オウム返しをするな
会話上手は勉強にならない
あなたが会話を上達しようとしたときに、どのような方法をとるだろうか。
コミュニケーションの学校に通うのもいいだろう。
独学なら会話の上手な人から勉強するかもしれない。
だがここで知っておいてほしいのは会話が苦手な人は会話上手な人の話し方をマネしても参考にならないという事実を知っておいてほしいのだ。
その理由は楽器の演奏を思い浮かべてもらえるとわかりやすいだろう。
あなたが音楽を聴くことができるとする。
その好きな音楽を演奏しようとしたときに、動画を眺めて楽譜の書かれた本を読み、それで弾けると思うだろうか?
おそらく多くの人はそんなことで楽器が弾けるわけがないことはご理解いただけると思う。
しかしいざ会話となると、普段使っているからなのか、他人からやり方を教わらずとも他の人の話し方、そして本を読むだけで実際に会話できると思ってしまう人が多い。
話し方本の弱点
複数の話し方本を読んでよく出てくるテクニックとして「オウム返し」がある。
相手の言ったことを繰り返すことによって相手の話を聞いているというメッセージを送り、信頼を得ようという趣旨である。
この記事を読んでいる人にははっきりと言及しておこう。
オウム返しは相手から信頼を得るどころか、嫌われる要因になるという事実だ。
この理由は大きく分けてふたつある。
まずひとつめ。
オウム返しがあまりにも本で書かれ過ぎたため、その話し方を知らない人ならいざ知らず、知っている人にはテクニックに頼った話し方ということがすぐにバレてしまうのだ。
つまりその人に向き合わずに本に書かれたことになぞらえてコミュニケーションを取っていることが透けて見えてしまう。
このようにテクニックに頼った会話をされたことが相手に知れた瞬間に相手の心は一気に冷めてしまうのだ。
そんなことを言いながら私も会話の中でオウム返しは使う。
それでも相手に使っていることに気付かれない理由がふたつ目の理由だ。
そのテクニックを学んだ人はすべての単語にオウム返しをしてしまい、これまた相手の心を遠ざける。
散歩の最中、すれ違いの会話では有効な手段かもしれないが5分の会話で3回オウム返しが出てきたら多い。
しかし「信頼を得るためにオウム返しをしなさい」と言われている人はすべての相手の言葉に行なってしまい、相手はどんどん自分の話を聞いていないと感じてしまう。
これは「オウム返し」というテクニックの使い方を知っていないとできない。
会話で相手が信頼してくれる理由はきちんと自分の話を聞いてくれているという実感から生まれる。
聞いているというメッセージを送るのは、オウム返しというテクニックではなく「あなたの話を聞いてます」というメッセージを言葉の外で送る必要があるのだ。
私が行なっている「会話の航海術」はその言葉の外の相槌のタイミングや活用が苦手な人向けの聞き方特化の会話術。
もし他人に話しやすい人と思ってもらいたい人は是非身に付けていただければ幸いである。
さて、人様のテクニックを否定しておいて代替案を出さないのは占い師としてどうなのだろうかという私の良心がうずくのでここからはマガジン購入者向けのお話。
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長峰永地の哲学note
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