていました。
 個人ストロークなら私には関係ない事ですが。

 その後日本に戻ってから多くの試合に出ましたが、何度かこう言った選手とペアリングが同じになった事があります。
 その選手達に、何であんな攻め方をしたのかを聞くと皆同じ様に、バーディーを取るしかないとか、守ってもしょうがないとか、どう攻めても同じ事だとか、いろいろ言われました。
 結果的に失敗した後はひどいものです。ただ成功したところでよく分かりませんでした。

 私はゴルフをなげた事がありません。
 全くの圏外だったとしても、次の事を考えてプレーします。ダメだったとしても真剣にプレーをするべきで、ギャンブルショットは打つべきではないと考えています。

 性格のことなのでどうしようもない事だとは思いますが、良いとは思えません。
なげるから上達しないとか、腐ってプレーするからどうとかは関係ないとも言えます。
 トーナメントプロでも試合をなげているのを見ますし、私が見てきた試合をなげるプレーヤー達も60台でラウンドできるプレーヤーなので上手いには上手いです。
 その様な選手達がいつから試合をなげ腐ったプレーをする様になったかは分かりません。
 今でもそう言うプレーをしているのかも分かりません。

ただ私は、そのプレーヤーにゴルファーとして正しくないと言いたい。

次回に続く

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