だから、この想いを歌にする

勝負曲と言われて最初に思いついた曲というのが、この曲だった。

Sound  Horizon 「Nein」より、最果てのL

この曲を語る上でサンホラの世界を語る必要がある。

Sound  Horizonはひとつひとつのアルバムで物語仕立てになっている。

この第9の地平線「Nein」は今までリリースした7つのアルバムで悲劇を否定するというテーマで描かれている。

「Nein」とはドイツ語で否定を意味する。

それぞれの曲は、今までのアルバムで象徴的な曲が選ばれ、その悲劇に至るきっかけを「否定」してどのような物語になるのか展開していく。

皆一様に本来の悲劇から逃れているものの、今までの物語を知っている人は大切なものがどこか満たされない空虚さを感じる。

本来の物語は、悲劇だったかもしれないが、生きる美しさがあったのだ。

悲劇を「否定」した曲は、先ほども書いた通り、大きい悲しみはないが無難な物語になっている。

大切な約束。大切な人との絆。

何か、欠けている。

私が紹介した「最果てのL」はこのアルバムの最後、物語の終焉だ。

ノエルというアーティストが「否定」された物語を見せられて途中で言葉を挟む。

「そんなの悲しすぎるじゃないか」と。

そして、そんな「否定」された物語を「否定」する歌を歌い上げるのだ。

この歌を聞くと、失敗してもいい。自分で選んだ物事がどんな結果になろうとも、進んでいく勇気をくれる。

挑戦するとき、必ず聞いていく曲なのだ。

ざくろ

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