meeting for matching rings

「ふたりにとって特別なペアリングを作ってほしい」とザクロ文庫にご来店いただいたおふたり。12月に誕生日を迎える彼女は、来年の春から就職で東京へ行くことになったのだそう。ふたりでペアリングをはめて、遠距離でもいつも一緒にいるような気持ちでいたい、という熱い想いで打ち合わせが始まりました。

植物モチーフの指環がお好みということは、事前のメールのやり取りで確認済み。どんなお題が出てくるのかな、とちょっと身構えていたのも取り越し苦労でした。片手に携えていたipadに描かれた指環のデザイン画が、ラフスケッチといえないほど、すでに仕上がっていて、もはや完成形。そこには高山植物の花、葉っぱ、つぼみや実が見事に構成され、夏山の涼やかな澄んだ空気が伝わってくるようでした。

達人級の画力のわけは、「油絵を描いていて」と謙虚にぼそりと言う彼氏。選んだ花は、登山が好きで、ふたりでもよく山へ行くということもあり、可憐でふしぎな花と、前向きな花言葉が気に入ったのだそう。おふたりの想いを指環にするために、デザイン画をカタチにしてくことは、私たちにとってもいい刺激となって意欲をかき立てられました。

台風10号の進路に気をもみながら迎えたこの日は、晴れ間も見えるほどの安堵に包まれ、驚くほど静かで穏やか。おふたりの秘めた想いに、旺盛な好奇心と行動力は、これからさらに勢いを増し、明るい未来を切り拓いていくと信じています。